コラム

週の業務をただポジティブに振り返るミーティングを3年続けて実感したこと

Be&Doでは2019年頃から毎週末、各社員が一週間の業務をポジティブに振り返り、互いに共有し合うミーティング、通称「チアアップミーティング」を行っています。チアアップ(cheer up)とは、直訳すると元気づけたり励ましたりする言葉です。私がチアアップミーティングに参加した当初は、どうすれば良いか戸惑った記憶があるものの、今では自分自身がパフォーマンスを発揮するための欠かせないルーティンワークになっています。

管理職/リーダーの方であれば、どうすれば部下がパフォーマンスを発揮してくれるのか、前向きにチャレンジしてくれるのか、試行錯誤されることも多いと思います。

本ブログでは、チアアップミーティングを通じた私自身の実感を率直にご紹介します。おそらく、このようなミーティングを実施し続けてる会社は少ないはずです。ぜひ「こんな方法もあるんだ」と、マネジメントの参考にしていただけると嬉しいです。

チアアップミーティングをなぜしてるの?何をしてるの?

実際のチアアップミーティングの様子

「ポジティブに振り返るって何?私の会社の風土に合わない気が…」という声もあるかも知れませんが、もちろん遊びではなく、社員のパフォーマンスを最大限に発揮することを目的に、業務の一環として実施しています。そして、その価値を感じているからこそ、3年以上続けていることをご理解頂ければと思います。

チアアップミーティングは、以下のような流れで進みます。

  1. 今週のチアアップレポートを書く
    今週「嬉しかったこと」「うまくいったこと」「喜ばれたこと」「がんばったこと」を1つでも良いので挙げます。書く内容は、それぞれの主観でOKとします。
  2. 情報共有ツールに投稿
    当社の場合、Habi*do(当社提供/利用のマネジメントツール)上に、レポートを投稿します。
  3. ミーティングの場で順番に共有する
    一人数分の簡単な報告でOK。他の参加者は、共有に対してポジティブな声がけや拍手で反応をします。グラウンドルールとして、共有に対する否定や批判はNGです。

ちなみに、レポートは5分~10分で書き終えられます。ミーティング時間は人数で前後しますが、Be&Doでは約40分ほどです(全員の共有後の雑談込みで最大1時間で終了です)。

チアアップレポートの投稿はこんな感じです。

実施当初の回想

私自身はBe&Doへ転職した直後から参加したので、まず最初は何を書けばいいのか、戸惑った記憶があります。自分の出来ることは少なく、捻り出して何とか書いていました。例えば「◯◯の理解が深まった」「アポイントに同席できた」「◯◯の業務の流れを理解できた」などなど。ふりかえることで、”小さくても前に進んだこと”に焦点をあてることで、自信を少しづつ重ねることができたんじゃないかと思います。

ミーティングの場で共有すると、皆さんから「質問してくれていいですね!」とか、「もうここまで覚えたんですね!」とか、ポジティブな言葉をかけてくださるのも、自信に繋がりました。

ミーティングでは他の社員の発表も聞くわけですが、これがまたわからないことだらけで戸惑いました。しかも私の所属ではない開発チームや、総務チームも参加しているので余計にです。でも回を重ねる毎に皆さんが何をやっているのか理解できたり、細かい内容まで理解できなくても、「楽しんで業務に取り組んでいるんだな」とか、「拘って進めてくれているんだな」「大変な作業だったんだな」という雰囲気を掴むことができました。

今、実感している効果

チアアップミーティングに参加してきて、気付けば早3年。長く取り組む中で、得られたこと、実感できている効果は、次のようなことです。

物事をポジティブに捉える思考のクセが付く

レポートを書く中で困るとき、それは”書くことがない”ときです(笑)。「ヤバイ、今週の俺、みんなに共有するような成果なんてないで…?」と。そこで、何か書くことはないのかと、ツール上(Habi*do)に残っている行動記録を遡ります。すると、何かしらは必ず見つかるんです。大なり小なり、嬉しかったことやうまくいったことはあるはずですし、上手くいったかどうかは別として、がんばったことはあるはずです。実は、立ち止まって振り返らないと、見逃してしまっているポジティブな出来事はあるものだなと実感しています。

また、もしネガティブな出来事(失敗した。成果が出なかった。迷惑をかけた。)があったとしても、週末に立ち止まって振り返ることで、「成長できた良い機会だったな。」と、ポジティブな出来事として捉え直すことができるのです。ネガティブな出来事が起きた瞬間は、誰だって落ち込むし、すぐに切り替えるのは難しいと思います。でも時間をおいて振り返っていることで、冷静になり脳内変換ができるのです。次の日は休みという気持ちの余裕もあるのかも知れません(笑)。

同じ出来事でも、ポジティブに捉えることで成長の糧にしたり、自信を得ることができています。小さな成果に目を向けたりポジティブに捉え直したりできることが、チアアップミーティングの効果の一つです。

反応してくれるから、前向きになれる

人間にとって一番怖いのは、「無関心」とよく言います。成果が出たときや、頑張ったと自分で思っていても、周囲からの反応がないと悲しいものです。同僚から「よく頑張った」「おつかれさま」と声を掛けてもらえると、純粋に嬉しい気持ちになれます。とは言え、日常的にそのような機会を得るのは難しいものです。チアアップミーティングでは、このような機会が定例で設けられていると言えます。どれだけ忙しくても、互いに頑張りを労い合うことができます。

とても大変な業務だったのに、私一人で完結する業務だから、誰にもこの努力が知られないのは、なんだか報われないと思うときってありませんか?私は最近、ある大変な業務に対応していたのですが、「チアアップミーティングまで踏ん張ろう。みんなに労ってもらおう。」という一心で、なんとか一週間を乗り切ることができました(笑)。

他の社員から刺激を得られる

普段、同僚が何をしているのか、どんなことに取り組んで頑張っているのか、何を感じているのか、知っているようで知らないことは多いです。チアアップミーティングでは、様々な社員の取り組みを聞くことで、刺激を得ることができます。

上司と一緒に参加できることは、私にとってとてもありがたいと感じています。一般的には、部下にとって上司が何をしているのか知らないというケースも多いと思います。チアアップミーティングを通じて上司の取り組みを知ることで、「走り続けていてすごいな!」「この上司についていきたい」と、大きな刺激を受けることができます。

同僚からの刺激も欠かせません。私の場合でいうと、同世代メンバーがおりますので、「すごいな」「負けずに頑張ろう」という刺激(良い意味のプレッシャー)を受け続けている気がします。上司の背中ばかり見ていると、背中が遠すぎて逆にしんどくなることも実はあります。そういう意味でも、同僚の存在はありがたいのです。

さらに、他チームの社員の共有を聞くことによる刺激もあります。「◯◯ができるのは開発チームが動いてくれているおかげなんだな」「自分の業務が他のチームの貢献に繋がっていたんだな」などなど、自分の業務と他の社員の業務との繋がりを認識して、もっと貢献したいという心のエネルギーが高まります。

そしてなにより、月曜日が嫌じゃなくなる

日曜日の夕方になると、「明日会社行きたくねーな」という、いわゆるサザエさん症候群を乗り越えるのは、指南の技ですよね。なんと、チアアップミーティングを実施することで、これをかなり軽減できます。いや、むしろ私は月曜日が楽しみです。「意識高っ!」と距離を置かないでくださいね。もちろん私も土日の憂鬱さは知っています。漠然とした不安が襲うこともありますよね。

でも週末にチアアップミーティングに参加していれば、悩みを明確にし、前向きに捉え直して、労ってもらい、社員から刺激を受けて、休日を前向きな気持ちでリフレッシュできているので、月曜日はスッキリ「よっしゃ、今週もやったるで!」という気持ちになれるのです。長期間このルーティンを繰り返していますので、ポジティブに振り返る思考習慣が身に付き、心理的エネルギーの土台が構築されていっている効果かも知れません。

最後に

いかがでしたか?「チアアップミーティングの効果はわかったけど、実際に実施するのは難しそう。」というお声もあると思います。そんな場合はまずはご自身でポジティブな振り返りの機会を作ってみてください。あるいはチームメンバーに「今週はどんなことを頑張った?」と聞いてみるのも良いかも知れません。ある会社では、社長が「あなたの仕事の自慢をしてみて」と部下に聞いて回っているそうです。自社やご自身の所属チームにあった方法で、ポジティブな振り返りの機会をぜひ作って頂ければと思います。

本ブログで述べたチアアップミーティングは、心理的資本(目的達成へ向かうポジティブな心のエネルギー)を開発する方法の一つです。心理的資本を構成する4つの要素(HERO)のうち、特に
・Efficacy(エフィカシー)「自信と信頼の力」
・Optimism(オプティミズム)「柔軟な楽観力」
の開発に関わるものです。

心理的資本を開発手法を知り、身に着けることで、他者の前向きな意志と行動を引き出すことができます。詳しく知りたい方は、こちらのブログをご参考ください。

本ブログが、少しでもマネジメントの参考になれば嬉しいです。

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

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執筆者プロフィール

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

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  • 心理的資本研究員
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  • 岡本映一
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