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ムダな報告会議を撲滅するために、そもそも必要な”日常のマネジメント”とは

「忙しいから早く終わってほしい」
会議にそう感じている方も多いのではないでしょうか。

・時間がとにかく長い
・誰も発言しない
・発言が一部のメンバーに偏っている
・意見がまとまらず何も決まらない
・「声の大きい人」の意見が採用される
・会議をやった気になって満足

本来会議は、組織の成長を目的に”活発なアイデアで化学反応が起きて、新しい価値に繋がる”ものでなくてはなりません。

報告中心の会議が多すぎる問題

私がクライアント様とお話する中で「現状報告に大半の時間を費やしてしまっている」という悩みを非常に多く聞きます。(私自身も同様の経験があります…。)

「○○さんからどうぞ」で始まり、参加メンバーが順々に報告発表を始めるのですが、とにかく時間がかかります。集中力が切れ、気付けば資料の読み合わせ音読会と化すことも…。その結果、十分な議論・対話ができず無駄な会議になってしまうのです。とはいえ、現状報告の時間を省くとメンバー間の現状認識が不十分になり、同じ目線で議論することができなくなってしまいます。時間切れで議論を次回の会議に持ち越すこともあるでしょう。しかし、ビジネスのスピードが急速に早まる中、次の会議を開催する頃には、また冒頭に現状報告の発表が必要となるのです。

報告で終わるムダな会議を見直すヒントは、”日常のマネジメント”にあった

会議の改善として、事前準備(目的やアジェンダ)・役割を決める(ファシリテーターやタイムキーパー)を真っ先に思い浮かべるかと思います。これらも会議をスムーズに進める上で大切なポイントですが、やはり目線合わせのための現状報告は会議冒頭に必要ですので、根本の問題解決にはなりません。会議前に各メンバーの取り組みや意見をメール等で集約しておく方法も考えられます(筆者も試みたことがあります)が、業務が忙しい中で自分の取り組みを纏めるのに精一杯で、他メンバーの取り組み内容まで把握する余裕は無く、結果的に会議前の手間が増えただけで逆効果になるケースも多いです。会議の生産性を高めるカギは直前の準備ではなく、組織のコミュニケーションや日常のマネジメントにあるのではないでしょうか?

そこで、ムダな報告会議の根本の要因である、”日常のマネジメント”について、3つのポイントを解説します。

メンバー同士のプロセスを共有しておく

会議が現状報告から始まる理由は、参加メンバー同士が日常的に互いの業務プロセスを共有できていないからです。これらを把握できていれば、前提がある状態で会議に臨むことができるため、活発な意見を交わすことができます。
また、メンバー同士の学びを促進し、「もっとこういう方法もあるのでは!」と、新たなアイデアを生む可能性もあります。

このような業務プロセスの共有は、直属の上司だけに報告共有するマネジメントの仕組みになっているケースも多いと思いますが、チームメンバー同士でも共有しあえるうような仕組み作りを強くおすすめします。ITツールを利用すれば、共有の負荷を軽減することもできます。

信頼関係を築く

会議の場で自分の意見を発言するには誰だって勇気がいります。「怒られないだろうか」「間違ってないだろうか」というネガティブな気持ちに支配されます。メンバーの自発的な発言で議論を活性化させるためには、現状をより良くしたいというマインドを持ってもらうことが大切です。そのためには組織内の信頼関係が不可欠です。信頼関係が社内メンバー間の協業を促進させます。

信頼関係の構築には、日頃のプロセス共有がとても大切です。
プロセス共有によって、「●●さんに頑張ってほしい」といった称賛や応援する気持ちや、コミュニケーションが生まれるきっかけになります。逆に、普段何をしているのか知らないメンバーとの間に信頼関係を構築することは難しいものです。

強権的なマネジメントではなく、組織内の信頼関係を生むマネジメントを実施する必要があります。

日常的にアイデアを出す場をツール上に作る

会議の開催に拘らず、積極的にITツールを活用し、アイデア出しの場を作っておきましょう。時間を拘束される会議とは異なり、自分の都合の良いタイミングで発言できる場があれば効率的です。会議を待たずに決断できることは決断しましょう。そして、ツール上では解決しづらい議論が発生した場合、こすれ合いを会議で実施しましょう。対面コミュニケーションのメリットを存分に生かし、意志疎通にずれなくニュアンスを伝えることができます。ツール上で前提は共有されているので、議論もスムーズに進むでしょう。

もちろん、メンバーが自発的にアイデアを出す動機付けとして、メンバー間のプロセス共有・信頼関係の構築は不可欠です。

最後に

特に昨今テレワークが急速に普及する中、コミュニケーションの機会が減ってきています。生産性の高い有意義な会議を実施する為にも、日常のマネジメントの仕組みを意識的に見直すことが今求められています。

▼YouTube動画『Habi*doチャンネル-働く人のイキイキを実現する組織マネジメントとは』にて、会議の生産性を高める方法について解説しています!

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

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・心理的資本の特徴
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執筆者プロフィール

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

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