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6.82016
世界の見え方は十人十色~行動の意図を探る「ダイバーシティ」の要素
スタッフ舞田です。同じできごとでも、見る側のフィルターによって、見える世界は全然違うーーーそんなことを実感するエピソードがあったので、ご紹介したいと思います。
窓ガラスを一生懸命登る虫。一番上まで行ってみても出口はなく、窓の一番下まで落っこちる。また窓を登り始める・・・また落っこちる。それを何度も繰り返している。
さて、こんな様子を見たあなたは、どんなことを感じましたか?
- Aさんは、「出口がないのに登っていって落ちて、また登るなんて、空しい努力をしているなぁ。」
- Bさんは、「窓ガラスを何度も登るなんて、よほど登るのが面白いんだなぁ。ボルダリングにチャレンジしてるような気分なのかな。」
虫が同じ行動を何度も繰り返している、というできごとを前にして、Aさんには、成果に繋がらない行動をしている、と見えたのに対して、Bさんには、チャレンジを楽しんでいる、と見えたのです。どちらがいい悪いではありません。でも、一つの事象で捉え方がこんなにも大きく違うのだ、というのは面白いなぁという気づきがありました。
これをマネジメントの現場に置き換えるとどうなるでしょうか?「空しい努力をしている」(A)、あるいは「チャレンジを楽しんでいる」(B)、そんな自分の見方をいったん横に置いて、相手の行動の意図(何をしようとしているのか?得たい成果は何なのか?)を問うところからスタートする必要があるかもしれませんね。先ほどの虫の例で言えば、AとB、どちらが正解なのか(あるいは全然違う答えもあるでしょう)も、虫に聞いてみないことにはわからないことです。
「相手の立場に立って物事を考えろ」とはよく言われることですが、「相手の立場に立つ」というのは、「自分が相手だったら」という想像力の範囲でしか考えることができません。自分の感じ方と、相手の感じ方は必ずしも一致しないという視点は忘れないようにしたいものです。
自分がどんな風に世界を見ているのか、そこには元々自分が持っている価値観や、そのときの関心事や、たまたま目に入ったニュース、他の誰かの評価など、様々なフィルターが関与しています。全てのフィルターをなくして世界を見ることはできないでしょう。自分の見方のクセを知ることや、各自がそれぞれのフィルターを通して世界を見ているのだという認識を持つことが、ダイバーシティが広がる社会で、一人一人の力を引き出す際には必要なのかもしれないなと、そんなことを思ったエピソードでした。