横にいる人の成長支援に活かせられる「対話の引き出し」が一気に広がる

  • PsyCap Master認定者インタビュー
PsyCap Master
氏名
原 武邦
プロフィール
10年間の自動車業界勤務、20年間の家電業界メーカー勤務を経て、2021年に退職し、独立。「やらなければならない」から「やりたいからやる」と言える組織に変化させたマネジメント経験を活かし、心理学を用いたカウンセリング・組織風土や人間関係をより良くするワークショップ・コンサルティングなどの活動を行っている。

心理的資本を高める介入法=ガイディングのスキルを有するPsyCap Masterの認定を取得された原武邦さん(写真右)に、お話を伺いました。聞き手:Be&Do赤澤(写真左)

原さんのお仕事など、取り組まれていることは?

私は、人が自然体で自分らしく過ごせるような組織やチームを作りたいというテーマを持っています。これまでのビジネスパーソンとしての経験の中で、私にとって大きな歓びを感じる瞬間は、「横にいる人が成長したとき」でした。だから今も、そこに自分が少しでも携われたら嬉しいという想いで、色々な活動をしています。

取り組みとしては、ある自治体での学生社会課題プログラムに、コーディネーターとして学生さんの活動を伴走支援する立場で関わっています。また、SDGsをテーマとしたワークショップを実施しています。ほかには、悩みごと相談として社外1on1を行なったり、CG1のガイドとしても活動をしています。

仕事の成功・失敗における心理面の影響を知りたい

本講座の受講を決意した理由は?

受講の理由は二つあります。一つ目の理由として、私は”心理”という言葉にめちゃくちゃ弱いんです。というのは、高校時代に理系科目が得意だった私が進学を考えたとき、元々人間に興味があったので、最初は「大学で心理学を学びたい」と思ったんです。しかし調べてみると文系の学問だと気付いたため、心理学を封印した過去があります。だからそれ以降、心理という言葉に敏感になっています(笑)。

二つ目の受講理由として、私のこれまでの仕事の経験から、人は意欲が高まらないと行動を起こせないと強く感じているからです。仕事の成功、あるいは失敗の要因は単純ではなくて、心理面の影響があるはずです。そこを論理的に解き明かしたいという気持ちがあって、体系的な学習が必要だと感じているときに、PsyCap Master認定講座の存在を知り、即申込をしました。

楽しく学べる仕掛けで、多くのインプットが無理なくできた感覚

受講前に感じていた不安などはありましたか?

私は集中してやるときはグッと集中できるのですが、一度だらけると次の一歩が踏み出せなくなるタイプなので、自分で予定を立てて学習を進められるか、学ぶ気持ちを持続させられるか、不安がありました。

実際に受講されていかがでしたか?

プログラムは楽しく学べるような仕掛け・仕組みがあって、それこそ心理的資本をくすぐられながら進められた感覚がありました。なので、学び始めると不安はなくなりましたね。

eラーニングでの知識学習では、単元が短く区切られていて、簡単な理解度チェックテストが数問用意されています。テストがあるので、アウトプット前提で学ぶことになりますが、そこで一発でクリアできると気持ちいいんです。単元が短い分、一つ一つクリアする毎に達成感があって、「もう2、3個やってみよう」と気持ちのスイッチが入ります。隙間時間でも無理なく学習が進められるという事もあって、無理なく多くのインプットができたと感じています。

ワークショップは、ガイディングの引き出しが一気に広がる

週一回のワークショップは良い刺激になりました。最初、既に講座を修了されたPsyCap Masterの方とも一緒にディスカッションをして、「修了するとこんな風になるんだ。自分もそうなりたい。」と意欲が沸きました。

ワークショップの良さは、自分がガイディングを実践する上で、「このときこうすればいいかも」というバリエーションが増えることです。ワークショップの流れとして、まずお題にあるAさんの人物像を想像するのですが、自分の中で思い浮かぶAさんの人物像は2個くらいなのに、他の参加者の皆さんの想像を合わせると10個にもなるんです。さらに、皆さんから自分では想像もつかなかったガイディングのアイデア・手段を聞くことができます。

誰かの意欲を高めようと対話を試みたときに、無意識で自分の得意なパターンに誘導してしまうことってあると思うんです。だから、自分の対話の引き出しを多く持っておくことが大切です。ワークショップで得た新たな視点を自分のこれまでの経験と掛け合わせることで、新しい技の引き出しが開けます。バリエーションが一気に広がるのは、複数名が参加するワークショップだからこその良さですね。

意欲を持続させる支援として、仕事の中でガイディングを活用している

実際のお仕事において、学びがどのように活かされていますか?

PsyCap Master認定講座のプログラムの受講期間は、私がコーディネーターとして学生さんの支援をしている学生社会課題プログラムの最中でもあったので、講座テキストを見直して、意欲を引き出すための作戦を練った上でコミュニケーションをとっていました。具体的にお話すると、この学生社会課題プログラムはチームでの活動だったのですが、当初はチームメンバー同士で遠慮してしまっている面があったんです。そこで、メンバーにHopeの視点から「どんな状態を目指している?」「どうなっていると嬉しい?」という問いかけをして、一人ひとりに言語化してもらいました。そうすると、同じチームでも人によって目指すことに少しずつ違いがあるんだと気付き、互いへの理解が生まれてチームの一体感が高まるきっかけになりました。

また、計画通りに事が進まず、落ち込んで個人の行動が止まることもありましたが、Resilienceの視点から、「いやいやこんなもんだよ。」と伝えてその状態を本人に受け止めてもらった上で、目指したい目的・姿にもう一度立ち返ってもらうなど、乗り越えて活動を前に進めていく選択をするためのポジティブな思考のサポートをしました。

学生さん達の意欲・やる気を高める支援をして、一人ひとりが自発的に動けるようになっていく経験が今できれば、社会課題解決活動にその先の人生でも目を向けて動き続けることができるんじゃないかと思います。そのような支援に、ガイディングのノウハウを活用することができました。

ガイディングの”普段使い”がしたい

PsyCap Masterとして、今後実現されたいことを教えてください。

ガイディングの考え方を広めたい、増やしたいと思っています。これが実現すると、私が目指す「成長した人の横にいる」ことの可能性が高まるので、自分自身もめちゃくちゃ嬉しい状態になることができます。

その実現のためにも、ガイディングのスキルを引き続き磨いていきたいです。『普段の周囲の人との関わりの中で自然体でHEROの引き出しでコミュニケーションをとれて、その人の心理的資本が高まってイキイキしている状態』にまでガイディングを体得できている状態を目指したいです。言わばガイディングの”普段使い”ですね。今はまだ、例えば仕事の関係者とのやりとりやミーティングの中で、「ここもガイディングのノウハウが使えたな。タイミング逃しちゃったな。」と感じる場面があります。これからも、自分のガイディングの引き出しを増やしていけるよう努力したいと思います。

マネジメントにモヤモヤしている人が、具体的なヒントを得られる

これからPsyCap Masterを目指される方へメッセージをお願いします。

特に受講をおすすめしたいのは、「なんかモヤモヤするな」と感じている職場のリーダーの人です。以前の私自身もそうだったのですが、仕事に何らかの制限が掛かっているように感じていて、でも「これしか方法が無いよね」と思い込んでしまっている人って多いと思うんです。でも実際は変わるチャンスがいっぱいあるのに気付いていないだけかも知れません。あるいは、変わりたいけどどう行動したらいいかわからない人もいると思います。

私は以前、製造メーカーのマネージャーだった頃、上司部下はこういう関係であるべきだと決めつけて、キリっとした上司像をイメージして、「生産性を求めろ」と煽って手法手法でガチガチのマネジメントをしてしまっていた時期がありました。当時は、私自身そういう指導しか経験してこなくて、リーダーって「そんなもんなんかな」と思っていたんです。でも、チームがもう限界という雰囲気になってしまい、私自身もすごく疲れてしまっていたんです。

そんなある日、娘のいたずらに私が注意したとき、「だってやりたかったんだもん!」と言われて、ハッとしたんです。そういえば自分も小学生時代はめちゃくちゃいたずらをしていたけど、いつの間にか優等生になり、社会人になって、”やりたいこと”より”やらなければならないこと”を優先して行動していたと気付かされました。でも本当は、自分に自信があって、客観的に自分を見ることができれば、やりたいという気持ちをもっと大切にしながら仕事を進めることができたはずだと感じました。子どもってパワフルだけど、本当は大人もそうできるんではないかと。もっと自分の心を解放して、自分の好奇心に直結する行動をとってみようと決意しました。

そこから、自分らしいリーダーシップを発揮しようとマネジメントのスタイルを切り替えて、チームの雰囲気を上げる活動に集中して動きました。例えば、メンバーに「これ苦手だから教えて」と言って、弱い部分も正直にさらけ出して頼るようにしました。最初はメンバーがびっくりしていましたが、少しずつチームの風土やコミュニケーションに変化が生まれて、やりたいことが色んな人から出てくるようになったんです。結果的にチームのパフォーマンスが上がり、目標値を継続して簡単にクリアできるようになりました。生産性でメンバーを煽るマネジメントは、一撃で目標値を達成できることはあっても、持続可能ではなかったんです。人の気持ち・主体性・行動力って本当に大事なんだと実感することができた、私の最初の成功体験です。

私は、人が成長することで、結果として組織も成長し、さらにその人の成長が加速するという循環があると思っています。それが、当時リーダーとしてモヤモヤしていた私が得た気付きです。そのような、人の成長の鍵となる心理的資本を高められる具体的なヒントが、PsyCap Master認定講座にはあります。マネジメントにモヤモヤしている人にこそ、本講座の受講をおすすめしたいです!

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