コラム

人的資本経営が重要視される今、自律社会の到来を前に心理的資本に注目すべき理由

いま「人的資本経営」が注目され、各社取り組まれていますが、その後は「心理的資本経営」が当たり前になるのではないか、という話を先日うかがいました。それはなぜか?

現状は多くの場合で、知識やスキルを中心としたこれまでの”人材教育の延長線上あるもの”や”学び直し(リカレント教育)”が重視されているのが現状ですが、やはりそれだけでは人が能力を発揮する条件としては足りないと気づくはずだからというものでした。

本コラムでは、心理的資本に注力する考え方を経営に取り入れていく重要性について、問いたいと思います。

ここ最近で「VUCA(ブーカ)の時代」という言葉が、徐々に当たり前のようになってきたと感じています。ビジネス系の新聞やWebメディア記事で見かけることも増えました。「VUCAの時代」は一言でいうなら”未来を予測することがよりいっそう難しくなる時代”の到来を示しています。

VUCAとは頭文字をとっていますよね。

変動性(Variability)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiquity)からきた造語

というわけです。

あくまで私的な感覚値ですが、ビジネスにおいてももちろんですが、日常生活そのものもですし、世の中の文化的なものも含めて、変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の4つどれも実感することが多いです。世の中に情報は溢れていますし、多様な価値観が認められ、世の中が混沌に満ちているように思います。自由であることは、改めて”楽ではない”ということを感じざるを得ません。ただ一方で、自分はこう在りたい、こうしたいという強い信念を持てていれば、とても可能性に満ちた時代とも言えるのではないでしょうか。

こんな世の中になってきたらこそ、やっぱり”ひとりひとりの自律”が大切なのだろうと思います。自律もいろいろと定義があるようですが、大まかに「自分の軸を持ちながら判断し行動していくこと」だと、ここでは捉えます。

ところで、オムロンの創業者である立石一真氏が提唱した「SINIC理論」についてはご存知でしょうか。
イノベーション、事業開発などに携わったことのある方はお聞きになられたこともあるかもしれません。
私も以前に当社セミナーに登壇いただいたオムロンの竹林一氏から始めてSINIC理論の話をうかがい、感銘を受けました。社会、技術、科学の進化が密接に連動していて、そのうねりの中で世の中が変化していくという経営の指針にされている理論なのですが、この通りに世の中が進んでいることがうかがえるので、とても興味深いものです。

SINIC理論の通りであれば、本稿を執筆している2年後の2025年には「自律社会」が到来するであろうとされています。

社会のあらゆる現象をシステムとして捉えながら、社会的な仕組みが、点から線、線から面へと最適化され、あるいはグローバルな仕組みがどんどん作り出されて、それによって自分自身の生き方、豊かな人生、自己実現などの人間的欲求が実現されていき、やがて来るべき自律社会へと移行していくと考えられます。
(未来を描く「SINIC理論」より引用)

 

ひとりひとりの個人が「自律」を果たしていくと考えた時。そこで自分らしくリーダーシップを発揮していくことが求められるでしょう。多様な価値観を認めながら向き合う姿勢が求められるでしょう。無限にある選択肢から自信を持って判断をできる自分の軸が求められるでしょう。不測の事態も肯定的に捉えられるような思考も大切になるでしょう。

このように必要となるであろうマインドセットや心の制御をするスキル、目標を目指し課題の解決を自発的に行うために行動するエンジンとなるもの、こうした個人の資源が「心理的資本」です。

「自律社会」に個人も組織も適応していくためには、心理的資本に着目していくことが何より重要になることは間違いありません。

その前哨として、より人が大切な資産であり資本であると考えようという世の中の流れは、起こるべくして起こっていると思います。(むしろ、人を大切にしない姿勢の会社は、自ずと弱体化していくのでは、とも思います)人と組織のイキイキを実現することを目指す私たちからすると、世の中の潮流が「人」を大切にする方向に進んでいることは、とても喜ばしいことです!

今、人を資産として活かす目的で、その知識や能力を高めようと、あらゆる教育・学習機会の提供が行われていると思います。ただ、そうした機会を有効に活かして知識や能力として身につけていくためにも、身につけたそれらの知識や能力を活かしてパフォーマンスを発揮していくためにも、その原動力となる心理的資本に着目することが何よりも重要なのだと思います。そして人的資本と心理的資本は両輪で相乗効果を発揮するものでもあるんです。
これが、人的資本経営が重要視される今、自律社会の到来を前に心理的資本に注目すべき理由です。

自律社会が到来すると考え(実際既に現時点でも自律がより重要であると感じている人も多いはず)、ますます心理的資本に焦点をあてた経営、人材のマネジメントを強くおすすめします。
まずは何から着手していくと良いか、など含めまずはお気軽に当社までご相談いただければと思います。

個人の自律、組織としての自律についてディスカッションされた、以下のセミナーのレポートもおすすめですので、よろしければご覧ください。

どうやって個人の心理的資本に介入するのか、その手法であるガイディングを身につける講座もご覧ください。

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。

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著者プロフィール

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。

著者リスト

  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • 舞田美和
  • 雪丸由香

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