Be&Doには、マークというデンマーク出身のエンジニアがいる。
彼は語学がとても堪能で、母国語のデンマーク語以外に、英語、ドイツ語、フランス語、日本語ができる。
そんな彼は最近「日本語能力検定」を受けた。
もともと学習意欲がとても高く、いろんなことに興味がある彼は最近ではロジカルシンキングの講座も受講し始めたようで、そんな多忙な中での挑戦だった。
そんなマークさんと、たわいなくかわした会話の中でとても良い気づきをもらったのでこのブログで紹介してみようと思う。
合格することが目標ではなかった
人は、何かしらの試験を受ける時、合格することを目標にするのが一般的だろう。
わたしも資格試験を受けるときは必ず「合格」を目標にしていた。
そんなわたしは、当然のように「試験どうだった?(受かりそう?)」と愚問をマークに投げかけてしまった。
彼は「大体うまくいったと思う、でも長文問題で時間が足らなくて全部解けなかった。各ジャンルで点数を取らないといけないから合格点には足りないかもしれない」というようなことを話してくれた。
そしてわたしがハッとしたのは、続けて発された彼のこの言葉だった。
「まぁでも今回は合格することが目標じゃなくて、読める漢字を増やすことが目標だったから合格してなくても目標は達成したよ」
わたしは今まで当然のように培ってきてしまった資格試験🟰合格という図式を恥じた。
なぜいままでこの発想をしてこなかったんだろう。
もちろん、試験をふりかえってみるという段階では、試験を受けることで得られた産物はあったかもしれないが、目標を「合格する」という視点以外で決めていたマークの考え方に、私自身気付かされたものがあったのだ。
HEROで考えてみよう
さて、そんな出来事を私のブログで恒例になりつつある心理的資本で考えてみるとする。
今回の例は、マークさんのオプティミズムの高さではないかと思う。今回はこのオプティミズムをヒントにして考えてみよう。
オプティミズムが高いひとの特徴は、「現実的で柔軟な楽観力」を持っていることだ。
オプティミズムが高い人の特徴・現状をありのまま受け入れることができる
・できることを積極的に実行している
・物語の途中だと考えることができる
つまりマークは、今の自分を理解し、望ましい要素を認識した上で試験にチャレンジした。
そして今自分ができることの中から最善のWill (目標)を定め、達成したことでエフィカシー(=自己効力感)も高まった。今はまさに現在進行形で達成体験を積み上げている最中だと言えるだろう。
そして結果的には、レジリエンスもまた高くなったといえるだろう。
なぜなら、今回の試験を受けたことで、リスクを再認識することもでき、いま自分に足りないものが何なのかが明確になったからだ。
今回の話では、長文を読みすすめるスピード不足というところだろうか。
マークさんは見事にHEROの要素を向上させたということだ。
さいごに
以前に、ブログでも書いたことがあるが、わたしも母国語以外の言語を学習する身である。
先日もこの10月に実施される試験に申し込んだところだ。
そして当たり前に「合格する」ことを目標にしていた。
合格しなければいけないという縛りは、場合によっては自信が失われてしまう原因にもなりかねない。
確実に目標に近づくためには、マイルストーンを小さく決めることが、遠回りのように見えて実は確実な方法なのかもしれない。まさに「急がば回れ」である。
小さなマイルストーンを達成していくことは、達成体験の機会を何度も得ることができる。且つ、自分で決めて自分の力で得たものなら尚更、その達成体験はエフィカシー(自己効力感)を高め、Hopeへの意志力もさらに強くする。そしてレジリエンスを高めるスキルや能力の形成を促すことにつながるだろう。
まさに心理的資本を自然に開発する理想の方法だといえる。
わたしはこの試験を受けるのは6回目になるが、もっと前にこの思考ができていたら、もっとたのしく試験勉強ができて、今よりももっと早く、さらにはもっと良い結果が残せていたかもしれない。
何気ない会話で得た同僚からの代理体験。
この経験を自分の心理的資本を高める方法として活かしていこうと思う。