- 会社名
- 有限会社ゑびす屋池袋本店
- 事業内容
- コンビニエンスストア(ローソン)の展開
- 導入目的
- 離ればなれの複数店舗の社員をつなぎ目標共有
社員数6名、アルバイト含む従業員数は約60名で東京都内で4店舗のコンビニエンスストア(ローソン)を展開している有限会社ゑびす屋池袋本店。
人材不足といわれるなか、安定したアルバイトスタッフの確保をするとともに、社員の育成に力を入れ、新店舗出店など事業拡大を実現しています。
具体的な成果・導入後の対前年比利益が110%!
・最も成果の出た店舗では、対前年比利益が120%!
今回、代表の坂本さんをはじめ、社員のお三方に現場での様々な経験のお話や、Habi*do導入後の変化をうかがいました。(聞き手:Be&Do橋本)
将来の事業拡大を目指しストアコンサルタントに
ローソン大学の試験に合格し、複数店舗のマネジメントをするストアコンサルタント資格を持つ鶴川さん。各店舗の問題解決を各店舗の社員と行っている。ナンバー2で右腕的存在(坂本社長)
橋本:ストアコンサルタントの資格取得にチャレンジされた理由について教えてください。
鶴川さん:社員として店長を目指すことは当然だと思います。ただ、店舗が増えていくなかでオーナーと話をしていると、コンビニだけでやる必要もないじゃないかと。
事業を拡大するとなったときに、オーナーがコンビニの仕事に追われていれば、誰かがコンビニの仕事をしっかりとみていかないといけないと思いました。
ストアコンサルタントを目指すことが、ゆくゆくは会社の発展にもつながるし、自分たちのためにもなると考えていました。
橋本:ストアコンサルタントになって見えることの違いはありますか?
鶴川さん:ストアコンサルタントの仕事をやり始めたのは最近なんです。初めに感じたのは難しいなということ。アルバイトの人たちに教育をしたりということは店長時代にもありましたが、そこには店舗ごとに店長がちゃんといるわけです。その店長のやり方もあります。
全部わたしのやり方でやってしまうと、その店長である意味がなくなってしまいます。それではだめだと思いました。だからその店長なりのやり方があって、そのうえで進めていかないといけない。
その店長がどんなお店づくりをしていきたいのかということを理解することから始まると思うので、ストアコンサルタントは店長と求められるものが違うと感じました。
どうしたらいいんだろうと最初は悩みましたね。今は店舗立ち上げをがんばっている高橋さんの店舗に注力しています。
正社員になり、店長を目指す!応援が力に
新店舗の立ち上げと同時に社員になった高橋さん。現在は店長を目指して修行中!めきめきと成長している(坂本社長)
橋本:高橋さんは新しく店長になるために立候補されたんですか?
高橋さん:5人社員がいたのですが、私だけまだ正社員になっていなかったんです。ローソン本部のエリア担当の方から、新しく店舗をやりませんかという話がありました。
この先、正社員を目指したいと思っていたが、なかなか踏み出せていなかった。今までの自分を変えたいという思いもあり「わたしにやらせてください」と言いました。
坂本さん:そのとき、実はまだお店を出すかどうか決定まではしていなかったんです。そこまでいうなら高橋さんのためにもお店を出そう!と、みんなで決めました。
橋本:みなさんで一丸となったんですね!
高橋さん:周囲の協力もあったので、ぜひやってみたいと。今までそういったところから逃げていた自分もいたのですが、もう逃げられないと(笑)
橋本:社員に立候補して1店舗任されて経営するということはすごい挑戦だと思います。心境の変化はありましたか?
高橋さん:覚悟ですね(笑)一番わたしは年齢が上なので、今後の人生を考えるとシャレにならない!家族からも同僚からも、みんなに応援していただいた。成長しようと思えるようになりました!
採用がうまくいく秘訣は現場のマネジメント
吉田さんは店長の中でも1歩抜きんでている役割であるリーダー店長試験を目指している(坂本社長)
橋本:社員に立候補して1店舗任されて経営するということはすごい挑戦だと思います。心境の変化はありましたか?
坂本さん:リーダー店長試験というのは、いろいろなお店の店長がベンチマークするような店長になるべく、つまりエースが受ける試験なんです。
吉田さん:オーナーから打診をしてもらって。この会社にきて2年ほど経ちます。実はそれまでにも他のオーナーさんのところで店長をしていましたが、店長といっても、アルバイトの延長線上にある感じだったんです。まじめだからやってみない?という感じですね。
坂本さん:店長の仕事は、お店を営業時間中きちんと運営をすること。それは教育なども含めて最低限きっちりとすること。
リーダー店長は模範となるべき店長で、PL/BSも読みながら、経営と店舗運営をしっかりとリンクさせる。
利益をしっかり出しながら、運営もしっかりとできて両輪がまわっている状態ですね。そのバランスをとれる人が適している。次世代の育成もしっかりとやっていってくれている。
橋本:ということは採用も含めて取り組まれているんですよね。御社は人材不足といわれる市況でも、採用はうまくっているとうかがいましたが。
吉田さん:先日、ほかのオーナー店舗の店長さんと話すことがありました。そのオーナーさんは日本人だけの採用にこだわっていたけれど、そうもいかなくなってきた。でもうまく外国人のアルバイトスタッフを機能させられず、大量に辞めてしまう。だから派遣を使わざるをえない。そういうケースはけっこう多い印象を受けます。
坂本さん:応募が来る秘訣みたいなものは、お二人から見てどうですか?
吉田さん:相手に適応することができているかどうか。柔軟性があるかどうかで変わると思います。スタッフが外国の方であれば、相手の文化に対する理解であったり、個別の状況に対する理解が足りないと定着も採用も難しい。
橋本:まさしくダイバーシティな考え方ですね。違っていて当たり前。
鶴川さん:私たちの店舗が人手不足になっていない理由の一つは、友人を紹介してくれることです。
こちらから頼まなくても、いい人がいるから紹介したいと言ってきてくれる。
優秀な人が優秀な人を紹介してくれる。労力も採用経費もかからないので、とても楽ですね。
坂本さん:例えば1カ月後に辞める予定のスタッフから10人くらい紹介がくるんです。
鶴川さん:アルバイトは外国の方が多い。日本人は時間に厳しくて3分遅刻してもそれは「遅刻」として扱われるけど、世界的にみれば日本が少数派です。
だから「日本の文化が変なんだけど、日本で働くからにはお願い。3分でも遅刻するときは電話してくれたら他のスタッフが安心するから」という言い方でお願いすると、次からちゃんと連絡してきてくれる。
一方的に「ダメだろう!」と叱れば、相手も「何でだ!」となります。行動は同じだとしても、こちらの言い方ひとつで変わります。
スタッフの存在をしっかりと認める意識付け
橋本:皆さんが人材育成やチームづくり、業績などの課題がある中で気を付けているところや意識しているところを教えてください。
吉田さん:受け売りな部分があるが、承認することを心がけている。不完全でも、100点満点で20点のスタッフが50点になったら「ここは良くなったね。」「素晴らしいね」とほめてあげるほうが伸びると実感しています。承認を丁寧に行うようにしています。
「この店長は自分のことをよく見てくれているな」という土台ができてくると、もしできていないことがあったときに指摘する必要が出てきても聞く耳をもってもらいやすく有効に作用しますね。
無意識に承認しやすいスタッフと、承認していないスタッフというのはやはりいて、自分でふりかえって気づいたら気を付けるようにしています。
高橋さん:私はスタッフと1日1回は他愛もないことでも良いので、必ず出勤した際に話をするようにしています。スタッフの働きやすい環境をつくるためにも、自分との距離を近づけることも大切だなと。信頼関係の土台づくりにチャレンジしている最中です。今はスタッフをほめることを意識している。実践してみると苦手ですね(笑)修行中です!
鶴川さん:アルバイトのスタッフは外国の方が多いです。私たちはどうしても社員の立場でものを見てしまうのですが、自分が高校生のころアルバイトしたことを思い出すと、すさまじく働いていなかった(笑)そう考えると、あくまでお金をもらうために面倒くさい作業をしていて、働かなくていいなら働きたくないと考えるはず。だから「やってもらって当然」と考えないようにしています。
少しでも相手が「やってみよう」という気持ちになるように、やってくれたらほめる。高いレベル、長く働く人を見れば見るほど「やるのが当然」と見てしまいがちですが、根本的な考え方をぶらさないようにしています。
坂本さん:Habi*doに【アルバイトをほめる】って習慣を入れた方がいいですよって!そのうえで時々「今、ほめ時でしたよ!」と私がささやいたりしています(笑)
Habi*doの活用と導入後の変化について
代表の坂本さん。自主性を伸ばす人材育成と組織づくりに取り組んでおられます!社員想い、スタッフ想いだと感じました(橋本)
橋本:Habi*doではどのような行動目標を入れていましたか?
坂本さん:毎月のテーマを決めました。例えば「利益」のときもあれば「スタッフ教育」のときもありますし「清掃」のときもあります。
例えばコンビニ業界は12月は売上に注力することは暗黙の了解ですが、決まっていない月は話し合って決めていますね。あとは個人のやり方で自分に決めてもらっています。
Habi*doで宣言するとみんなに宣言するので、やらない理由をつくれなくなります。みんなに見てもらって承認をしてもらうとやっぱり意識が違うなと感じますね。
橋本:変化はありましたか?
坂本さん:今までだと売上をどうこう言っても自分も周りも抽象的で、会議で盛り上がっても数日経つと薄れてきます。なぜそうなるのかを考えてみると、おそらく明確な行動が見えてないからだと思います。
会議の盛り上がりの通り達成していくためには、自分の行動を明確にすることが大切だと思っています。
会社の成果としてはHabi*do導入後の2018年の利益が対前年比で110%に伸びました。
ストアコンサルタントが誕生しました。リーダー店長を目指す人が現れました。新店が立ち上がりました。やった人が明確にステージが上がる状態になりましたね。
ちなみに私は仕事が終わった帰りの電車でHabi*doを見ています!
吉田さん:私が受け持つ店舗では、対前年比で120%でした。アルバイトのレベルアップができました。日々の行動に落とし込めていけるかがポイントだったように思います。
プラスの行動を積み重ねていくこと、どういう行動がプラスなのかを自分の中で考えることが、Habi*doに設置していた「おすすめ習慣」を参考にしながら自分だったら何ができるのかを落とし込めました。
だから日々の行動目標に「スタッフに意図・目的を伝える」を加えて意識するようにしました。徹底した結果、例えば「焼き鳥セール」のときに100本を売って、エリア100店舗以上の中で1位をとりました。
橋本:おお、すごい!
高橋さん:最初はどうしていいか分からず放置気味だったのですが、初めて半年が経ちました。先月やっと店舗の売上が黒字になりました。スタッフの日々の行動が変わってきた気がします。ほめることはまだ完全にできていませんが、少しずつできるようになってきたかな。
吉田さん:高橋さんの店舗は定着率が改善したことがすごい。1年くらい人がほとんど辞めていないんじゃないかな。
坂本さん:ほめるのが苦手と言っていたけど、自分で課題を発見できている。自分で「ほめていないな」と気づける人は少ないと思う。
毎日できていないことをチェックできるのも良い効果を生んでいると思います。
鶴川さん:Habi*doを使うと、他の人がどうやっているのかが見えるということが一番おもしろい。同じ目標でも人それぞれやり方が違う。
例えば利益を考えたとき「無駄を省き経費を抑える」方法だけではなく、「リーダーを育てる」というように。
同じ方法だけだと頭打ちになると思うけど「そんな方法があるんだ」「今度試してみよう」と自分だけでは思いつかなかった選択肢が見える分、一人でやるよりも精度が上がりやすく、視野が広がると感じました。
坂本さん:「見られている」ということも大事だと感じますね。見られているから頑張るし、見られていないとやんなくてもいいや、などいろいろな方向にいくのではと思います。
世界に便利を届けるために人財を輩出したい
橋本:今後の会社の目標や展望について教えてください。
坂本さん:みんなでつくった理念があります。「世界に便利を届けよう」と言っています。
ヒトモノカネそれぞれ目標があって、ヒトでいうと「第2の学校」と言っています。
学生や留学生などの若い人が働きます。高校・大学を第1の学校とすれば、ただモノを売る場所ではなく、第2の学校としての役目もあるのでは。もっと拡大していきたい。
今、働き方改革といわれていて、特に社員の方は今後はコンビニで培った知識で他業界に対してスポットでコンサルタントとして経験を活かすこともできると思っています。
得たものを世の中にもっと届けることができる。モノを売るだけではなく、知識も共有できるし、本業としての自分にも返ってくると考えています。お客様から教わることも多いはずです。モノも売るだけではなく、人を育てて輩出することを目指したいですね。
橋本:ありがとうございました!