コラム

ステップ・バイ・ステップ法とは?~小さな目標のクリアを「見える化」する~

働き方改革においてまず重要視すべきは、「生産性」をいかにUpさせることではないかと思います。
しかし、生産性をUPさせるということは、一朝一夕でできるものでもないですよね。

まずは大きなことでなく、その日から出来る小さなアクションの積み重ねが仕事のフローを変化させる近道です。

そこで、行動変容に導く手法の1つでもある、「ステップ・バイ・ステップ法」について書きたいと思います。

ステップ・バイ・ステップ法とは?

達成が困難である大きな目標をたてるのではなく、達成することが容易である小さな目標を立てて、段階的に実行をしていく方法です。

ハイレベルな目標を立てることは悪いことではありませんが、高い目標だけを追っていると達成することが難しいと感じてしまい、行動ができないどころかモチベーションが下がってしまう(そもそも上がらない)ということが考えられます。

高い目標を立てることも大事ですが、そこからブレークダウンした具体的で明確な小さな目標にまで落とし込むことが重要です。
つまりは、「自己効力感」「達成感」を得るための小さな目標をクリアしていくというところがポイントになります。

自己効力感(Self-Efficacy)を高めることは行動変容に結びつきます。特にステップ・バイ・ステップ法は、最も自己効力感を高めることに有効な「達成体験」を積むためにも重要な位置づけの手法となります。

目標のブレークダウンは、できれば日々の習慣やタスクなどの行動レベルまで落とし込めると、より効果的です。

ステップ・バイ・ステップ法を活用したケース

ダイエットで活用する場合

例えばダイエットをするケース。1か月で10kg痩せるんだ!と意気込んでみても、なかなか難しい。(そもそも健康的ではないという問題もありますが)一方で、1カ月で1kgを減量するとすれば、まずまず現実的な目標になります。

ただこれだけでは、達成できたかどうかが1カ月経過しないとわからないので、途中で挫折する危険性や、もし達成できなかったときには逆にやる気が落ちてしまうことになります。

そこで「ステップ・バイ・ステップ法」を取り入れてます。

先ほどもお伝えしましたが、ポイントは小さな成功の積み重ねです。

  • ファストフードを食べないようにする
  • 腹8分目を意識するようにする
  • 野菜から食べる
  • 炭水化物の量を半分にする
  • 1駅分歩くようにする
  • 毎日2キロ走る
  • 体重をはかって記録する

一例ですが、このような行動目標を立てて、毎日実行できたら達成!としたほうが現実的ですし、達成体験を毎日積むことも可能になりそうです。

ビジネス現場で活用する場合

ビジネスの現場でも、営業活動で考えると分かりやすい話です。売上を1年間で1億円を売り上げろってなっても、その道筋が不明瞭だと、なかなかやる気にはなれません。1か月で1000万円を売り上げるといっても、それもまだ明確ではありません。そのために必要な行動レベルまで落とし込み、そのプロセスから達成体験を積むことが大切です。

ここでも、「ステップ・バイ・ステップ法」で考えてみましょう。

  • 営業先候補を10件リストアップする
  • 営業電話を20件する
  • 1日3件訪問する
  • 営業のロールプレイングをする
  • 商品・市場について○分間リサーチや学習をする
  • 新聞やビジネス誌で時事について知る
  • 訪問先にお礼メールや手紙を書く

というような、小さなステップが考えつきますね。

この「ステップ・バイ・ステップ法」は、営業職に限らず、組織や部署の目標からブレークダウンして自分自身の目標を立てる時にも意識したいことです。

  • スキルアップのための学習
  • 自部門や他部門で役立つ情報のリサーチと共有
  • データの変化について調べる
  • 業務報告を行う
  • 業務改善を行う
  • 現場の声・顧客の声を集める
  • スケジュールを確認する

など、この他にも業種や職種によってもさまざまだと思います。

このように、日々の行動レベルにまでブレークダウンすることができれば、できたことを記録していくといったプロセスの「見える化」も容易になります。そうすれば以前にこちらのブログでも掲載した「セルフモニタリング法」により、自分自身の実績も確認することができるようになりますね。

なかなか実行できない行動や、達成できないような目標は、一度そのプロセスをブレークダウンし見直しをすることが必要です。

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

関連記事

執筆者プロフィール

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、マネジメント支援ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に「心理的資本をマネジメントに活かす」(共著)中央経済社,2023年がある。

研究員リスト

  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • Li Zheng
  • 心理的資本研究員
  • 下山美紀
  • 舞田美和
  • 岡本映一
  • 雪丸由香

最近の記事

  1. 【イベントレポート】仕事やキャリアの課題を解決する対話型AI「HERO Me(ヒロミー)」発表会開催!

  2. 【イベントレポート】みずほ関西・共創フェス2024~インパクトビジネスの共創にて

  3. 同僚とのちょっといい話 〜マークさん編〜

TOP