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自信は育て続けるものなんです

人材育成は「自信を育む」こと

人材育成とは、究極は「自信」をつけることなんじゃないかと常々そう思っています。
例えば子供が自信を持っていろんなことに興味を持って進めていると親はとっても嬉しく、安心し、そしてその学びや行動を支援していくことに喜びを感じます。しかし、子供の自信が揺らぐと、やる気が失せ、元気がなくなり、不安な様子になります。
会社でも同じで、自信を持ち、様々な困難にも立ち向かっていく部下は心強く、自律的に成長していくことができます。そう考えると人を育てるためには、まず何よりも「自信を育む」ことが最重要だと思います。

自信とは?心理的資本から考える

自信とは何でしょうか。「やり遂げる自信」ともいえる人の資本である心理的資本の構成要素の中で、特にEfficacy(エフィカシー・自信と信頼の力)があてはまります。尚、心理的資本の構成要素とはHope(意志と経路の力)・Efficacy(自信と信頼の力)・Resilience(乗り越える力)・Optimism(柔軟な楽観力)の4つと言われています。心理的資本について知りたい方は「心理的資本とは?働きがいにつながる「内なるHERO」知っておきたい概要と潮流」をご覧ください。
心理的資本は、測ることも開発することもできるスキルともいえるものです。そう考えると自信は開発可能なのです。

Efficacy開発の前提①エフィカシーは、ドメイン(特定の分野・領域)に固有のものである
②エフィカシーは、実践と習熟に由来するものである
③エフィカシーは、常に改善の余地があるものである
④エフィカシーは、他者の影響をうけるものである
⑤エフィカシーは、変化が可能なものである

では具体的にどうやって自信を開発すればいいのでしょう。

自信とは関係性から育まれるもの

自信=エフィカシーを開発する方法は先行研究によって下記の4つと言われています。

達成体験(試行錯誤)
成功も失敗も含め、経験値を積むという達成体験。試行錯誤することそのものであり、実践の場数による習熟を目指すもの。経験をどのように解釈するか、ふりかえりが大切。

代理体験(モデリング)
他者を観察することで、その成功や失敗から学ぶことができる。あの人にできるなら自分にもできるという感覚を得る。モデルには本人と類似している人や類似しているタスクであるほど効果的。共通の目標の仲間の存在も良い。

社会的説得(言語的説得)
「あなたならできる」「あなたはよくやっている」というようなポジティブなフィードバックを得られること。目上の存在、尊敬や信頼のある存在からの言葉ほど効果的。

情動的喚起(生理的情緒的高揚)
心身が健康的である状態、うまくリラックスできている状態、または適度な緊張感によりドキドキ・ワクワクしている状態。

私は自信は関係性の中で育まれるものだと考えています。現に代理体験・社会的説得は他者との関係性が直接関係します。達成体験は「できた」「やれた」という個人の体験から得られるものですが、周囲からのフィードバックがあるとエフィカシーが高まります。また情動的喚起においても適度な緊張感とうまくリラックスしている状態というのは、対人関係によってもたらされることも多いのではないでしょうか。

そう考えると自信=自分に対する信頼を高めるためには、他者との信頼関係もしっかり築いていく必要があるのです。

自信は天狗になるのでは、という心配

子供や部下に対して、自信を高めてほしいと思いつつ、一方で、「天狗になるのでは?」とも思ってしまいませんか?
低い時点での成功体験の上で胡坐を書いてしまうと、それ以上の成長は見込めなくなりますし、自己評価は高いが、実際のアウトプットのレベルが低い人になってしまわないか、不安になります。
そしてついつい、鼻をへし折りたくなるというのも人情です。

「天狗になる」という状態は、自分自身の現状に満足して、自分自身を客観視できない状態です。メタ認知ができていない、ともいいます。この場合、行動を起こせていないことが多いのではないでしょうか。
自信とは、困難な状況に陥っても、自分を信じて行動を起こしていける心理状態だと考えます。
メタ認知ができていないことと、自信をつけることとは違うのではないかと思います。気づいていないことはしっかりフィードバックする必要があります。
自信は行動を起こす原動力として育むものであり、決して、自信をつけさせないようにするものではないはずです。

もちろん、世間知らずの天狗になって、下手に行動して大失敗することもあるでしょうが、それはメタ認知を回復するきっかけにもなります。

ドメイン(領域)が変わるとエフィカシー(効力感・自信)は引き継がれない

エフィカシーの開発の前提として「エフィカシーは、ドメイン(特定の分野・領域)に固有のものである」とありますが、これはすなわち、慣れ親しんだ領域から別の領域にいくと自信は引き継がれないということです。
例えば、社内で異動したときに、これまでの経験やスキルが活きると思っていたのに、不安がぬぐえないというのは、領域が変わると自信が引き継がれないことの表れです。
なので、いくらスキルがあっても、自信はまた一から開発していく必要があるのです。

成長の過程では、常に自信がゆらぐもの。なので自信を育て続けないといけないんです

ところで、領域が変わると自信は引き継がれないということですが、実は同じ領域にいたとしても日々、変化している限り自信は揺らいでいるのではないかと考えます。

当社のようなベンチャー企業では、常に日々の変化が激しく、同じような仕事はしていられません。しかも、いつもチャレンジングです。このような中で、自信を維持して進めているかというと決してそうではなく、あるときは打ちのめされ、あるときは不安でいっぱいになります。それでも前に進むことができているのは、自信=エフィカシーの開発を仲間とともに続けてこれたからかもしれません。
そう考えると、たとえ同じ領域にいたとしても、自信は常に揺らいでいるもの。自分自身や他者のかかわりの中で、自信は常に育て続けないといけないのです。

子供や部下育成とは、まずは自信を育てましょう。スキルは自信を持つことで、いっそう身に着くものなのですから。そして自分自身も周囲との関係性を活かしながら自信を育て続けましょう。なによりも充実した日々を得られるようになりますから。

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
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・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

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執筆者プロフィール

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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