STAFF BLOG
10.52017
「健康増進」だけじゃダメ?従業員のやる気につなげる「健康経営」
スタッフ舞田です。
当ブログでも度々ご紹介している「HHHの会」での取り組みを、副座長として当会を主導してくださった武蔵大学 森永雄太准教授が、「日本の人事部」のインタビューでお話しくださっています。
(参照:ただ「健康増進」を唱えるだけでは届かない。健康経営を従業員のやる気につなげる「ウェルビーイング経営」の考え方【前編】はこちら・【後編】はこちら)
人事担当者の課題としても、「健康経営」がますます注目されているようですね。
インタビュー内容は、どこを切り取っても参考になるお話ばかりなのですが、なかでも、森永先生のこの一言に深く頷く人は多いのではないでしょうか。
「健康になろう」というメッセージに賛成する人は多いけれど、実際に現場へ浸透させ、継続していくことは難しい。
「健康経営」が注目され始めてから既に数年が経過しているにもかかわらず、なかなか多くの企業で思うように導入が進まない難しさは、これなんですよね。「難しい」には、2つの側面があると森永先生は指摘されています。
現在、顕在化した病気がない従業員にとっては「健康増進」は軽視されがちな上に、ただでさえ忙しい中で新たなことを始めるのは、現場にとって負担と捉えられがち。
もう1つは、施策を提供する担当者側。
これまでの業務に加えて健康経営に関するタスクが増え、しかも何も方針が定まらないまま「とりあえず」やるように指示が降りてくるケースも。経営と現場の板挟みになってしまうこともあるなかで、手探りでやらざるを得ない。
こうした課題に突き当たった結果、
(健康診断の受診率を上げる、メタボ・喫煙者など健康リスクのある人を対象に健康指導を強化する、など)
②実施側が負担が少なく「やった感」のある施策
(万歩計を配る、希望者参加型の運動イベントを行う、オフィスに健康器具を設置する、など)
をとりあえずやってみる、ということになりがち。
でも、「とりあえず」やるには、あまりにもったいないのではないでしょうか。
「健康経営」を実施する目的は企業によって異なるものですが、前述の2つの「難しい」を超えてまで実施するものだからこそ、従業員にとっても、組織にとっても、win-winになるような施策にしたいですね。
森永先生は、この課題の処方箋として以下のようなヒントを提示されています。
- 「健康」という言葉を「病気ではない状態」と認識されることのないよう、「健康」が「中長期的に生産性を落とすことなく働けること」であると発信する必要があります。
- 社内でしっかりとコミュニケーションが取れ、適切に人間関係を築けていることも従業員の(心理的な)健康につながります。
- 単に従業員の健康増進を考えるだけでなく、個人や職場の活性化につながる「ウェルビーイング経営」の手法として考えていくことが必要です。
いかがでしょうか?
自社の「健康経営」施策に「ウェルビーイング経営」という視点はあるだろうか?そんなところから議論をしてみるのも有効かもしれません。
とは言え、すぐに成果が出にくいのも「健康経営」の特徴。でも、本気で取り組んだ企業から、ジワジワと効果を実感されています。
「他社がやっているから」「採用市場でアピールになると聞いたから」・・・。
そんな一過性のブームとしてとりあえず取り組むのではなく、自社の生産性向上・社内活性化のためのキラー施策として、ぜひ、本気で取り組まれることを提案します!