2018年2月9日~2月25日までの17日間開催される平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)。
第23回オリンピック冬季競技大会、各国の代表選手が白熱を繰り広げています。
スピードスケート高木姉妹 お互いを意識し高めあう
みなさんはスピードスケートの高木 美帆選手をご存知でしょうか。
2010年のバンクーバーオリンピックに中学生で出場。「スーパー中学生」「日本の宝」とも言われ、注目を集めていました。
とはいえバンクーバーオリンピックでは、最下位の35位(完走できなかった選手を除く)、1500m23位といった結果でした。
高木 美帆選手には姉の高木 菜那選手がいます。
2010年のバンクーバーオリンピックには同じスピードスケートの選手ながらも出場とならず、妹を応援しなくてはという気持ちの半面とても悔しい想いをしたそうです。
「妹に勝つことが自分のモチベーションだった」と高木 菜那選手は語っています。
悔しさをバネに2014年ソチ五輪日本代表として選ばれます。団体追い抜き4位という結果を残します。
一方妹の高木 美帆選手は、ソチオリンピックで代表選手落選という苦い経験を味わいます。
そして2018年の平昌オリンピック、姉妹で一緒に選手として出場しています。
もちろん高木 菜那選手、高木 美帆選手それぞれの努力があってこその代表選出です。ですが、同じ方向に向かっている2人がいたからこその今回の2人そろっての代表選出といった結果なのではないでしょうか。
切磋琢磨することが生産性向上のカギ
自身の力での努力、成長はもちろん大切です。自分自身での学習、勉強ももちろん重要です。
ですが、自分以外の人からの刺激を受けること、それこそが自身を高める原動力になります。
教育分野に留まらず、経済界からも注目されている「ピア効果」。
「ピア効果」とは、仲間や同僚などがお互いの行動、生産性に影響を与え合うことをいいます。ピア(peer)は、年齢・地位・能力などが同等の者、同僚、同輩、仲間を意味する英語で、教育分野などでよく用いられる用語です。一般的には、能力や意識の高い仲間が同じ環境に集まり、お互いに切磋琢磨し合うことで、集団のレベルアップとともに個々の成長に相乗作用をもたらす効果のことを言い、これを“正のピア効果”と呼んでいます。一方、集団の構成などによっては、お互いに悪い影響を及ぼしあい、集団としても、個人としても行動や生産性が低下してしまう“負のピア効果”が働くケースもあります。
(日本の人事部より引用)
近年の経済学の研究において、一般的に「個人作業」よりも「チーム作業」の方が生産性が上がる傾向にある、と言われています。また、個人に対して報酬を与えるよりもチームに対して報酬を与える方がよりやる気を高め、生産性を上げると言われています。
お互いに自身の得意な部分を共有、そして教えあうことでの知識や技術が向上。お互い苦手な部分や不得意な部分を補完しあうチームとしての活動。「個」よりも「チーム」が重要視されています。
また頑張っている人の姿が目に見えること、ピア効果により自分も頑張ろうと意識が高まります。
スピードスケートの高木 美帆選手、高木 菜那選手もお互いの頑張りを共有していたからこそ、一人ひとりで頑張る以上に頑張ってこれた、モチベーションの維持ができたのではないでしょうか。
労働力の不足、生産性を高めることを求められている昨今。
仲間や同僚とともに切磋琢磨すること、そしてチームの生産性向上と共に個人の能力を向上させることがより求められています。