「行動を起こす勇気」を引き出して、学習へのポジティブなマインドセットを持てる支援をしたい

  • PsyCap Master認定者インタビュー
PsyCap Master
氏名
冨士原 章博
プロフィール
外資系製薬企業勤務。社内研修講師。

心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された冨士原章博さん(写真右)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do赤澤(写真左)

ポジティブ心理的学との関連性に興味

冨士原さんのお仕事など、取り組まれていることは?

外資系製薬企業に勤務しており、社内研修講師として、営業担当者の製品知識、営業スキル向上のための研修企画・実施をしています。営業担当者が相手にとっての問題をキャッチできるような傾聴スキルも向上させたく、そのために私自身もコーチングやカウンセリングのスキルを学んで、それを営業活動に取り入れる試みをしています。

チームの中でもリーダーシップをとって、ふりかえりを定期的に行うようなチーム作りをしています。

PsyCap Master認定講座についてはある講師の方の紹介で知り、ポジティブ心理的学をベースにした概念ということで関連性に興味を持ち、受講しました。

「行動を起こす勇気」を引き出す多角的な質問の切り口を習得できる

受講されていかがでしたか?

PsyCap Masterは実際の仕事のシチュエーションを思い浮かべながら、介入手法であるガイディングがHEROのフレームワークでわかりやすく体系化されているので、誰かをサポートする上で非常に役立っています。HEROというのは、とてもキャッチーですよね。

ガイディングは、コーチングとのシナジーがあると感じています。行動を引き出すためのコーチングに大切なことは「行動を起こす勇気を持てる」状態を作ることだと以前から思っていましたので、まさにガイディングは私の考えに近いと思いました。

コーチングは問題解決のための意思決定や行動を支援する手法ですが、問題に直面している人自身が、問題解決につながる行動を自ら継続できるサイクルを回せるようになるところまでがゴールだと思っています。

私の勤務先では、特に管理職によるスタッフに対するコーチングが推奨されていますが、多くの場合、基本的な質問パターンを実施するにとどまっていて、これだけだと片手落ちになると感じます。コーチが問うことでその人自身に答えを出してもらうことはできるのですが、加えて「行動を起こす勇気」まで持てているかどうかは別の話ですよね。まだその人の行動を起こす勇気や意欲が本当は高まっていないのに、形だけの選択をすることは、実は良いサイクルを生まないのではと感じています。

よくあるケースとしては、コーチングであるにも関わらず、上司が部下に対する期待から「こういう答えを言ってほしい」という関わり方をしてしまっていたり、部下も上司の期待に寄せた返答をしてしまいがちなところもあると感じています。

ガイディングは、例えばある問題に対する行動への意欲の面や、経験、今の状況に至っているポジティブ・ネガティブな面などの過程にも注目しようとしますよね。多角的な視点で相手をより理解しようとします。単に答えを引き出すだけではなく、その人のバックグラウンドにあるものを如何に問題解決のリソースとして引き出すかが鍵になると私は理解しています。ガイディングを学んで、質問の切り口がより多様になりました。

今まで以上にメンバーから意見が出るようになった

受講して得られた気付きや、受講後の変化は?

特に講座内で実施した自分のHEROを振り返るワークシートが学びになりました。ワークシートを書くことで、自身の振り返りをすると共に身近な人との関わり合いを思い浮かべ、気づくことがありました。例えば、僕の意欲を上げてくれる人は心理的資本が高い人で、逆に意欲を削ぐ人は心理的資本が低い人かもしれないとか(笑)。それに気付いたからこそ、もし相手の心理的資本が低いのであればどうやって高めて、自分だけでなくその人の意欲も上げられる関わり合いをするにはどうしたらよいかを考えるようになりました。

チーム内のファシリテーションにも学んだことが役立っています。例えばなにか失敗したときも、そこで議論を終わらせてしまうのではなく、「結果は出ていないけど、ここまでこれた理由は何か?」「自分たちがコントロールできたことは何か、線引きをしてみよう。」「何をしたら乗り越えられる?」と失敗をポジティブに捉えて目標に向かうようなガイディングの視点で質問を投げかけることができています。質問の引き出しが増えたことで、今まで以上にメンバーから意見が出るようになった実感がありますし、それほど率先的ではなかったメンバーからの発言も増えました。

あとは、自分自身の変化として、メンバーに自分からフィードバックをもらいに行くことが増えました。ダメ出しされそうでも積極的にフィードバックをもらうことで、チームメンバーが「いいね」と言ってくれたり、「他の選択肢もあるかも」と改善点のアイデアを得られたりしています。ワークシートの振り返りによって自分の心理的資本が高まったことで、必要以上にダメ出しを気にせず、目標に向かって行動することができていると感じます。

学習へのポジティブなマインドセットを引き出す支援に活かしたい

これからガイディングスキルをどのように活かしていきたいとお考えでしょうか?

社内講師として、営業担当者の「自分がこうなりたいから、こんなことを勉強したい」という意欲と行動の繋がりを引き出すことに、これからチャレンジしたいと思っています。そのためのWillの開発手法を用いたワークショップを新たに企画中です。人によっては、新しいことを勉強しようという挑戦意欲が低い人もいます。そんな人が学習へのポジティブなマインドセットを持てれば、ご本人にも組織にとっても良い影響があると信じています。

あとは、チームの新しいチャレンジを促すガイディングを意識した質問のファシリテーションをこれからも続けていきたいです。最近では、重要なプロジェクトを任された後輩から相談を受けることも増えたので、そこでもガイディングを意識して、後輩の「行動を起こす勇気」を引き出せるような支援をしていきたいです。

講座が前向きな考え方や生き方を考えるキッカケになる

これからPsyCap Masterを目指される方へメッセージをお願いします。

受講をキッカケに、心理的資本協会の理事のお一人でもある池口武志さんの著書「人生の頂点(ピーク)は定年後~サードエイジ=人生最良の時間をどう迎えるか」に関心を持ち読んだのですが、まだまだ人生が長く続く中で、自分や周りの人の心理的資本を引き出すためにどんなことをしたらいいかという発想を持っていると、自分の可能性が広がると思いました。これからは定年後も働く人が増えてくる時代になると思いますが、そういった人達と人生を一緒に楽しんで歩んでいくためにも重要なスキルです。

PsyCap Master認定講座が、前向きな考え方や生き方を考えるキッカケになると思います。自分のためにも、講座の受講をおすすめしたいと思います!

受講いただいたPsyCap Master認定講座の詳細はこちら

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