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人材育成として多様な可能性を秘めているOJT、もっと深め発信したい~白井剛司さん/株式会社博報堂

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TREE(Try・Refresh・Enjoy・Encourage)をテーマにしたインタビュー企画。

今回は、株式会社博報堂 人材開発戦略室マネジメントプランニングディレクター 白井剛司さんにインタビュー!

株式会社博報堂で、2005年から人材開発に従事されている白井さん。以前に当ブログでもご紹介させていただいた著書を上梓されてから2年半が経過し、更なる発展的な取り組みを始めていらっしゃる白井さんに、スタッフ舞田がお話を伺いました。

白井剛司

白井 剛司Takeshi Shirai

株式会社博報堂に1993年入社。約10年間営業に従事し、2005年から人材開発戦略室にて主に若手、現場リーダークラスの人材育成に携わる。2007年から取り組んでいる新入社員のOJTトレーナー向けのプログラムを、『「自分ごと」だと人は育つ ~1年間でトレーナーが考えること』(博報堂大学編/日本経済新聞出版社)として上梓。OJTに特化した取組みが注目を集め、各方面にて講演多数。

Try:OJTに関する異業種勉強会「OJT labo」の立ち上げ。

ー白井さんのトライにまつわるお話をお聞かせください。
今回、仕事とは別の活動として、初めてOJTに関する異業種勉強会「OJT labo」を立ち上げたのがトライです。これは完全に仕事以外の活動になります。業界を問わずOJTに熱心に取り組んでおられる人たちと、事例や情報交換などを中心として、月に1回、1年間の取組みとしてスタートしました。

こうした会を主催するのは初めてで、私以外の参加メンバーは互いに初めましてという会だったので、私にとってはトライでしたね。第3回を終えたところですが、参加者の皆さんがOJTをはじめとした人材育成に関して共通の想いを持っていらっしゃることが確認できたことも嬉しかったですし、面白い取組みにしていけそうだなという手応えを感じているところです。

―なぜこういった会を立ち上げようと思われたのですか?
講演会などでお話させていただく機会が多いのですが、熱心な方たちからもっと勉強する機会が欲しいという声をいただいていました。新人(研修)担当者がOJTも兼任しているケースが多いので、OJTにあまりパワーを割けない企業が多いのが実情です。

でも実はOJTこそ、人材の育成において重要な鍵を握っていることが多いんです。だからこそ、皆さんにもっとお役に立てる場があればと企画しました。私自身が純粋にこのテーマに想いがあって没頭してきた、というのもありますね。

Refresh:仕事が趣味。少し先を見てインプットする時間が、頭のリフレッシュ。

ー普段、どんな風にリフレッシュされていますか?
仕事が趣味みたいなところがありますね。読書会や外部の研修などに参加することで、一見して全然関係ないように思えることが、仕事の中に組み込んでいけたりするのが楽しい。少し先を見てインプットする時間が、頭のリフレッシュになっているように思います。

あと、月並みな話ですが、まだ子供が小さいので、子供と過ごす時間がとても新鮮です。大人とはまったく違う世界・視点というか。

Enjoy:自分なりに工夫して味付け・・・楽しさでもあり消耗しないコツ。

ー楽しんでいらっしゃることは何ですか?
楽しんでいること・・・やっぱり全部が仕事に繋がっちゃいますね(笑)。

仕事って、責任感とか義務感でやるよりも、自分なりに工夫して味付けしたり、自分なりの仮説とか問題意識に捉え直していくことが、楽しさでもあり消耗しないコツだと思うんです。

この業界では皆さんご存知の「WILL・CAN・MUST」で言うと、極力MUSTのゾーンをWILLの方に持っていく努力はしています。今は、合理的・合目的な時代なので、上位から整合性だけをとっていくと、ともするとMUSTだけの仕事=やらされ感に繋がりかねない。その中にいかに自分なりのWILLの要素を絡ませていくのかというのは、仕事を面白くするために大事な気がしますね。

ーそれは、働く人皆さんにとって参考になるポイントですね。以前から持っていらっしゃる仕事のスタンスなんですか?
いえ、私の半分のキャリアは営業なのですが、営業をしていたときにはそんなことを考える暇もなく、ただがむしゃらに必死でやっていたという感が強いですね。

人材育成の世界に入ってからいろいろ学んで。仕事をするうえでは様々な事象にはそれなりの解決策やセオリーがあることを知って。そういったことを自分でも学んだ先に自分で意志(WILL)をもって仕事を進められるようになった気がします。

だからこそ、OJTを通して現場の人たちがもっと楽に自分らしく仕事ができるようにしていきたいと思っています。今、組織開発について学びながら、新人もトレーナーもWILLに基づいて仕事ができるような、そんなOJTを模索し始めているところです。

もちろん、現実的な世界の仕事ではとかくクリアすべきたくさんのMUSTが多いことは前提として、ではありますけどね。

Encourage:「理屈」と「気持ち」の両軸がないと機能しない。

ー組織開発というお話が出ましたが、関心を持たれたのはどうしてですか?
『「自分ごと」だと人は育つ』は、OJTに関して体系化して解説することを価値として書いた本なんですが、書いてみて、やっぱり人間関係というのは欠かせない要素だなと気づきました。感情とか関係性といった要素にもっとチャレンジしてみたいと思い、組織開発を学びはじめました。リーダーシップは安心・安全が大事だと言いますが、それをどうやって高めたらいいのか?とか、感情をどう扱ったらいいのか?など、従来とは違うアプローチで、未開のゾーンに入ってきている感じはしますね。

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やはり、気持ちや繋がり、人間関係というのは欠かせない要素です。

ーOJTを機能させる上で、もっと人間臭い部分にもう一歩踏み込む必要性を感じられたということですか?
そうですね。本を書こうという話になった当時は、世の中はOJTに関して「人を育てるには想い」とか、ともすれば「精神論的な考え方」が主流だったように記憶しています。だからこそ。まぁ、厳密には書いているうちにそうなってきたというのが正直なところですが、、、育成を論理的に構造を明らかにする必要性を感じてあの本を出しました。

それが、今までとは違った、今の時代に合ったOJTなのではないかということで。実際、世代間ギャップの問題が顕在化している現代では、従来の精神論だけでは前に進まないのは事実なんですが、職場や仕事の変化とか、若手の考え方の変化とか、構造的なところも踏まえて。そのうえで更にそれを完遂させるにはやはり気持ちや繋がりといった部分が必要、と言うよりも欠かせない。

これだけ職場と関係者間の価値観が多様化する中でその「理屈」と「気持ち」の両軸がないと機能しないな、というところに一周回って到達できたという感じがしています。

今後について

ー最後に、白井さんのこれからについて教えてください。
OJTと言うと、新人対象だと捉えられがちなんですが、私自身は、ベースとしてリーダーシップやマネジメントの領域からこの分野を捉えていますし、いろんな層の人たちに発信していきたいという気持ちがあります。実際、従事している仕事でもOJTだけでなく、組織全体の人材開発に携わっていますしね。

OJTは単に社会適応のためのものと捉えている企業も多く、またOJTが機能しなくて困っているという企業も多いのですが、OJTは社内最小のチームだと捉えると、人材育成として多様な可能性を秘めています。私自身も学ぶことが多いテーマですし、もっと深めていきたい、発信していきたいと思っています。

インタビューを終えて

前回お話を伺った際に「OJTオタク」と自称されていた白井さん。ますます精力的に、OJTから始まる人材育成の広がりと深まりを追求されている姿勢は、仕事の域を超えて、すっかりライフワークの域。それだけOJTは魅力あるテーマなのだということを再発見させていただいたインタビューでした。組織開発の視点を加えてさらに発展的に深めていらっしゃる知見の発信を、これからも楽しみにしたいと思います。

ありがとうございました!

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書いたひと

舞田美和
舞田美和
Be&Doプランナー/ ”ひとり一人の凸凹を活かし、チームでチカラを最大化できる仕掛け”をご提案しています。人材サービス・教育研修の企画営業を経て、人事・採用、大学の新設・運営業務の後、現職。CDAキャリアカウンセラー・健康経営アドバイザー。

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