コラム

成果を出す・成長を促す鍵は「インボルブメント」

心理的資本の構成要素のHopeの開発に、インボルブメントがあります。

インボルブメントとは心理学では自我関与効果といって、相互の関係が深まることで自然と好意的になるという効果のことらしいです。
そのため、インボルブメントはマーケティング活動、消費者の購買行動の喚起、教育効果を高めるなどの様々な施策の中で参考にされています。
創造性を高めることにもインボルブメントが重要な効果を与えているともいわれています。

私は、仕事において、最近特にインボルブメントの重要性が増してきているように感じています。

理由は、行き過ぎたタイムパフォーマンス、在宅などでオンライン会議中心といった環境の変化も影響しているように感じます。

オンライン中心の会議はとても便利で、コストも低く、重宝なものです。ただ、オンライン中心の会議でしばしば見かける懸念事項として、

  1. 発表者のみ画面をオンにし、聞いている側は画面をオフにしたままで何も発信しない。
  2. 会議のタスクが明確なのはいいが、要件のみの連絡で終わる
  3. オンライン会議に不慣れな場合、自由な議論を起こしにくい

これらはインボルブメントを創発することが難しいといえます。
特に画面をオフにしっぱなしでは、自我関与効果は薄れていくのではないかと個人的には感じています。

行き過ぎたタイムパフォーマンスにも同じような課題を感じます。
最近、会議のムダを減らすということが一般的です。もちろん、それに異を唱えることはありませんが、要件のみの共有では、そこから創造性を発揮して解決にどう向かうかなどの議論をつくすことがむずかしくなるのではないかとも感じています。

例えば、営業管理のシートに記入することが目的化してしまうと、書いてある内容を共有して終わるという会議も多いのではないでしょうか。

そこで重要なのはインボルブメントです。権限移譲し、創造性を刺激し、自律を支援する巻き込みを行うことで高い成果を生みます。

このことはマネジャーの役割だけでなく、チームを組むメンバーひとりひとりにも必要な行動であり、リーダーシップそのものだとも思います。

心理的資本について知りたい方は以下の記事もご覧ください

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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執筆者プロフィール

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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