組織を率いるリーダーとしてのスタンス・コミュニケーション法を、心理的資本を軸に学び直し

  • PsyCap Master認定者インタビュー
PsyCap Master
氏名
新留 正剛さん
プロフィール
株式会社シーブレイン 代表取締役

心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された新留正剛さん(写真右)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do小西(写真左)

心理的資本を開発する手法に、長年迷っていたことの解があると感じた

現在どのようなお仕事をされているのでしょうか?

当社は1995年の創業当時から大きく二つの事業を行っています。一つはマニュアル作成です。いわゆる取扱説明書や操作マニュアル、最近多いのは業務マニュアルを実際に取材をさせていただいて一から作っています。
もう一つはウェブサイト制作で、お客様の会社を紹介するウェブサイトやECサイト、かなりシステム的な機能を持ったウェブサイトまで作らせていただいております。

最近、特に力を入れているのがマニュアルをウェブで共有しましょうという形のサービスの
ご提供です。最近だとスマホとかタブレットとかでも見ることができるので、いろいろな現場に行かれるようなお仕事の方、例えば工事現場であったりとか、運送関係の方であったりとか、そういう方々が会社の外にいても見やすいということが大きなメリットです。

ただマニュアルを作るということが目的ではなく、社員の教育や、業務効率の向上、品質の改善や顧客満足の向上など、そのマニュアルが持ってる目標ってもっと先にあるわけですよね。当社が長年使ってきたマニュアル作成のノウハウとウェブ制作のノウハウを組み合わせて、マニュアルの先にある目標の実現に貢献したいと考えています。

ご受講の経緯を教えてください。

最初は、心理的資本を高めるコミュニケーション法がマニュアルの作成やその先の展開に活かせるんじゃないかということで、別のところからご紹介があり知りました。しかし、実際にどんなコミュニケーション法なのか伺うにつれて、私が長年課題として迷っているものの答えが、うまく整理されてまとまっている気がしたんですね。

迷っていた部分というのが、経営者として社員の皆を率いることができる、そして付いて行きたくなるような存在でなければならないと思うのですが、どうしても自分の気質的にややネガティブな部分もあり、いろいろなものを見よう見まねでやってきたんですけども、自信がありませんでした。今回、心理的資本が充実したリーダー像を知った時に、自分のあるべき姿はこれだと思いました。

また、20年以上前から社員には、自律的に自分で判断して行動できる人になってくださいということをずっと言い続けてきました。そうなってほしいと伝えてきたものの、一方でどうすればそうなれるかっていう手段のところがいまひとつ不明瞭で。チームビルディングのグループワークなどやったこともありましたが、継続的に浸透させることができていませんでした。

そういった面でもPsyCap Masterで学べる内容は、社員にも自覚してもらいたい内容だなと感じ、まずは私自身が習得してそういう接し方を社員に対して実践し、それが社員間で浸透できれば会社としてのチームがうまく成長していくのではという気がしていました。

リーダーにはHopeやEfficacyが求められる

新留さんがイメージされるリーダー像は?また、講座の中で印象に残っていることはありますか?

社員から見た時に、目標を明確に示せることがかなり大きいと思うんですよね。ここに到達するんだというものがはっきりしていると、社員もそこを目指して行動しやすくなる。そのためにはこういうことをやっていって到達するんだと。まずは、リーダーとして示すべきことなのかなとは以前からずっと考えていました。それがまさしく講座で学ぶHope(意思と経路の力)という概念で、なるほどそうだ!と納得しました。経営者なり組織を率いる立場としては、一番最初に必要なのかなと思います。

加えて、Efficacy(自信と信頼の力)が大切で、リーダーが自信を持っていると、社員が不安なく付いて行きたいと思えるのではないでしょうか。しかし経営者だからといって、Efficacyがいつも満タンなわけではないです。ただ、そのような時にどうすれば自信を持ち続けられるか、今回受講した中でやり方があるということはわかったので、いろいろ試してみることができます。そういう手段を知ることができて、すごく良かったです。

もともとの性格だと1日が終わったときに、悪いことや出来なかったことばかり思い返すんですよね(笑)そうではなく、実際に受講時には、本当に小さいことでもいいから、今日できたことを一つ一つ書き留めてみました。これまでは、できたことの方に目を向けるというそういう観点がなかなか無かったので印象に残っています。反省ばかりでは、前に進めないことが確かにありますよね。

価値観をどう組織内で共有するのか、これが重要

日常のマネジメントで大切にされていることを教えてください。

当社は現在12名のメンバーがおり、基本的にほとんどの社員が在宅で作業をしていますが、毎日時間をとってオンラインで朝礼と夕礼をやっているんですね。全員に今日やることを聞いて、夕方になると今日やったことを報告し合うんですけど、それに対してどうなってるとか、これについては○○を気をつけてねとか、この仕事を忘れないでやってねとか、そういうやりとりを毎日毎日積み重ねています。

例えば、特定のメンバーだけに直接関係する話題でも、あえてみんながいる前でやり取りをすることによって、自分自身も何を大事にしたらいいのか気づいたり、私がどういうところを気にかけているのか、みんなに見てもらいたいと思っています。

テレワークではない時は目の前にいるもんだからいつでも言えると思い、あまりそういう習慣がなかったんです。僕が直接社員に対して伝える機会もなかったんですけど、今はそれがもう完全に習慣にできています。そういう意味では、在宅勤務になって私自身は以前よりは社員とコミュニケーションする機会が増えて、業務上はいろいろな話ができるようになったんです。

毎日手を止めて集まるというのは、積み重なると結構な時間のような感じもします。それでも、重要性を見出しておられるのですね。

そうですね。かつて、どちらかというと数字重視で、売上や社員数にウェイトを置き成長していたんですけど、リーマンショックでものすごく厳しい状況になりました。その時、何が問題なのかを考えたら、価値観が、企業理念がなかったんです。みんなが共有する価値観がなく、その時に本当に会社がこのままバラバラになるんじゃないか、ぐらいの状態になった経験があります。そのような経験もあり、会社の価値観をお題目ではなく、本当にうちの会社はこれを大切にしたいんだということを、みんなで共有したいと強く想っています。

当社の価値観は「顧客感動、チームワーク、個性の尊重、仕事を通した継続的な成長」と明示しています。この価値観を軸にPsyCap Master認定講座のテキストを見ると、私が漠然と思ってるものが、私が言いたかったことが、ちゃんと言語化されてるなあと感じています。

接し方を変えることで、メンバーにも変化が見られた

ガイディングを学ばれて、実践されていることや、変化していることはありますか?

まだ道半ばではありますが、日々の朝礼や夕礼、評価面談の場面でもダメなところを先に指摘するのではなく、うまくできたよねっていうところをまずは認め、ちゃんとやってくれてありがとうと感謝を伝えることを意識しています。その上で、次はこういうところに気をつけてやってみようとか、そういう話しの仕方は、心がけるようにしています。

なかなかパフォーマンスが上がらなくて指摘されることが多いメンバーって、どうしてもいたりしますよね。指摘されてばかりだと、だんだん言葉数も少なくなっちゃうし、視線も下がりがちなんですけど、そういうメンバーがだんだんと自信を持って、自分からも発言をするようになったり、そんな変化を目の当たりにすると嬉しいです。それがすべて私のおかげとは全然言いませんけれども、きっかけの一つにでもなったのであれば、すごくいい傾向かなと思います。

今後は、何度も繰り返すことで、自分自身の中に土台としてガイディングの考え方や、人との接し方を、自然に出てくるようになるまで定着させたいです。そして、社員のみんなにも、客観的に心理的資本という考え方があるということを、説得力をもって伝える必要がありますよね。どうやって自分と周囲の心理的資本を高めるのか、実践方法もあることですし、少しずつ具体的に共有していって、同じように実践して、習慣化してもらえればいいなと思います。

知識・スキルだけでなく心理的資本に注目する価値があるのでは

受講を検討されている、組織を率いる立場の方にメッセージをお願いします。

社員教育といえば、どうしても知識とか技術とかそういったところに重きを置く傾向があると思います。しかしそれだけではダメで、いかにして組織としてまとまり、一つのチームとしてうまくパフォーマンスを上げるために、みんなが前向きな気持ちでお互いを助け合うとか、場の雰囲気とかすごく大切だと思うんですね。そこを醸成できないと、知識とかスキルだけだと業績は上がらないし、もし上がったとしても一時的ではないでしょうか。

考え方やコミュニケーション、チームワークとかの価値観を大切にするっていう視点をもって、組織をリードしようという方にとっては、PsyCap Master認定講座での学びを参考にされるのはすごくいいんじゃないでしょうか。
そして、リーダーがちゃんと率先してやって、そこから下に下にだんだん落とし込んでいく。自分が全社員と直接関われない規模や状況であるならば、日常的に会うような幹部の人たちやリーダーの人たちなど徐々にそういう人たちを巻き込んで、価値観を共有し、最終的にそこからどんどん下の方におりていって全体が共有できる。そういったことが組織を率いるためには必要ではないかと思っています。私もまだまだ頑張ります!

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