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やる気が出やる気が出ない時ほど小さく駆けろ!行動が生み出す作業興奮とは?

なんだかもやもやして、考え事ばかりしてやる気が起きない時間を過ごすことほど、もったいない!
(それならばむしろメリハリをつけて、ぼーっとなにも考えない時間をつくるほうがよっぽど生産的かもしれない。)

やる気を高めるためには小さな課題をクリアするために行動をすることです。
つまりとても低いハードルの行動目標を達成することです。

やる気(モチベーション)が下がっている状態は、きっと誰にだって経験があると思います。
気持ちを鼓舞するために「ロッキーのテーマ」をBGMとしてかける!とか、気分をあげるために散歩に出かけたり、ジョギングをしたり、何か愛読書を読んでみたりと、様々な自分なりの「やる気を高める儀式(ルーチン)」みたいなものをもっている人もいるでしょう。

実は脳科学の世界や、心理学の世界で実証されていることなのです。

脳科学で証明されている作業興奮

人は何か作業をはじめると脳の側坐核という部位が刺激されることでホルモンが分泌されます。いわゆるドーパミンです。
ドーパミンの刺激により“作業興奮”と呼ばれる状態になります。
これが生理的に「やる気が湧いてきている」状態なのだそう。

そういった意味では「ロッキーのテーマをBGMでかける」という行為そのものが、ひとつの作業(小さな課題)であり、それを達成することで脳が刺激されているのかもしれません。
しかも、ただの作業ではなく、この音楽を聴いたらやる気が湧くという一種の「トリガー」として脳に刻みこんでいると言えるでしょう。

注意点としては「大きな課題」から取り組まないことです。
大きな課題に対して行動をしようとすると、脳がブレーキをかけてしまうのだそう。

つまり、やる気を高めようと、ものすごく高い目標を掲げることは、一歩間違えば逆効果ということです。
中長期的な目標を立てて、遠くを見ることももちろん大切ですが、大切なことはすぐに行動に移せるように小さな目標・課題にブレークダウンすることが大切ですね!

作業興奮を高めるための行動のアイデア

なんとなくやる気が出ないからといって、だらだらと過ごしてしまったりするよりも、まずは行動をしてみることが大切ということがわかりました。

例えば「身体を引き締めたい」という目標があるものの、どうしてもやる気が起きない…。
そんなときは腹筋運動や腕立て伏せやスクワットなどのトレーニングを一気にしようとしないことです。
“とりあえず”でいいから、苦手でも腹筋を1回だけやると決めてやってみると、ついでに数回は追加で実施できたりします。これもやる気が一時的に高まっている効果と言えるでしょう。

例えば「お皿を洗わないと」という家事があるのものの、どうしてもやる気が出ない。
そんなときも“しようがない”と1枚だけ洗ってみると、ついでに全部洗えてしまったりします。

例えば筆不精なコラムニストが「原稿を仕上げないと」という仕事があるものの、どうしても筆が進まない。
そんなときも、内容はともかく100文字でも書いてみることで、続けて書き上げることができるかもしれません。

例えば受験勉強が本格化しても目標が高すぎてなかなか勉強を始められない…往々にして「明日から本気出す!」みたいになりがちです。
明日から本気を出すよりも「英単語を1個でも覚えるために10回書く」くらいでもやってみれば、調子づくものなのです。

営業職の人が顧客に1本メールを書いたり電話をするのもそうかもしれません。コピーライター職のひとが適当にキャッチコピーを出してみるのもそうかもしれません。

仕事でも、勉強でも、健康でも、私生活でも同じことが言えます。

『やる気がいまいち起きないときは、手足を動かして行動をしてみる』ということを覚えておくことは大切ですね!

さて、ここまでは側坐核を刺激することによる作業興奮を起こす脳科学に関連するお話でした。
これに近い研究が心理学でも存在します。自己効力感と呼ばれるものを高める方法です。

自分ならできそうだ!という自己効力感を生み出すには

認知行動療法などの場面で活用される行動変容モデルに、ステップバイステップ法というものが存在します。

目標を細分化し、マイルストーンとして小さなステップを踏みながら、少しずつ目標に向かってステップアップしていくような方法です。

これはカナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した「自己効力感(Self-Efficacy)」を高めるために必要な「達成体験」の要素を着実に対象者に経験してもらうことができる方法です。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

ステップ・バイ・ステップ法とは?~小さな目標のクリアを「見える化」する~

ルーチン(習慣)づくりのすすめ

ほんの小さな習慣を続けることも大切です。

継続的な成果を生み出すためには、毎日の積み重ねが物を言います。
どんなに小さな行動でも「今日も実施できた!」「翌日も続けられた!」「1ヵ月続いた!」となることで、自信につながるだけではなく、確実に成果が生まれ始めます。

「やる気(モチベーション)」は自然に向上していきます。

単純作業で大丈夫。生活習慣でも職場での習慣でも良いので、意識してばかばかしいほど小さい行動で習慣づくりをはじめてみるのも良いかもしれません。

下記の記事もおすすめです。

小さな行動習慣づくりが人と組織をポジティブに変える可能性。

参考図書

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)


小さな習慣

 
橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

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執筆者プロフィール

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

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