- 氏名
- 千田 朝代
- プロフィール
- 大手電機メーカーでの約30年の勤務の中で、営業推進部門において新製品研修の企画や実施を経験した後、人事総務部門において、メンタルヘルス研修の企画や実施、セクハラ・パワハラ相談対応、長時間労働者の医師面談対応などの労務管理などに従事。一貫して企業内の教育研修に関する業務を歴任。その後はこれまでの経験を活かし、個人としてメンタルヘルス領域の研修講師として活動。
心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された千田朝代さん(写真右)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do赤澤(写真左)
メンタル面との関連性に興味
千田さんのお仕事など、取り組まれていることは?
元々は大手電機メーカーに長く勤務していまして、現在は研修講師として活動しています。セルフケア・ラインケアなどのメンタルヘルス系の研修や、ハラスメント防止研修、傾聴やアサーションのようなコミュニケーションがテーマの研修を、企業・観光庁・学校・病院などに実施しています。
PsyCap Master認定講座の受講は、私が以前研修を受講した講師の方から紹介いただいたことがきっかけです。心理的資本は初めて聞く言葉でしたが、メンタルヘルスなどに関係してそうだと興味を持ちました。心理的資本が高まることでメンタル面にどのようなプラスの影響があるのか関心があり受講を決めました。
受講生同士のディスカッションが学びに
受講前に感じていた不安などはありましたか?
不安というほどではないのですが、一般的な講座では最初に丸1〜2日の講義をして、その後にオンライン学習で学ぶ形式も多かったので、PsyCap Master認定講座がどのように進行するのかは気になっていました。
実際に受講されていかがでしたか?
実際に講座を受けてみると、eラーニングの知識学習に加えて、毎週のランチタイムワークショップ、専用サイト内での受講生同士の意見交換などで、密度濃く学ぶことができました。
個人的には、特にランチタイムワークショップが魅力的でした。事前にいただいたお題をもとに、各受講者が自分なりの考え方や意見を持ち寄ってディスカッションできるので、「そんな意見もあるのか」と学びになりました。ディスカッションできるのは貴重だと思います。
私自身の変化としては、受講によって心理的資本の構成要素のOptimismがより強くなった気がしています。「人はもともとネガティブになりやすい生き物で、弱い存在だ」と言いますよね。悩みについて考え込んでしまうところもあったのですが、心理的資本でいう「過去への寛大」などの考え方を学ぶことで、ポジティブに捉える思考法が強化されたと感じます。
マネジメントのバイブルの一つとして活用できる
心理的資本やガイディングは、どのようなことに効果的だと感じましたか?
心理的資本のノウハウはハラスメント防止の観点からも効果的だと感じています。部下がメンタル不調に陥るのは、上司のハラスメント的な指導の仕方に原因があることが多いですが、従来の指導法は、それこそ”昭和のおじざん”のような、一方的に「言うことを聞け」という指導や、「気合いだ・根性だ」という曖昧な指導が多かったように思います。ただ、今の時代ではそういう言い方は通用しなく、心が折れてしまう人が続出している現状があります。
私がハラスメント防止研修を行う中で最も大事にしていることは、一方的な指導ではいけないと伝えると同時に、『どういう指導の仕方であればハラスメントにならずに、部下の良い意味での満足感・やる気を引き出してパフォーマンスを高めるのか』を知ってもらうことです。これができれば、上司部下が互いにWin Winであり、企業にとってもプラスになります。
本講座で学ぶ”ガイディング(=心理的資本を高める介入法)”は本人のやる気を促す関わり方の手法だと思いますので、まさしくこの考え方にフィットするノウハウだと感じました。逆にいうと、非常に高い指導力が管理職に求められるとも感じましたが、管理職がいち早く心理的資本やガイディングのノウハウを取り入れることができれば、部下が自分の頭で考えて行動が起こせるようなファシリテーター的な役割として、その人にあった指導の仕方を具体的に実践できるようになると思います。さらに、上司と部下の間で互いの問題や課題を見える化した上でコミュニケーションを取ることもできると思います。例えば、心理的資本の構成要素の一つであるHopeの観点で言うと、高めるために”意志”と”経路”について問うというような具体的な切り口から会話ができますよね。
また、ガイディングは論理的な部分だけではなく、元気づけるような感情的な部分のサポートの切り口もあり、その両面からアプローチできるノウハウです。部下を持つ管理職としては、マネジメントにおけるバイブルの一つとして活用できるものであると感じています。今の時代の指導法として非常に適しているのではないでしょうか。
これからガイディングスキルをどのように活かしていきたいとお考えでしょうか?
私自身も、PsyCap Master認定講座で学んだノウハウを研修内容に取り入れてみたいと考えています。上司や部下が心理的資本のノウハウを知り、互いにうまくコミュニケーションをとれるようになると、部下が一人で抱え込むことが減り、メンタル不調のリスクを下げることができると思っています。
好奇心を持って取り組むことで、実践的な学びを得ることができる
これからPsyCap Masterを目指される方へメッセージをお願いします。
好奇心を持って積極的に学ぶことをおすすめします。本講座は受け身で聞いていれば学べるという知識学習の形式ではなくて、自分が貪欲に動くことで実践的な学びを得ることができます。拙くても自分の考えをアプトプットして発信することはとても学びになりますし、交流することで他の受講者の方の考えを知ることができます。特に毎週のランチタイムワークショップはとてもとてもおすすめです!私自身も「勉強しなきゃ」ではなく楽しんで受講できたことで、発見が多々ありました。ぜひ積極的に学んでほしいと思います。