Willが確信に。関係性を変える対話を実行~CG1プログラム受講事例

  • ヤンマーホールディングス株式会社
リーダーシップ
会社名
ヤンマーホールディングス株式会社
事業内容
エンジンの開発・製造・販売・サービス
導入目的
エンゲージメント向上支援

ガイドとの定期的な6ヵ月のオンライン面談を通じて、中核人材のリーダーシップ発揮支援を行うマンツーマンの伴走型サービス「CG1」の受講者インタビューです。

産業用ディーゼルエンジンを事業の柱とし、さまざまな市場へ商品・サービス・ノウハウを融合したトータルソリューションを提供する総合産業機械メーカー、ヤンマーホールディングス様。今回、工場で働く皆さんのエンゲージメント向上を目指すお取組みを支援する目的で、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社様の工場長の方を対象としてCG1をご活用いただきました。
先陣をきって受講くださった 尼崎工場 工場長の 網野 謙二さんに、受講されてのご感想とその成果についてインタビューさせていただきました。(聞き手:Be&Do舞田美和)

舞田:この度は、CG1を受講いただきありがとうございました!最初、このCG1に参加される際に期待されていたことや課題感は、どんなことだったんでしょうか?

網野さん:スタート時点の課題感で言えば、私は今の工場長のポジションになったのが新型コロナの厳しい時期だったこともあり、現場で働く皆さんとのコミュニケーションが十分にできていなかったなという反省を感じていました。何もやっていなかったわけではもちろんないのですが、今年に入った頃あたりから、コロナ禍にくすぶっていたいろんな問題が少しずつ出てくるようになったんです。結果的に、現場で働いている皆さんの意見や話を私が聞けていなかったんだなと感じていました。ちょうど工場としてエンゲージメントを上げていこうという取り組みも進め始めていたので、このCG1をチャンスとしてやってみようと思いました。
今回このプログラムを受講するのはヤンマーで私が初めてだったこともあり、受講前の時点では正直何をするのかイメージしきれていなかった部分もありました。しかし、せっかくチャンスを会社から与えてもらったのだから、どうせやるなら前向きに、少しでもプラスになるようにと考えて取り組むことができました。これが良かったかなと思います。

舞田:お忙しい中だとどうしても目の前のことに追われてしまいがちですが、そんな中でも、せっかくの機会をチャンスにしようと捉えて取り組んでいただけたというのが、成果を高められた大きな理由でもあると思います。ありがとうございます。

Willが確信になり、行動が後押しされた

舞田:今年の4月から9月まで、月に1回合計6回の1on1面談(=HEROセッション)をガイドと一緒に進めていただきましたが、Before-Afterでは心理的資本診断での心理的資本の状態の値も大幅に向上されました。終えられての率直なご感想はいかがでしょうか?

網野さん:一言で言うと、「やって良かったな」と思っています。良かった理由はいろいろありますが、一番はガイドの方に背中を押してもらって行動できたことですね。今までもいろいろやりたいなぁと思うことはありながら、なかなか一歩踏み出せなかったところがあったんです。でもこうやって月に1回のセッションがあると、次にガイドの方にお会いするまでに何か一つでも実行したことを報告できるようにしたいなと思い、着実に行動していくことができました。

舞田:ガイドとのセッションが網野さんの行動の後押しになったとのこと、 嬉しいです。ガイドとの対話の中で何か気づかれたり、これまでの自分とは違うアイディアが出てきたり、みたいなことはありましたか?

網野さん:両方ありますね。まず気づきになったことは、お話ししていく中で「私が大事にしていること」が明確になっていきました。例えば、エンゲージメントを上げていく目的の一つには、もちろん会社の利益になる部分もありますが、私はそれよりも、「働く皆さんのやりがいを大切にしたい」という思いがあるんだなということが明確になりました。
会社に否定的な気持ちを持って仕事をしたり、誰かのせいで自分の思うようにいかなかったと言いたくなるような仕事生活ではなくて、退職するときに自信を持って「自分のやれることを十分にやって、社会にも貢献できた」と言えるような、本人がやりがいを感じながら仕事をしてもらえるようにしたいと私は思っています。
そんな風に仕事に取り組んでいただければ、 あとは、私たちのような経営する人間がちゃんとやれば会社の業績は自然に上がっていくんじゃないかなと思っています。こうした私の大切にしている思いを、ガイドの方がきちんと整理して示してくださったことで、さらにその思いが強くなり確信になっていきました 。
それだけじゃなく、ガイドの原さんもこれまで色々なご経験をされてきた中でのエピソードやアドバイスを話してくださったことで、自分自身の仕事の進め方などのヒントになりました。

舞田:受講の前、中間、終了時には、網野さんの心理的資本の状態を測る「心理的資本診断」を受検いただきました。受講前と受講後の結果を拝見すると、全体的にとても上がっていらっしゃいましたね。その中でも、Hopeという「自分の目標を定めて行動していく力」を示す値が20ポイントも上がっています。もともとスコアとしては比較的高くていらっしゃったのが、さらに大幅にアップされているのがすごいなと思って拝見していましたが、今のお話で合点がいきました。セッションを通してご自分が漠然と感じていたWill(やりたいこと・大切にしたいこと)が、「確かにこれでいいんだ」という確信に変わっていかれたんですね。

網野さん:そうですね。これからはこの自分のWillを忘れず、常に意識しながらできるんじゃないかなと思っています。実際、この気持ちを大事に意識しながら現場で働く皆さんと接するようになりました。

一人ひとりとの対話を通して関係性を変えていく

舞田:このCG1のご受講期間中に、職長20名の方の1on1を実施されたとお聞きしました。お忙しいなかで、これはなかなか大変だったんじゃないかなと思うんですが。

網野さん:これも実は、以前からやりたいとは考えていたことだったんです。ですが、 人事評価などの時期に重なってタイミングを逸していたらコロナが流行ってしまい、なかなか実行できずにいたんです。一人30分くらいの1on1ですが、なんとか実行することができました。

舞田:いかがでしたか?

網野さん:もちろん、話してもらった内容の中には私の知らないことや気づいていないこともあるんですが、それはある意味想定内ではありました。今回実行するにあたって私が目的としていたのは、この1on1をすることで、私とその方との「距離を近くすること」でした。些細なことでも「ちょっとこんなことが起こっています」といった話ができる関係性にしていきたい、というのが狙いでした。
これまでも、もちろん会えば挨拶はしますけれど、 何十分もじっくり話したことがなかったので。私の工場長という役職柄、相手は多少喋りにくいかもしれませんが、少しでも距離を近づけて本音で話しできるようにしたい、そのためにもこの1on1を第一歩にしたいなという思いがありました。実際、1on1の後には、工場内で話した人と会った時に少し表情が変わったかなと、そんな手応えは感じています。

舞田:30分の対話自体にももちろん価値があると思いますが、それ以上にこういう対話を持つことによって関係性が変わっていくことを意図されて実施されたんですね。

網野さん:はい。1on1では「なぜそう思うのか?」ということに耳を傾けるようにしています。当然、和気あいあいとみんなと仲良く前向きにできる人だけではなく、不平を口にしがちな人もいます。でも、その不平や不満を「やりがいに繋げるにはどうしたらいいだろう」と考えて対話するようにしています。

舞田:不満を感じている方のマネジメントには苦慮されている管理職の方は多いんじゃないかなと思いますが、他にも何か関わり方で工夫されていることはありますか?

網野さん:何か組織で変化があった時などに、納得するまではなかなか協力的にやろうと思えず不満に感じてしまう人は、やっぱりいますよね。そういう時は、まずは話を聞いて「一緒に考えましょう」って言うようにしています。会社のルールだからとか、決まりだからとかではなくて、「困っていることがあったら一緒に考えましょう」と。「あなたは一人じゃないですよ」っていう気持ちが伝わればいいなと思って話を聞いています。

もちろん指摘するところは指摘しないといけないんですが、いろんな考え方があるのは当然なので、相手の方が間違っているということではなく、一緒に考えていきたいと思っています。 まず話を聞く姿勢でないと、話してもらえなくなります。

舞田:冒頭のお話にあったとおり、 網野さんご自身が大事にされている価値観を軸にして対話を常にされてるんだなっていうのがすごく伝わってきます。本当に軸として確かなものにされてるんだなということを、今のお話からも感じました。

網野さん:元々大切には思っていましたが、確かなものにしてこれたのは、CG1を受講したおかげでもあると思っています。

舞田:それは嬉しいです。
今回は原というガイドが担当させていただいたんですが、率直なところいかがでしたか?

網野さん:私どもと同じくメーカーに勤められていたご経験があったこともあり、非常に波長が合って話しやすかったです。ガイドとしての技術でもあるかもしれませんが、考えを押し付けたりせず、うまく気づかせてもらえるような関わり方をしていただいたので、毎回の1時間のセッションが短く感じられました。

舞田:話しやすい雰囲気の中で対話が進められたということですね。よかったです。
当プログラムは、CG1サイトという補助ツールを使いながら進めていただきました。セッションのふりかえりや、1ヶ月の行動を通して感じたことなどを書いていただいたりしましたが、それはいかがでしたか?

網野さん:正直、ふりかえりを投稿するのはプラスαの手間はかかるなと思ったこともあったのですが、書いたものを後から結構自分で見返すと、あの時自分はこんな風に感じたんだなと振り返ることができたのがよかったです。
それと、日常で気づいたことや感じたことを随時投稿するといいと言われたので時々投稿したのですが、書いたものにガイドの原さんやサポートの方がコメントを返してくださって、それが非常に嬉しかったです 。書いたのは、例えば現場の方が向こうから話しかけてくれて嬉しかったとか、そんな些細なことなんですが、それに共感して自分のことのように喜んでコメントを返してくださったのが非常に印象深く残っています。

舞田:やっぱり網野さんのようにある程度上の役職の方になると、ちょっと嬉しかったことなんかを報告する機会って少なくなりがちですが、頑張った取り組みの成果を一緒に喜んでもらえるって、とても力になりますよね。
先ほど、振り返りを後から見返されたとおっしゃっていただいたのですが、やってきた自分の道筋を確認するみたいな感覚でしょうか。

網野さん:そうですね。よく乗り越えたてきたなと思うところもありますし、元気が出ますね 。こんな困難な中でも現場の皆さんとの接点を大事にしてこれたんだ、ということが自分への自信となりましたし、また次に困難があっても乗り越えていけると思えます。

舞田:今「自信」とおっしゃっていただいたんですが、心理的資本においては自信は「Efficacy」という要素で見ることができ、「できた」という達成体験で高められるものなんです。網野さんの心理的資本診断の結果でも、このEfficacyが10ポイントも上がっていらっしゃるのは、こうして実際に行動したことを丁寧にふりかえることで、より達成感を感じてくださったことが一層の自信に繋がられたのだなと納得いたしました。
セッションを通じて、いろんなお取組みをされたと聞いていますが、工場通信の発信などもされているんですよね。

網野さん:工場通信は、ガイドの原さんとの会話の中で、こんな取り組み例もありますよと教えていただいてやってみようと始めたものです。月に1回ではありますが、現場の責任者である職長たちにメールを送っています。メールで送る題材のうちの一つは、工場見学に来た方たちのアンケートです。多くの場合、アンケートではお褒めの言葉をいただくことが多いため、皆さん日頃の活動に対しての感謝を込めたメッセージと、それとその状態を維持するためにどうしていくか、あるいはもし何か悪いご指摘をいただいていればそれを直していきましょうという、その2面のメッセージを伝える機会にしています。他に、例えば私が違う工場を見て気づいたことなどを書き添えたりしています。この効果はまだわかりませんが、しばらくは無期限で続けようかなと思ってます。

舞田:それはきっと皆さんも嬉しいですね!自分たちへのお褒めの言葉をそうして知れるというのはやりがいにも繋がりますし、すごくいいお取り組みですね。やってみていかがでしたか?

網野さん:工場見学した人のアンケートを工場通信で1枚にまとめて送っているのですが、それを現場に貼り出してくれている職場が結構あるようです。毎月書くのは、どんなことを書こうかなと考えるのも大変と言えば大変ですが、それが本来の私の仕事かなとも思っています。

舞田:それも先ほどのWillと繋がっていますね。丁寧なコミュニケーションでみんなのやりがいを高めたいというWillを、しっかり随所で体現されていらっしゃるなぁと改めてその信念の強さを感じます。 いろんな取り組みを通してWillを実現されていますね。

網野さん:そうですね。他に、家族も含めて参加できるような社外行事があったりするのですが、特別な用事がない限りは参加するようにしています。従業員の皆さんとも普段持てない接点が持てたり、家族の方ともお会いしたりできますから。コロナ禍にはできなかったのですが、これからはそういう機会も大切にしていきたいですね。

CG1で飛躍できるおすすめの対象者は?

舞田:今回ご受講いただいたCG1は、どんな方に受講していただくのがおすすめでしょうか?

網野さん:やっぱり部門長クラスの方じゃないでしょうか。普段なかなかゆっくりと自分のことを話す相手や機会がなかったり、仕事でやってみた喜びなどを共有する機会がなかったりするので、部門長以上の人が受講するといいのではと思います。
もちろん私も普段話せる相手はゼロじゃないですし、本を読むのが好きなので本の中から「ここは私の考えと似てるな」と背中を押されたり参考にしたりということはありますが、ガイドの方と定期的に話すことで、自分のやり方を確認したり壁打ちする機会になってとても良かったです。

舞田:確かに本から学ぶというのも有益ですが、実際に話すことで頭の整理にもなって行動が後押しされる効果っていうのは高いですね。

網野さんそれと、本当に大事だなと思うのは「どうせやるなら楽しんで 一生懸命に前向きにやる」ということかなと思います。もちろん実際にはやってみないとわからないことではあるんですが、今回私は幸運にも「せっかくなら有意義に活用しよう」と思えたのが良かったなと思っています。

舞田:確かに、せっかくの機会があっても、活かそうという思いがないと、有効に活かせないですよね。
部門長の中でさらに選ぶとすれば、どんな人が良さそうですか?

網野さん:やっぱり2~3年くらい部門長を経験した人が良いのではないでしょうか。何か困ってることやアイディアが欲しいと思っている方にいいと思います。忙しい人だと最初は少し負担に感じるかもしれませんが、月に1時間くらいは捻出できると思いますし、結果として解決の糸口が見つけられるのでいいと思います。忙しいなかでも、ガイドの方がセッションの設定時間を柔軟に対応いただけたので助かりました。

舞田:それなりに自分で試行錯誤してみた後に次のアクションをどう起こしていくのか?という段階で受講されると、より活かしていただけそうということですね。貴重なご意見をありがとうございます。
今後、網野さんはCG1でのご体験を経て、どんな風に取り組んでいかれたいという思いをお持ちでしょうか?

網野さん:みんながやりがいを持って働くというのは、簡単なようでなかなか難しいことなので、すぐにできるとは思いませんが、少しでも近づいていけるように継続してやっていきたいと思っています。
やっぱり人間ってチャレンジすることで成長していくものだと思うので、みなさんにいろんなチャレンジをしていってもらいたいですし、「網野が言うんだったら、ちょっと1回やってみようかな」と思ってもらえるような関係を築いていきたいと思っています。そうやって一度何か成功すれば、きっともっとお互いに何でも言えるような関係になれると思うので、そこを目指していきたいですね。

舞田:ありがとうございます。工場にはたくさんの従業員の方がいらっしゃいますし、若い方から年配の方までいろんな境遇の方をまとめていくのは簡単なことではないと思いますが、きっと網野さんなら実現していかれると思います。
これからも、私どもも網野さんのWillの実現を応援しております!この度は、ご受講いただきありがとうございました。

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