「どうやったら大人がイキイキできるか」を深く学ぶことができる、最もエキサイティングな場所

  • PsyCap Master認定者インタビュー
PsyCap Master
氏名
名久井 康宏
プロフィール
IT企業勤務、著者、研修講師、大学非常勤講師

「組織開発と人材育成」を軸にパブリックセクター、プライベートセクター、ノンプロフィットセクターで活動。高等学校教育への越境学習およびプロジェクトマネジメント教育の導入・開発、企業内教育の立ち上げ、社内講師育成、ルワンダなどへの育成プログラムの開発・提供などを経験。その他、成人が学び続ける意味、学び続けることを先送りするメカニズム、ミドル世代にとっての大学院教育の国際比較、戦略的学習力に関心が高い。共著にて『終身知創の時代 終身雇用から終身知創へ 常に学び続ける新しい生き方(多摩大学出版会2021 )』として上梓。多摩大学大学院修士課程修了(MBA) 。日本心理的資本協会PsyCapMaster 認定。DiSC®︎ Certified Trainer。Points of You(Expolorer)。Bob Pike Group Profesional Trainer, Delivery。

心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された名久井康宏さん(写真右)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do赤澤(写真左)

名久井さんのお仕事など、取り組まれていることは?

私は”Learnability Recrafts the Future(学び続ける力はもう一度未来を創り変える)”というパーパスをもっております。自分自身もそれに沿って生きていたいと思い、色々な取組みをしています。私の強い関心事の一つに「日本のミドル世代が学び直しを先送りする理由」がありますね。「学び続けるのは大切ってわかっちゃいるけど、なんかさぁ・・・」という世界です。

今、私の最も多くの時間を使っているのはIT企業での勤務です。現在は人材開発領域で仕事をしています。これが楽しくてしかたがない。

その他として、1on1ミーティングによる伴走支援で中核人材の心理的資本開発を支援する「CG1(Confidence Guiding 1on1)」の”ガイド”として活動をしています。また、中小企業の人材育成のコンサルティングもすることもあります。例えば、社員のやる気を高める支援や目標管理制度の導入・運用支援、幹部社員の育成などをさせていただくことがあります。最近は、嬉しいことに人材開発関連の会社様にお声掛け頂くこともあり、オンラインイベントなどの登壇をさせていただく機会があります。そして新しいチャレンジとして大学の非常勤講師という私がもう1人増えます。

そんなわけで私の中でいろいろな境界線が低くなってきています。だから自己紹介をするのが難しいんです (笑)。

心理的安全性を高め、皆がイキイキするための鍵が心理的資本である

PsyCap Master認定講座の受講を決めた理由は?

子どもみたいですが、自分のパーパスと純粋な科学への関心が結び付いている感じなんです。これまで子どもから大人までの人材育成や組織開発の仕事をしてきた中で、「皆が良い状態でありたいはずなのに、なんでイキイキしないことがあるんだろう?何がその邪魔をしているんだろう?」というのが私の中の問題意識としてあるのです。

例えば、「心理的安全性」という言葉がありますよね。私は日本に浸透してきた当初から色々な場面で心理的安全性に関する話を聞いてきましたが、それが確かにパフォーマンス発揮において大切だとは思うものの、なんかしっくりこなかったんです。どうやったら誰もが再現性をもってそのような状態を作れるのかと。モヤモヤした全体の中でその一部を見ているような感覚でした。もう少し深いところに別の原理があるのでは?と思ったんです。だから「なんでイキイキしないんだろう。」という疑問は残ったままでした。

そんなときに、本講座のガイド講師でもある株式会社Be&Doの石見さんに出会い、また心理的資本協会の会長でもある開本浩矢教授が出版された「こころの資本 : 心理的資本とその展開」に出会い、「絶対これだ!」と思ったんです。結果としてのイキイキした状態は何から作られるのかという答えが、心理的資本にあると確信したんです。

ただ「こころの資本」の書籍は、率直に言うと研究書なので内容は難しいんですね。それが今回PsyCap Master認定講座として理論が体系的されているということに非常に価値を感じて、受講を即決しました。

理論・実践・体感による学びがある

実際に受講されていかがでしたか?

本当に楽しいんです。何が楽しいのかというと、講座の設計がロールプレイングゲームの様に心理的資本が高まるプロセスを自分が体験しながら楽しく学べるように工夫されているからです。

例えば認定条件の一つとして、受講中に使用する専用サイト上で、他の受講者の活動に対して”スタンプ”を送るという回数条件のハードルがあえて設定されていますよね。正直に言うと、受講開始当初は「なんのための条件なんだろう?」と理由がわからずモヤモヤしていました。でも、講座の中で実際に他の受講者へスタンプを送ったり受け取ったりを体験することによって、自分の中で心理的資本が高まっている感覚を得ることができたんです。

さらに言うと、専用サイト上で心理的資本を高める行動を実践して、「やった」ボタンで振り返るという回数条件のハードルもあります。これを実践すると、その状況が受講者間で共有される形になっているため、心理的資本開発における”代理体験”の渦に巻き込まれながら自分の行動が促進されていく感覚がありました。恥ずかしながら、この感覚は私にとっては代理体験という文字だけを知っていても体感をしていなかったものでした。お陰で1期の皆さんとどなたとも対面ではお会いしたことがないのに、ずっと「独りではない」感覚を持ち続けることができました。

他にも、事務局からのミッション提示による”理論的”な学びや、毎週火曜日のランチタイムワークショップによる生々しい話題提供から「イキイキするためにどうするか」を皆が考えるという”実践”の学びで講座が進みます。

最初の受講者キックオフの中でガイド講師から「ただ受動的に学ぶだけではない」という言葉がありましたが、まさに”理論”と”実践”と”体感”の3つの学びが、受講期間中に毎日回ります。学びを深める上でこの組み合わせは非常に良かったです。

これまでは「元気か・元気じゃないか」でしか捉えられていなかった

心理的資本を学んだことによるご自身の変化や気付きはありましたか?

自分や人の良いところに注意を向けるようになりました。例えば、仕事の中で自分が80%やってるのに、隣の人は30%をやっていることがあると、未熟な私はなぜか「がっかりした気持ち」になっていました(笑)。

本講座で心理的資本やガイディングを学んだことで、その隣の人がパフォーマンスを発揮できていない理由はどこから来ているのか、表層を見るのではなくて、その人の心理的資本の4要素であるHERO(ヒーロー)の観点から捉えられるようになりました。その人の中にHEROという4つのタンクがあるイメージです。人それぞれにタンクに入っている水の量は違います。これまで私が見ていたタンクはたった一種類で、「元気か・元気じゃないか」、あるいは「やる気があるのか・ないのか」という感じでした。それが4つのタンクの中でどこから一緒に水を満たすのがその方のwill(意志)に近くなるのだろうか?と考えるようになりました。私も含めてタンクの満たし方は人によって異なるんですね。受講以前よりも他者と関わる上での多様な視点を持つことができています。

ガイディングによる伴走の力は本当に凄い

また、私はCG1のガイドとしても活動をする中で、私自身は受講者に伴走する側の立場ではあるのですが、一緒に伴走する人がいることにより引き出されるパワーは本当に凄いんだと実感しました。というのも、今までの自分はなんでも一人でやってしまいたいと思うタイプでした。しかしそのやり方では本当は「弱い」んですよ。自分だけが「やった気」になる感じ(苦笑)。伴走することは上下関係によって成り立つものではないということに、心理的資本と出会ったことで強く認識できたんです。

だから、PsyCap Masterにおいて、他者と関わる支援者を”ガイド”という言葉を使い、そのような支援を行うことを“ガイディング”と呼んでいることに僕はとてもしっくりきています。ガイドは伴走者として横にいるという関係性です。

また、ガイディングによるHEROを軸とした行動促進のサイクルは非常に効果的だと感じています。「感情から行動への導線を引く」。それが目標を設定してみることにつながる。その行動によって起こった感情を味わうように内省して、また目標を設定してみる、そしてやってみるというサイクルが自然と「回る」。自分の感情を起点にする感じ。締め切りや数値目標を掲げてサイクルを「回す」のではないのです。良い面に注目した問いかけや課題整理を一緒にしながら、HEROの4つのタンクを満たしていきます。褒めることに特化したWebツールがありますが、ある一面だけに焦点をあてたアプローチでは不十分だと思うんです。

CG1では私が受講者に問いかける役割です。面談の回を経るごとに、本当に顔が明るくなる時間を共有できた時、私もエナジャイズされます。一緒に走ることは本当に凄いと感じます。

現場を担う事業部の1on1ミーティングで取り入れるべきスキル

心理的資本やガイディングは、どのようなことに効果的だと感じましたか?

日本に広く浸透してきた1on1ミーティングですが、一般的になかなか上手く運用されているとは言えない状況だと思います。1on1ミーティングは業績面談の側面もありますが、「本当はあなたは何をやりたいのか?」というパーパスに注目することが推奨されていたと思います。

1on1などの上司と部下の面談に、心理的資本やガイディングスキルを組み込むと良いと思います。1on1の技術的(テクニカル)なことではないです。HEROの4つのタンクを見える化してから1on1を始めて、少し時間が経ったらもう一度心理的資本を測定する。1on1のスキルの効果が相手の体温計として見えるようになることは素晴らしいことだと思います。人間はされたことを再現してしまう動物と思っているので、ガイディングのポジティブサイクルを体感することが最適だと考えています。

さらに、心理的資本を「資本」として経営が捉えると、エンゲージメントが高まることにも直結すると考えています。だから心理的資本の概念とガイディングは現場を担う事業部にこそフィットするスキルと感じます。「エンゲージメントや心理的安全性はどうやったら高まるの?」という会話を終わらせることができる有力候補の一つが心理的資本ではないかと私は思います。

「どうやったら大人がイキイキできるか」を深く学ぶことができる、最もエキサイティングな場所

これからPsyCap Masterを目指される方へメッセージをお願いします。

「人の可能性を信じ切ること」を自分事として捉える人にこそ、本講座を強くおすすめしたいですね!逆に言えば、「自分の可能性は誰かが作ってくれるものだ」と思っている人には、この講座はおすすめではないかも知れません。

「どうやったら大人がイキイキできるか」を深く学ぶことができる、最もエキサイティングな場所の一つがPsyCap Master認定講座だと思います。この講座のように進化した学びの場で学ぶことは、「本当に楽しいことなんだよ!」と、声を大にして言いたいです。

受講いただいたPsyCap Master認定講座の詳細はこちら

TOP