職場の活気を奪う「静かな退職者」― AIが変える職場エンゲージメント

HEROMeの利活用例

最近、現場のマネージャーから「部下のエンゲージメントが低いわけではないが、どうも覇気がない」「言われたことはやるが、それ以上の提案や行動が見られない」といった声を聞くことはありませんか?

もしかしたら、それは「静かな退職(Quiet Quitting)」のサインかもしれません。

「静かな退職」とは、与えられた業務は真面目にこなすものの、それ以上の努力や付加的な貢献は避けるーいわば「必要最低限の働き方」を指す概念です 。

この問題が深刻なのは、本人のパフォーマンスが最大限発揮されないだけでなく、周囲にも影響を及ぼす点です。とある調査では、「同僚や上司に静かな退職者がいる」と答えた人は、いないと答えた人に比べて、主観的幸福感が統計的に有意に低いことが明らかになりました 。

つまり、「静かな退職」は、職場の活気や心理的充足感を静かに蝕んでいく、見過ごせない課題なのです。

人事担当者の「見えない悩み」

この「静かな退職」という現象に、人事ご担当者の皆様はどのような課題を感じているでしょうか。

  • 「エンゲージメントサーベイの数値は悪くないのに、現場の活気が感じられない」
  • 「1on1で話を聞いても、『特に問題ありません』としか言われず、本音が見えない」
  • 「明確な不満ではないため、どうアプローチすればよいかわからない」
  • 「キャリア面談を設けても、希望者が少なく形骸化している」

彼らは、多くの場合、声高に不満を言うわけではありません。
彼らの内側には、「このままでいいのか」というキャリアへの不安「頑張っても評価されない」という不満「誰にも相談できない」という孤独感や人間関係のモヤモヤ 、あるいは「成長が感じられない」という停滞感が蓄積しています。
しかし、これらの本音は、評価者である上司や、会社の人事には話しにくいものです 。
その結果、彼らは会社と距離を置き、「必要最低限」の働き方を選ぶことで、心のバランスを取ろうとするのです。

「言いにくい本音」をAIメンターが引き出すアプローチ

もし、こうした従業員の「SOS」をキャッチし、本人が自ら前向きな一歩を踏み出せるよう支援できるとしたらどうでしょうか。
ここで、私たちBe&Doが提供するAIキャリア相談室「HEROMe(ヒロミー)」がお役に立てるかもしれません。

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HEROMeは、単に答えを出すAIではありません。従業員一人ひとりに寄り添う「AIメンター」として 、従業員の自律的な行動と成長(キャリア自律)を支援する対話型AIツールです 。

最大の特徴は、一般的な対話型AIとは異なり、人の前向きな行動の原動力となる「心理的資本(Psychological Capital)」を高めるための対話法・思考法(ガイディング)にもとづいている点です。

「静かな退職」状態にある従業員は、この心理的資本(通称:HERO)が低下している可能性があります。

  • Hope(意志と経路の力):目標を見いだせない 
  • Efficacy(自信と信頼の力):自分に自信が持てない 
  • Resilience(乗り越える力):挑戦する意欲がわかない 
  • Optimism(柔軟な楽観力):物事をネガティブに捉えがち

HEROMeは、AI相手だからこその安心して話せる心理的安全性の高い場で、従業員が自分のモヤモヤを言語化し 、思考を整理する(自己対話する)プロセスを支援します。

「どうしたいのかを明らかにする」「不安を解消していく」「モヤモヤを整理していく」といった対話を通じて、従業員が「やってみよう」と思えるような心の状態をつくり、前向きな行動を起こせるようなアイデアを示してくれるのです 。

【具体例】「静かな退職」対策としてのHEROMe活用法

では、人事施策としてHEROMeを導入する場合、どのように「静かな退職」対策に活用できるでしょうか。

1. 「いつでも話せる」セーフティネットとしての設置

「静かな退職」予備軍は、いきなり人事や上司には相談しないでしょう。
まずは、従業員全員がアクセスできる「AIキャリア相談室」としてHEROMeを設置します。

従業員は、通勤中でも、深夜でも、モヤモヤを感じたその瞬間に、スマホやPCからHEROMeにアクセスできます 。AIメンターに「最近、仕事にやりがいを感じられない」「上司との関係に悩んでいる」と打ち明けることで、まずは自分の気持ちを吐き出し、客観的に整理する場を持つのです 。

2. 「心理的資本診断」をきっかけにした内省の促進

HEROMeには、オプション機能として「心理的資本診断®」が付属しています。これは、従業員が自身の「心のエネルギー状態」をセルフチェックできる機能です。
定期的にこの診断を実施することで、これにより、従業員は自分の状態を客観的に把握し、主体的にセルフケアを行うきっかけを得られます。

3. 「リファー機能」による”本当に助けが必要な人”への橋渡し

HEROMeはAIに任せきりにするツールではありません。「相談窓口機能(リファー機能)」を備えています。
AIとの対話の中で、「メンタル面の不安が強い」「転職を具体的に考えている」など、AIだけでは対応しきれない、あるいは人事や専門家による個別フォローが必要な兆候が見られた際、AIが「社内の〇〇窓口にも相談してみませんか?」と、あらかじめ設定された貴社の相談窓口を案内します。 

これにより、従業員を孤独にせず 、人事が介入すべき深刻なケースを見逃さず、適切なサポートへとスムーズに繋ぐことができます。

4. マネージャーの1on1支援ツールとして

「静かな退職」の兆候は、現場の管理職にとっても悩みの種です。HEROMeは、管理職が部下の育成やマネジメントに悩んだ時にも活用できます。

とある管理職の例では、部下へのアドバイスに悩んだ際、HEROMeに相談して得たヒントを元に部下と対話し、具体的なアクションプランに繋げることができたそうです。
管理職が一人で抱え込む負担をAIが軽減し 、1on1の質を高める支援も可能です。

HEROMeがもたらす「個人」と「組織」の変化

HEROMeを導入することで、「静かな退職」状態にある従業員、そして組織全体にポジティブな変化が期待できます。

個人の変化: “指示待ち”から「キャリア自律」へ

  • モヤモヤの解消:誰にも言えなかった本音を吐き出し、思考が整理されることで、漠然とした不安や不満が軽減されます 。
  • 前向きな行動:AIメンターとの対話を通じて、「これならできそう」という小さな一歩(行動)を踏み出す意欲が湧いてきます 。
  • キャリア自律の促進:「自分はどうしたいのか」を内省する習慣がつき、会社任せではない、主体的なキャリア形成(キャリア自律)へと意識が変わっていきます。 

組織側のメリット: 「活気ある職場」へ

  • エンゲージメントの向上:従業員が前向きに仕事に取り組むようになり、職場の活気が戻ります 。これは、周囲の従業員の心理的資本にも良い影響を与えるでしょう 。
  • ネガティブな離職の防止:問題が深刻化する前にAIが介入し、従業員がセルフケアを行ったり、適切な相談窓口に繋がったりすることで、突然の離職やメンタル不調による休職といったネガティブな離職を防ぎます。
  • マネジメント負担の軽減:従業員の日常的なモヤモヤの受け皿をAIが担うことで、管理職は1on1などで「より重要な対話」に集中でき、マネジメントの負担が軽減されます。 
  • 組織課題の可視化:個別の相談内容は一切共有されませんが、ご希望に応じて、個人が特定できない統計情報として「どのような相談テーマが多いか」をまとめた利用レポートをご提供可能です。組織全体の傾向を把握し、次の人事施策に活かすことができます。

まずは「いつでも話せる安心感」を

「静かな退職」は、従業員個人の資質の問題ではなく、変化の激しい環境の中で誰もが陥りうる「心のエネルギー切れ」の状態とも言えます。
彼らに必要なのは、いきなり上司や人事が「どうしたんだ」と問い詰めることではなく、まずは「いつでも、安心して本音を話せる場」を提供することではないでしょうか。

HEROMeは、従業員一人ひとりに「AIメンター」を提供します 。

「人が対応しきれない部分をAIが補完する」。この新しいサポート体制 が、従業員のキャリア自律を促し、ひいては組織全体の活力を取り戻す鍵となります。

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!
貴社の課題に合わせた具体的な活用法を、デモを交えてご提案させていただきます。

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