コラム

心理的資本を高める関与が幸福や業績にも好影響を与える研究結果

日本国内でも少しずつ実証研究が増えつつある「心理的資本」ですが、海外では継続的に多くの論文が発表されているようです。当社のアドバイザーでもある開本教授(大阪大学経済学研究科)から、新たな情報をいただきました。

その内容は「心理的資本を高める関与(PCI、またはガイディングとも言います)が統計的に意味があるものである」という事実だけではなく、「心理的資本だけではなく、幸福や業績(パフォーマンス)にも効果をもたらすこと」が明らかにされたということです。(Lupșa, D., Vîrga, D., Maricuțoiu, L. P., & Rusu, A. (2020). Increasing psychological capital: A pre‐registered meta‐analysis of controlled interventions. Applied Psychology, 69(4), 1506-1556.)

改めてですが、心理的資本は前向きな行動を起こす原動力となる個人の資源です。
心理的資本が高まることは大切ですが、働く人にとっての幸福や、企業人(または企業)にとっては業績にどれほど影響するのかという結果こそが重要であり、関心はそこにあるのものだと思います。

私たちも独自に検証を続けており、心理的資本が向上することが、個人・組織の業績やチーム状態といったものに寄与するということをつかんでいます。取得しているデータも物語っていますが、定性的なヒアリング内容からも、その事実は明らかだと感じています。それに加え、上記で取り上げた論文では、41の実験結果(合計サンプル数は4,000弱)を利用したメタ分析によるものですが、改めて客観的に心理的資本が幸福や業績に効果をもたらすということが明らかになったということなのです。

幸福や業績をテーマにすると、企業ではこんな課題が存在するのではないでしょうか。

  • 従業員のエンゲージメントをどう高めていったらいいのか。
  • 組織の心理的安全性をどう高めていったらいいのか。
  • ウェルビーイングな組織づくりをしていきたいんだけど、どうすればいいのか。
  • そもそも離職を減らし、採用力も高めたいと思っているんだけど…。

例えば、このような課題感は巷でよく聞きます。

それぞれの課題感に対して、じゃあどうするのか?
様々な制度を整えたり、仕組みを導入したり、場や機会を創出するという工夫をされ、ご尽力されているというケースも多いと思います。しかしながら、あの手この手を尽くしているはずなのに、なかなか現場まで浸透しないという声も多く聞かれます。いや、そもそも、どこから手をつけていけばいいのか分からない!という声ももちろんあります。

ひとりひとりの従業員個人に影響を与えようと思えば、結果として現場のマネジメントに委ねられることが多いのも事実です。

いずれの課題も、最終的にはひとりひとりの個人の心の状態、前向きな行動につながる原動力=心理的資本が大きく影響するものです。心理的資本は、一過性の変動しやすいモチベーションではなく、能力やスキルに近いものであり、一度高まれば簡単には変動しないものとされます。例えば思考の習慣や、経験による自信、物事の捉え方、強みの自己認識など、これらはほんの一部ではありますが、心理的資本を構成する要素に影響を与えます。

リーダーの影響力は侮りがたし

心理的資本が高い人は、例えば会社(組織)の目指す目的を自分事として捉えることができ、明確な意志に基づきながら、いくつもの可能性を考慮しながら複数の目標達成手段を思い描くことができます。周囲の良い点に気づくことができ、感謝することもできます。結果を柔軟に捉えることができ、将来に向けて肯定的に考えを整理することができます。困難でさえもチャンスに捉えることができます。これも一例に過ぎませんが、少なくとも周囲へのポジティブな態度や行動につながることがイメージできるのではないでしょうか。

こうしたポジティブな態度や行動というのは、組織内やコミュニティ内に伝播します。
(ちなみに逆にネガティブな態度や行動というのも、同様に伝播します。)
特にリーダーやマネージャーといった存在は、その影響力も大きくなるものです。

もし、心理的資本が低い人がリーダーだったらどうでしょうか。会社の目的を他人事のように捉え、自らの意志を持たず、目標達成までの手段を思い描けず、描いたとしても1つの方法しか知らず他を認めず、周囲の悪いところばかりに注目し、感謝をすることもできない。物事を柔軟に捉えることができず、将来に向けて悲観的であり、困難が立ちはだかれば逃げの一手をとるような人だったら?チームや組織のメンバーのエンゲージメントは高まるでしょうか?心理的安全性は高まるでしょうか?従業員は定着するでしょうか?ウェルビーイングな状態で働けるでしょうか。
いくら組織として良い施策の数々を打っていたとしても、現場に届かない可能性が高そうです。

上記の例は極端なものですが、やはり組織の中核となる人材のポジティブな影響力を発揮するリーダーシップの在り方は、組織の生産性や業績にも大きく影響するものだとご理解いただけるのではないでしょうか。

それ故に、私たちは、現場のマネジメントに携わる部門長、リーダー、マネージャーといった中核となる人材の心理的資本を高めることに焦点をあてた「これからの組織の中核を担うマネジメント人材育成を育成する社外1on1サービス」のCG1プログラムをソリューションとして提供しているんです。

  • 従業員のエンゲージメント課題をなんとかしたい
  • 組織の心理的安全性の課題を解決したい
  • ひとりひとりがウェルビーイングに働ける組織をつくりたい
  • 社員の定着率を高め活躍を促したい(結果、採用力も高めたい)

そのような課題感をお持ちの方は、ぜひCG1プログラムについてお問合せくださいませ。

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
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・心理的資本の特徴
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執筆者プロフィール

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

研究員リスト

  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • Li Zheng
  • 心理的資本研究員
  • 下山美紀
  • 舞田美和
  • 岡本映一
  • 雪丸由香

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