コラム

安全衛生管理目標~労働災害減少・ゼロ達成のために重要な実施事項とは?~

安全診断・安全指導。
企業や拠点による違いはありますが、安全衛生の目標や年間の活動計画が明確に設定されていないことが、安全衛生活動が着実に進捗しない要因の一つと考えられます。
目標・年間計画を全社として設定(策定)し、各拠点に展開することにより、全社のベクトルを合わせた形での取り組みが推進できます。

目標として「労働災害発生を前年比〇%削減する」「労働災害発生件数を〇件とする」といった労働災害発生を防ぐための目標をたてる企業さまも多いかと思います。
目標だけを立てていても現場は何も変わりません。今回は労働災害を防ぐ目標を達成するために重要な実施項目・実施目標の例をピックアップしてご紹介します。

労働災害を防ぐ目標を達成するために重要な実施項目・実施目標
1.災害発生時の4M分析の着実な実施
2.チョコ停、ヒャリハット提案の推進
3.職場巡視・パトロールのレベルアップ
4.作業マニュアルへ安全上のポイントの折り込み
5.異常時措置基準の制定、見直し

御社なりの考え方を取り入れ改変し、是非日々の行動として実行に移してみてください。

災害発生時の4M分析の着実な実施

災害(ケガ)発生時の調査分析を災害を起こした作業者の不安全行動(Man)、設備・装置の不安全状態(Machine)にだけに原因を求めるのではなく、その背景になる作業方法等(Media)、管理体制等(Management)の要因まで広げて解析し、再発防止対策に結び付ける手法(4M分析)。
災害発生時に4M分析を着実に実施することにより、同種の災害発生防止に留まらず、職場の標準化、管理体制の強化等が図れます。

チョコ停、ヒャリハット提案の推進

設備の不調等により停止することをチョコ停(チョコット停止するの意味)と言い、これを回復したりする作業の中で危険な所に接近したり、センサーの異常でチョコ停した所でセンサーを調整して不意に動き出して怪我をしたりすることが多くなります。
これらのチョコ停は短時間の停止が多いため、表面化しない場合も多くあります。しかし放置すると安全上のみならず、製品の品質、生産性にも大きく影響します。多くの企業がチョコ停の撲滅運動に取り組んでいるのが現状です。

ヒャリハットは作業者が行動の中でヒャリとしたりハットした災害(ケガ)に至る一歩手前の事象(現象)を災害発生と同様な視点で捉えこれらを無くしていく活動です。
センサーの異常でチョコ停した所でセンサーを調整して不意に動き出して怪我をしそうになった(ヒャリ)、この場合不意に動き出してびっくりした(ハット)等の形で提案(報告)し、これが起こる根本原因の設備の改造、センサーの調整等を実施する活動。

チョコ停提案の着実なフォローの重要性

チョコ停の提案(報告)を受けて、これを改善する活動(着実なフォロー)を実施することにより、職場は安全になり、品質向上、生産性向上にも結び付きます。

ヒャリハット活動の重要性

現場で働く作業者が体験した危険(ヒャリハット)を報告して、管理監督者がこれを排除して、不安全状態や不安全行動を無くして、未然に災害の発生を予防するものです。「1件の重大災害の裏には、29回の軽傷災害、傷害の無い事故が300回起きている」と言うハインリッヒの法則解析結果があります。
対策が出来ない理由を含めて提案者にフィードバックする事により、意欲がわきこの活動を通じて感受性が向上します。

職場巡視・パトロールのレベルアップ

職場巡視・パトロールは単なる職場の4S・不良個所の指摘等を中心に実施していると、マンネリ化し、表面的な指摘だけに終始することになり易くなります。
どこに災害の起こる要因があるのか(どうすれば災害が起こせるのか)、どの様な不安全行動が起こるのか、不安全行動の背景はどこにあるのか等の視点で職場巡視することが大切です。
パトロールを実施し、これらの指摘事項を改善することにより、災害の起こりにくい職場となります。

作業マニュアルへ安全上のポイントの折り込み

作業手順書(マニュアル)の中へ作業のやり方だけでなく、品質上のポイント、安全上のポイントを折り込むことにより、新入社員・転入者等の教育にも使えると共にノウハウ、生産技術の伝承にも役立ちます。

(例えば)材料の機械加工で、「加工機械の電源ボタンを押し切削を開始する」ステップの場合、安全上のポイントは「切削液の液ハネ防止、接触防止のため前扉を確実に閉める」等があり、「カッター、スぺーサーを交換し調整を行う」ステップの場合、品質上のポイントは「寸法調整は異物の感触が分からず見落とすため、必ず素手で行う」等を記載する。

安全上、品質上のポイントをその理由まで含めてマニュアルに記載する活動をマニュアルの見直し等の時期に計画的、定期的に行うことにより、より生きたマニュアルとなっていきます。

異常時措置基準の制定、見直し

異常は設備事故(故障)や災害(ケガ)の現れる前の予兆現象であり、これを是正し正常化することにより、故障や怪我を未然に防ぐことができます。

(例えば)設備の回転軸が異音を発している現象を放置すれば、設備は故障して止まったり、異常な動きをしたりする。これを直そうとして、故障した機械に手を出して怪我をしたり、熱い金属部分に触れて火傷をしたりする。

異常音が聴こえたら、設備を停めて、上司に連絡して対処する等を決めて置くことにより、設備の故障防止、災害の発生防止に結びつきます。
また、電気、水道等が停止した場合、地震等が起こった場合、どこのバルブを閉めて、どの電源を切って上司に連絡して対応する等を決めておかないと、設備の故障のみならず化学工場等の場合、爆発・火災等の大災害に結び付く恐れもあります。
これらの異常時措置基準は手順書・基準書(マニュアル類)として定めるだけでなく、定期的に想定訓練をして内容を見直したり、また実際にこれらの事態が発生した場合にも効果的であったのかを検証して見直す必要があります。

今回は5点ご紹介いたしました。
安全衛生目標・年間計画策定を立てることはもちろん、それに伴って現場でどういったことを実際に重要とし行動にうつしていくか、習慣化していくか、がより重要となってきます。
御社の安全衛生目標は何でしょうか。そしてその目標達成のためには日々どういった行動を現場ではチェックしているでしょうか。今一度「安全」の確保のため振り返ってみてください。

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