STAFF BLOG
5.212016
より人を活かし組織をよくするテクノロジー活用の時代へ!人工知能やBlockchainの活用~HRテクノロジー会議より
ご縁をいただき株式会社ミライセルフさん主催の「HRテクノロジー会議@イノベーションハブ大阪」に参加をしてきました。
ミライセルフさんといえば、適性テストと人工知能による転職マッチングサービス「mitsukari」を提供されていて、特に特徴的なのは「転職者」と「企業文化」との融合をはかるための独自のアルゴリズムを持っているところでしょうか。いわゆる“カルチャーフィット”ということをテクノロジーを用いて実現されようとしています。
そんなミライセルフさんがHRテクノロジー会議を開催されるということで、これは参加しないわけにはいかない!ということで、Be&Doから橋本が参加しました。
HRテクノロジーの潮流

株式会社ミライセルフの表さんによるHRテクノロジー企業の世界の潮流
ミライセルフ代表の表さんによる世界のHRテクノロジー企業の状況に関するお話から始まりました。
HRテクノロジーの分野というのは、いわゆる人事や総務などの業務をテクノロジーで効率化したり生産性をあげるためのものが中心ですが、例えば「勤怠管理」などのサービスから始まった会社も、より広く「人事情報管理」の領域に事業を広げて行ったりしながら拡大しているそうです。海外でも注目度が高くなっている分野のひとつです。
・超売り手市場向けサービスの発達
・マーケットプレイスの細分化と管理ツールの出現
・固定費の変動費化とイノベーションのジレンマ現象
・実業以外の部分のアウトソーシングサービスの発達
といった傾向がみられるとか。
短い時間のなかで、HRテクノロジー領域の世界的な潮流が分かり、とても面白いお話でした。
なかでも、Culture Amp社という「組織内のやる気」をスコアリングするサービスを提供する企業が伸びてきているというのは個人的に注目しました。(日本だけではなく海外でも「組織・従業員のやる気」に困っているようです)
採用はより科学的に?
続いて登壇されたのは、モザイクワーク代表で、採用学研究所コンサルティングフェローの杉浦さん。
多くの企業にとって採用活動が感覚的になり、人のバイアスがかかった判断任せになっている点や、無駄に多くの母集団を集めるナビでの採用方法の限界など、ご自身が地方の中堅B2Cメーカーで採用活動に従事していたからこそ分かる課題感からの、“採用活動を科学する”という視点がとても面白かったです。
メーカーでの独自の社内の組織分析から導き出す適性診断は仮説検証をしている最中であるという話や、母集団を絞りこむための、日本一短いエントリーシートの話など、こちらもとても興味深いお話でした。
確かに、中堅中小企業やベンチャー企業にとって、人事部や総務部や、むしろ経営層が採用活動を兼務するカタチで行っているケースが多いがゆえに、効率化できるところは効率化したいところですよね。それはべつに片手間に採用活動をするということではなく、むしろできる限りマッチングの精度を高めて1人1人と向き合う時間を増やし、お互いにとって合意形成の時間をしっかりとるための取り組みだと思いました。
分かりやすい機械学習入門
元Googleエンジニアで、ミライセルフCTOの井上さんによる機械学習入門。
現在、人工知能(AI)と呼ばれるものの多くは機械学習をベースとしたもの。ディープラーニングも、機械学習の一領域であるニューラルネットワークモデルを使ったものということです。
人工知能ってすごそう!というイメージがありますが(いや、すごいものなんですが)、演算する機械であるコンピュータは人間がプログラムした通りにしか動かないものという前提があります。つまり予測しながら、最適に近い動作を自分で判断して行う、ということがコンピュータは不得意なもの。
機械学習はコンピュータの不得意なところを大きく軽減するための強力な武器という位置づけ。大量のデータを学習させることで、どうやってプログラムを記述したらいいかわからないものを、具体的に記述することなく、コンピュータに動作をさせるというもの。
多くの入門書や専門書などの情報が出ているが、ほとんど「どうやってコンピュータに学習させるか」という点についての話のみに終始する。それには理由があって、解決したい課題に応じてデータの内容や、選定方法、それを学習させる前の処理の方法、さらに意味のある部分だけを選択する特徴量選択の方法、どのモデルを活用するのか、実際に学習させて試行した結果をどのように評価するのか、これは標準化できるものではなく、それこそ解決したい問題によって大きく異なってくるからだそう。
つまり、まだまだ正解はなく、様々な領域で実験的・実証的な取り組みが繰り返されている最中というのが正しいかもしれません。
機械学習≒汎化性能=未知の事象をどれほど正しく予測できるか
こちらも分かりやすく、興味深い話でした。

グランフロント大阪のイノベーションハブ大阪での開催でした。
FinTechのテクノロジーをHR領域にも?
siviraのCTOの流郷さんによるお話は、Bitcoinの仕組みを実現しているBlockchain as a Serviceについて。いったいこれがどのようにHR領域に関連してくるのか、興味深く話を聞いていました。
要は「一度書き込んだらあとから変更できない唯一無二の情報として公開され、決して消えることはない」という特性を用いることで、経歴詐称といったものをなくすことができるのではないか。あらゆる履歴を正確に残すことができるので、採用やタレントマネジメントの領域でも活用できるのではないかということ。
実際に実用化するには、あらゆる課題がまだまだ考えられますが、ある領域で確立されたテクノロジーを他領域の課題解決に活用できないかという視点で、とても参考になるものでした。
人に関するテクノロジーの重要性が高まる
関西でこういったHR領域をテクノロジーという視点で問題提起し発信する場が徐々に増えてきているなという印象もあり、とてもこれからが楽しみになりました。私たちBe&DoもHRテクノロジーの一端を担っています。
人材を活かすため、組織をよりよくするためにテクノロジーの活用が広がっていますね!
特に私たちBe&Doは“Motivational Technology(モチベーションテクノロジー)”で世界のひとびとをよりイキイキを支援するべく邁進していきます!