STAFF BLOG
5.252017
「働かせ方改革」「やりがい搾取」って、なに???
今、日本で働く人たちにとって、もっともホットな話題、「働き方改革」。
この働き方改革を国策にしてまで進めている背景は、少子高齢化による労働生産人口の減少。大いなる人手不足が原因です。
なので、多様な人がもっと仕事にコミットできるよう、これまでの働き方を見直すことが早急に求められているのです。
残業を減らす働かせ方改革?!
5月18日の人と組織の活性化研究会(APO研)定例会のテーマも「最近の労務管理の現場から見る 働き方改革とは」と題し、社労士の下村勝光さんに話題提供いただきました。
APO研の話題提供を受けた議論で興味深かった点は
「働き方改革といっても政府主導で何か言っているという感じで、中小企業では遠い話に思える」
「とはいえ、人の採用ができない」
「残業時間を減らすことが目的化してしまうと、何か違う気がする。キャリアのインタビューをすると、自分が成長した事柄として、ほとんどの人が厳しい仕事を徹夜に近いぐらいに取り込んで乗り越えたことをあげる。」
「働き方改革を行う目的は、会社の成長戦略だと捉えている。多様な人を活かしていかないと、成長はない」
以上のような会話でした。
「働き方改革」が叫ばれているけれど、今、見えていることは「残業を減らす働かせ方改革」ということだけで、具体的な取り組みは手探りなのでしょう。
働き方改革を本当に根付かせ、労働時間を減少させつつも生産性を高めるためには、職場での信頼感や安心感がなければ成立しないと思っています。
もうひとつ、踏み込んでいえば、働き方改革とは、残業をしないように管理する、とか、在宅ワークでさぼらないように管理するということを押し付けるのではなく、従業員が自分たちで働き方をについて考え、試行錯誤しながら自発的に取り組むことにあると思います。
働き方改革は、お上、または経営トップから落とし込むだけでは、「働かせ方改革」にしかならないのです。
「やりがいを感じること」自体は、とてもいいこと
ついでに、最近、私が気になる言葉として「やりがい搾取」「モチベーション搾取」があります。
「低賃金でもモチベーションをうまく上げさせられて働く」ということを意味するそうです。
非合法的な仕事やブラックな働き方に誘導するための心理的誘導はあってはならないことです。
「やりがい搾取」はよくありません。
ただ「やりがい搾取」という言葉だけが広がることには抵抗があります。
「やりがい」「モチベーション」をうまく引き出し、本人もイキイキと、会社も生産性があがるなら、なにも悪いことではないと思うのですが・・・。
ただ、「働かせ方改革」も「やりがい搾取」も、自発的な行動を生み出す支援ではなく、「管理」の意味合いが強くなるとこういった揶揄がでてくるのかもしれません。