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与えられた状況の意味を問い、どん底の時ほど、積極的に行動する。~石川武社長/三共精機株式会社

三共精機 石川社長TREE(Try・Refresh・Enjoy・Encourage)をテーマにしたインタビュー企画。

今回は三共精機株式会社 代表取締役社長 石川武さんにインタビュー!

ishikawatakeshi

石川 武Takeshi Ishikawa

京都の中堅工具商社の三共精機株式会社の第3代目社長。三共精機は2018年には創業70周年を迎えます。
石川武社長は3代目。しかし、創業家とは血縁関係ではなく、中途入社で入社し、リーマンショックで売り上げがこれまで4割になるという厳しい中、社長に就任。
突きつけられた厳しい現実を、自分に与えられた天命として受け止め、深い内省からの気づきと信念で見事に事業を復活、発展されています。

本社の社屋に入ると、1階のショーケースには、環境に関する表彰と、手作りのクラフトアートが目に入ります。

環境に関する表彰と、手作りのクラフトアート

数々の環境に関する表彰と手作りのクラフトアート

三共精機では、KESという京都生まれた環境マネジメントシステムに取り組み、モデルフォレスト活動やKESエコロジカルネットワークの活動を推進されています。
またクラフトアートは、インターンシップの学生さんたちが、三共精機をひとつの船に見立てて彼らの発想で作成したそうです。

自由で闊達な社内の雰囲気や、環境活動も積極的に取り組んでいるところから、ゆとりのある経営をされているのだなと思って尋ねたところ、石川さんのお話しは意外なものでした。

社長として三共精機が60年続いている意味を問い直す。

この会社がKES環境マネジメントシステムを取り入れたのは、僕が入社した2002年からです。当時の風潮として、企業間の取引をする際にISO等の認証を求められることが多く、必要性にかられて始めたのです。
最初は、「面倒だ」というような反発や、売上利益にどれほど関係があるのか、いぶかる声もありました。もちろん、僕自身も、最初は仕事だから認証を取るという意識しかなかった。ただ、それでは定着しないし、意味がない。
なので環境経営をやる意味を考えてみたのです。

環境経営を当社がやる意味について、大きな気づきを得たのは2009年のリーマンショックの時、社長に就任した時です。
売上が前年の4割ほどになり、人はやめていくし、社内の雰囲気も悪く、つぶれるのではないかと思いました。
その時、僕がやらなければならないことは、会社がつぶれずに残ることだと思いました。

そこで、今の状況を理解する必要が出てきたのです。社長って何をするんだろうと考えました。

その時に自分に立てた問いは
1.機械工具商社は世の中に必要なのだろうか。
2.機械工具会社が必要であるならば、三共精機は必要とされる会社なのか。

これを考えていくなかで、創業から60年続いている意味を問い直しました。
60年続いているのは価格が安かったからのようです。ただ、価格面だけで見るのではなく、資源の点からみると、安い価格で提供できているというのは、資源を長寿命化しているということなのです。例えば、2日しか使用できないものを3日間使えるような提案をすることで価格が安くなります。
三共精機は資源の効率化をしてきた会社だということに気付いたのです。
そう考えると、環境経営は当社にふさわしいし、必然だと。
このことは京都府の「知恵の経営」認証をいただきました。

Try:どん底になったら行動するしかない。

―石川さんが挑戦していることってなんですか?

2017年の4月にマレーシアに事業所をつくります。当社にとって本格的な海外進出です。
実はこの海外事業、リーマンショックのどん底の時から開始しました。その当時に中国人スタッフを採用し、これまで海外案件を少しずつ増やしていったのです。
リーマンショックのどん底のときに、かなりの金額を投資して社内のシステムも再構築しました。
リーマンショックのときに、ただでさえ、お金が不安なのに、投資を進めることに対していろんな人から批判されました。
ただ、このどん底の時に投資をしないと次がないと思いました。
こんな大変な時に社長に任命されたという意味を考えると、この危機を乗り越えた後、どうこの会社を持っていくのかが問われているという思いがあったからです。
その時に海外への事業展開をイメージしていました。
興味深いことに、その当時、開発したシステムが、外販で売れ始めているのです。このシステム投資は当社の新規事業に育ってきました。

三共精機 石川社長

問題に向き合ったら、絶対に行動するはず。

よく中小企業では、「無理だ」とか「難しい」と言って何もしないでいる経営者がいますが、僕の目からみたら、問題に向き合っていないと思います。問題に向き合ったら、絶対に行動するはず。
もしかしたら、何もしない経営者は、まだゆとりがあるのかもしれませんね(笑)
どん底になったら行動するしかないのです。

Refresh:本が好き。

―石川さんにとってRefreshは?

僕は本が好きです。先ほど、「挑戦していることは?」と聞かれたとき、思わず、今月の読書数を答えそうになりました(笑)
今月の目標は20冊読了することです。
乱読でなんでも読みます。最近はミステリーや哲学などの本が気に入っています。
仕事が終わると、早く続きが読みたいと思いますね(笑)
経営や経済系の本は社員にも読んでもらいたいと思い、会社に図書コーナーをつくっています。

Enjoy:「森や川がきれいやな」そう感じながら過ごす。

―Enjoy(楽しもう)はどうですか?

モデルフォレストを行っていますけど、職場の地位や国籍なども関係なく、森で楽しく過ごす。
これでCO2をいくら減らしたかというようなことではなく、純粋に森や川がきれいやな、とか、そう感じられることが大事。
これからの時代は銭金ではなく、面白いなとか、これいいな、とか、感じられる人はきっと社会でも有用な人だと思いますよ。環境経営を数字で追いかけるだけでは、意味がないと思います。

Encourage:何があっても社員を信じている。

―社員の皆さんとの関係性については?

僕ね、こんなことを言ったら、社員から突っ込まれるかもしれませんが(笑)、何があっても社員を信じているんです。
リーマンショックのとき、ひどい状況で僕も誹謗中傷されるようなことがありました。それほど会社は荒れていたのです。もちろん、僕もショックでしたし、彼らを守れることができるのかと自問しました。
その時に出した答えが、こんな状況でも残ってくれた社員を信じる、でした。
彼らが僕を嫌いでも、僕が信じてあげないと、彼らを追い詰めてしまうからです。
以来、何があっても信じています。

インタビューを終えて

石川さんのお話を伺い、私もリーマンショックのときのことなど、思い出しました。
どん底の時だからこそ、行動する、投資する。何もしない経営者は問題と向き合っていない、という石川さんのお話しは、印象深いです。
行動こそが問題解決になる。これぞ、TREEの「TRYやってみよう」だなと思いました。
それにしても石川さん、深く掘り下げる思考に、日頃からの学びの深さを感じました。
私も精進いたします。

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書いたひと

石見 一女
石見 一女
Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。

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