- 会社名
- 有限会社ゑびす屋池袋本店
- 事業内容
- コンビニエンスストア(ローソン)の展開
- 導入目的
- フラットな組織作り、マネジメントサイクルの実践
社員数6名、アルバイト約50名で東京都内で4店舗のコンビニエンスストア(ローソン)を展開している有限会社ゑびす屋池袋本店。「社会の第二の学校に」を育成目標に掲げ、メンバーのポテンシャルを引き出すマネジメントを実践されている坂本オーナー。そのマネジメントのプラットフォームとして、Habi*doを2017年よりご利用頂いています。
具体的な成果メンバーのポテンシャルを引き出すマネジメントが自律的な行動やアイディアを生み、コロナ禍前後である2019年⇒2021年比の利益が140%UP!
今回、代表の坂本さんに、コロナ禍でもさらに業績を高められている秘訣を、育成やマネジメントの面から改めてインタビューをさせて頂きました。(聞き手:Be&Do赤澤)
少数精鋭の省力化店舗で「人にしかできないこと」に注力
赤澤:2020年からの新型コロナウイルスの影響もあり、店舗への影響も大きかったと思います。組織として進めたいことなど、変化はありましたか?
坂本さん:実は新型コロナの流行当初は、コンビニはインフラ産業なので売上はむしろ上がるだろうと言われていたんです。ところが、当社は東京の山手線沿線の中心地に出店していますので、緊急事態宣言で外出する人が減り、オフィス街や観光地の店舗は売上が3〜4割も急落しました。それを受けて、経営メンバーで今のコンビニ運営スタイルの見直しについて話し合いました。そこで、今の状況を「未来のコンビニ作りをするためのスタート」と位置づけて、「少数精鋭の省力化店舗」を会社の標語に決め、店舗づくりを進めていきました。
赤澤:コロナ禍というピンチをチャンスと捉えて、新たに目指す組織目標を立てられたのですね。
坂本さん:店づくりの例でいうと、例えばセルフレジの導入・宅配の受け取りはレジを介さず自動ボックスを設置しておくなど業務の省力化を進め、少ない人数で店舗運営ができるようになりました。そしてその分、「人にしかできないこと」に注力するための人材育成やマネジメント、採用に取り組みました。そこでHabi*doの力も助けになったんです。
結果として、コロナ禍前の2019年と比較した2021年の利益を140%に伸ばすことができました。スタッフもとても成長してくれまして、約3,000万円の売上を任すことができているアルバイトスタッフ(リーダークルー)がいたり、自らの発案でSNSを使って外国人採用を10名成功させたアルバイトスタッフもいます。
Habi*doで立てた目標や習慣が、目標に向かうための大きなエンジンになっている
赤澤:スタッフの方が主体的に行動され、素晴らしい成果を出されていて驚きです。具体的にどのように進められたのですか?
坂本さん:機械は機械の強みはありますが、0から1を生み出すには人間の発想力が必要ですので、そのような”仮説力”を持った人を育成しようと定義しました。アルバイト採用では、業務を単なるバイトではなく、「コンビニを通じて学びたい」と意欲を持った人を工夫して採用するようにしていきました。そして採用後もアルバイトスタッフが育っていくために、教育マニュアルや評価制度を一から作りました。
人材育成やマネジメントについては、多店舗なので、コロナ禍でスタッフ同士が集まる機会を作れなくなったのですが、そのような環境でもしっかりマネジメントを行うために、今まで以上にHabi*doの活用をしていきました。Habi*doの導入当初は社員だけの利用でしたが、コロナ禍をきっかけに今はアルバイトのリーダークルーにも参加してもらっています。
Habi*doの具体的な活用をお話しますね。当社は毎月組織としての目標を決め、その組織目標を私からHabi*doに投稿し、スタッフに共有するようにしています。実はHabi*doを利用する以前からも毎月の組織目標の設定をしていました。ですが、私が会議の場でメンバーに目標を発信しても形として残らないので、メンバーも私自身も、日が経つ毎にだんだん意識が薄くなってしまうんです。月末に「そういえばそんな目標だったなぁ」みたいな感じですね(笑)。Habi*doに投稿することで、目標を忘れず意識が持続しやすくなったと感じます。
さらに、各スタッフが個人目標として、組織目標を達成するために自分ができることをHabi*doに登録してもらっています。加えて個人目標を達成するために毎日意識する習慣を自分自身で考えて設定してもらい、それを毎日の仕事終わりに振り返ってもらっています。
Habi*doで目標を立てる効果もありますが、私の中では”習慣化させてくれる”という点が最も効果的だと感じています。目標設定だけだと、数日経てば意識が弱くなってしまいますよね(笑)。でもHabi*doを活用して、業務終わりの一分程度で良いので、「これはできたな」「できなかったな」とボタンを押して振り返りをすれば、日々の行動の意識付けが負担なくできます。自分が登録した習慣は他メンバーからも見えるので、「宣言したからこそ実践しよう」という、良い意味でのプレッシャーもありますね。習慣を実践する積み重ねが、各店舗が目標に向かっていくための大きなエンジンになっていると感じています。
あともう一つ、実感している効果があります。このようなマネジメントサイクルの運用をする中で、その人の関心事や意識していることを読み取ることができると気付きました。同じ組織目標に対してでも、AさんとBさんで考える個人目標は、それぞれ異なります。その情報を参考に、その人を最大限活かせる仕事を任せたり、その人に適したフィードバックの声掛けにも役立っています。
最初は伴走して目標設定をサポートし、その後はメンバーに任せる
赤澤:メンバー自身で主体的に目標を立てるのは難しいとも感じますが、秘訣を教えてください。
坂本さん:目標に対して受け身になっているのは、本人がどうしたらいいのかわからない状態だからだと考えています。ですので、当社では目標をいきなり一人で立てさせず、目標設定のトレーニングとして、最初の3か月ぐらいは一緒に目標の立て方から伴走していきます。
新たにリーダーの立場になったメンバーには、まずはリーダーとして求めることや期待を店長や私(オーナー)から伝える機会を作っています。その上で、「行き当たりばったりではなく、目標を立てて店舗運営をすることが大事だよ。」と話をしています。
その後、実際に本人に目標を立ててもらいます。ポイントとして、最初の目標は組織目標と本人の目標が違ってもいいので、本人が関心のあるテーマにチャレンジしてもらうようにしています。最初はズレた目標を立ててしまうこともあるので、「根拠は?」「前月はどうだった?」などツッコミを入れていき、適正な目標を一緒に考えます。的を得た目標になって、行動も伴ってきたら、「これなら君に任せられるね!そんな君だから、他の目標でも、あらゆる面で視野を広げてリーダーシップを発揮してほしい。」と伝え、以降は本人に任せるようにしているんです。
全部オーナーである自分でやろうとしたら間違いなくキャパオーバーになります。だからしっかり任せて、それでもし失敗しても良いと思っています。自転車に乗る子どもと親のように、「走ると転んで危ないよ」とつい言いたくなるものですが、転んだことが無い人に言っても分からないですよね。チャレンジしてケガをしてしまったとしても、それは損失じゃなく将来への投資だと思っています。
アルバイトスタッフの投稿を見て、相乗効果が生まれた
赤澤:2021年から、社員に加えてアルバイトであるリーダークルーにもHabi*doに参加頂いてますが、マネジメントに変化はありましたか?
坂本さん:新たに参加したアルバイトさんのリーダークルーには、社員が「これをHabi*doに書いて皆に共有するといいよ。自分の考えを色々投稿していいよ。」と後押しをしたこともあり、アルバイトさんから売り場の情報などを発信してくれました。さらに投稿してくれた後には、社員が「Aさんが投稿してくれた店の情報を、B店のクルーが真似をして、とても良かったと喜んでいたよ。」と本人に伝えるようにしていました。
そうすると、リーダークルーからの情報発信が増えてきたのですが、それがとても良い効果を生みびっくりしました。社員の投稿に対しては、すごいとは思っても、じゃあ自分が投稿するかというと、やらないんです。でも、「A店のアルバイトさんがやるなら、自分もやってみよう!」という横の関係への波及があったんです。
さらに、社員への波及もありました。「アルバイトさんってこんな仮説を立てたり、発想もあるんだ。もっと任せてみようかな。」と社員自身が気付いたんです。これをきっかけに、社員が全て指導するのじゃなくて、アルバイトさんが案を出してくれたら任せてみようという風土になってきました。
お互いに刺激を受けるプラットフォームとして、これからもHabi*doを利用していきたい
赤澤:最後に、Habi*doの活用も含めて、組織としてさらに目指していかれたいことを教えてください。
坂本さん:コロナ禍が落ち着いたタイミングで他店のクルー同士で直接会える機会があったのですが、その時「オンラインで交流してたから、初めての感じが全くしないですね。実はAさんに刺激を受けて、同い年だから私も頑張らないとと思ってました!」という会話が生まれていたんです。Habi*doや他のSNSなど、オンライン上での交流が、特に若い世代では当たり前になっているんですね。これからもHabi*doをお互いが刺激を受けるプラットフォームとして活用できればと思っています。
あと、Habi*doを通じてアルバイトさんのパワーに私自身も気付くことができたので、今以上にアルバイトさんに売上に繋がる業務を任せていこうと思っています。実は最近、アルバイトの学生さん主体で社内プロジェクトがスタートしました。エンタメの商品を販売するチームと、大学生の採用プロジェクトのチームです。大きなチャレンジではありますが、このプロジェクトでもHabi*doを上手く活用して、プロジェクトを前に進めるエンジンとしていきたいと考えています。
私達が思い付いてないことにチャレンジしてほしいですね!
赤澤:坂本さん、ありがとうございました!