夢を語るだけの希望ではなく、現実的なものに変えていける考え方で、経営に活かす

  • PsyCap Master認定者インタビュー
PsyCap Master
氏名
梅村 裕子
プロフィール
創業80余年。梅村工務店3代目社長。人に優しく自然に優しい家づくりを提供。宅建協会の副支部長や、愛知県豊田市とコラボして色々な取り組みをしている。不動産、リフォームが得意。

心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された梅村 裕子さん(写真左)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do赤澤(写真右)

まずは梅村さんのお仕事について教えてください。

愛知県豊田市で工務店の経営をしています。当社は私の祖父が大工として始めたのが最初で、父親が後継ぎで工務店にして、現在は私がその後を継いでいます。主な業務は住宅の新築やリフォーム、リノベーション、さらに不動産も取り扱っているため、両方の観点からお客様に適切なアドバイスを提供できることが、当社の強みです。

建物に関しては、永く快適に暮らせる家をコンセプトにしています。快適な間取りであることはもちろん、SDGsの観点からゴミを出さない取り組みや、耐震性であったり、寒さや暑さから解放されるような住環境を提供しています。

以前は古い建物を壊して建て替えることが主流だったと思います。しかし、古い建物にも味わい深いものがあり、それだけでなく安心して快適に暮らせる建物を提供したいという考えから、新たなプロジェクトを始動しているところです。

その人材を活かしてあげられるかどうかは、経営者次第

今回、PsyCap Master認定講座を受講された背景は?

本講座のガイド講師でもある石見さんが登壇されていたセミナーに参加したことが、受講のきっかけです。「経営者の右腕を育てるコツ~優秀な人材に共通する心理的資本~」という題名でした。

私は、私を含め優秀な人材というわけではなくとも、人それぞれが自分に合った形で成長していけると考えています。社員はみんな何らかの形で会社に貢献したいという想いを持ってくれています。ただ、その人材を活かしてあげられるかどうかは、経営者である私次第であると常々感じています。

セミナーの中で石見さんが「存在を認めてあげて初めてイキイキする」と言われて、その言葉にすごく共感したんです。心理的資本を学ぶことで、社員との関わり方、コミュニケーションについて改めて考える機会を得たいと考え、受講を決めました。

ご自身の関わり方次第で社員を活かすことができると考えたのは、どのような想いからでしょうか?

私は代表になって12年が経ちますが、最初は一人でした。社外の人に相談することはあっても、経営者としては孤独な感じがありました。しかし、私から社員に相談を持ちかけたり、やりたいことを伝えると、各自がそれぞれの視点で応えてくれることに気づきました。さらに、その人の得意なこと、やりたいこと、思考特性などを考えて相談すると、社員からより良いフィードバックが返ってくることを繰り返し体験してきました。要はコミュニケーションの取り方次第なのかなと思っています。

夢を語るだけの希望ではなく、現実的なものに変えていける考え方がHopeである

講座で特に印象に残っている学びはありますか?

心理的資本の構成要素にHEROがありますが、私は特にHopeの考え方が印象的でした。私は、社員から見ると「夢だけ語っている経営者」のように見えていないか?と心配になることが実はあります。Hopeは「意志と経路の力」としてWillとWayで整理されています。目的と、目的に向かうための複数の道筋を描くことは、夢を語るだけの漠然とした希望ではなく、現実的なものに変えていける考え方であると感じました。

講座では山をイメージした図がよく出てきますよね。ジグザグの道を登ってゴールに向かっていく絵です。そうやって仕事の全体像を捉えれば、ちょっと回り道をしたとしても、目的を見失わなければ、これは目的のためのステップなんだと思うことができます。

経営者がこれをやりたいと場当たり的にあれこれ言っていると、ただの飽きっぽい人になってしまいますが、そうではなく、最終的にはこれがやりたいんだよというWillを社員に伝えることができれば、「社長が言っているこれは、この目的のための道筋の一つなんだ」と社員が認識できます。納得感を持つことで、社員は迷わず行動ができますし、新たな発想が生まれることにも繋がると思います。

大きな目的をお互いに握った上で具体的なWayの話ができると、会社が前進するのかなと思います。

現在地を見失わずに、自信を持って前に進める

梅村さんのご受講中のコメントの中で、「思いがけず自分の心が安定してきた」というコメントがありました。ご自身の変化についてはいかがでしたか?

そうなんです。私、論理的に説明するのがあまり得意じゃなくて、自信をなくすことが多々あったんです。そこを、まさしくHopeの考え方のように、目的があって目標があって道筋があるという全体像を忘れなければ、「私何やってんだろう」と現在地を見失わずに、「私は今これをやっているんだ」「ここまでできるようになったね」と経営を前向きに解釈できるようになったと感じています。社員に対しても、「今この中のこの部分を頑張ってやってくれている」という風に理解ができれば、寛容に接することができます。

WillとWayが整理できたことで、自分自身のEfficacy(エフィカシー/自信と信頼の力)の向上にも繋がったと感じています。

社員のワクワクポイントを一緒に見つけていきたい

講座を修了され、社内で実際に取り組んだことはありますか?

「Will&Way検討ワークシート」を社内で実施しました。最初は任意で参加してもらいましたが、半分くらいの社員が書いてくれました。この取り組みには二つの目的があります。まず一つ目は、その人が大事にしたいWillを経営者である私が理解することです。二つ目は、社員自身が自分が何のために仕事をしているのか、Willを考える機会を作ってもらうことです。

会社の進むべき道を伝えるのは私ですが、個人のWillが会社のWillと完全に一致するってことはあり得ないですよね。ですが、少しでも会社で取り組むべき課題が自分自身のWillに繋がっているんだと認識して社員一人ひとりが取り組むことができれば、会社と社員がお互いに良い方向に進めると思います。実際にシートを書いてもらうと、例えば家族との時間を増やしたいという人もいました。それなら、その目標に向けて仕事でどう取り組んでいくかという課題を設定することができます。

文章を書くのが好きな人もいます。どう伝わるかを考えながらインスタなどで楽しんで文章を書いています。私たち自身がワクワクしていないと、お客さんもワクワクしないもの。その人なりのワクワクポイントを一緒に見つけていきたいと思っています。

WillとWayを考える取り組みは、今後も続けていきたいと考えています。マインドマップなども試してみたいと思っています。シートだと型にはまって書くことができるので漏れがないかもしれませんが、マインドマップは自由に書けるので広がりがあるかもしれません。色々試しながらチャレンジしていきたいと思います。

自分のコピーがたくさんいても、会社はそれ以上に成長しない

最後に、PsyCap Master認定講座を特におすすめしたいのは、どのような方でしょうか?

本来、会社に人がいてくれるということは、もうそれだけで宝の山のような状態だと私は思うんです。だから、「自分のスタッフはダメだ」と感じている社長さんにこそ、この講座を受けてほしいなあと感じます。

優秀な社長さんほど、そうやって言われる傾向があるような気がします。自分が優秀だからこそ、「なんでできないんだろう」と要求のハードルが上がるんですかね。でも、自分のコピーがたくさんいても、その会社はそれ以上に成長することはできないと思います。

活力ある会社になるためには、その社員を活かしてあげられるかどうか。それは経営者次第です。その具体的な方法を本講座で学ぶことができます。ぜひ受講をおすすめしたいです。

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