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企業が従業員の安全衛生を考える理由~労災防止とエンゲージメント向上へ

現代では、当たり前のようにある「労災保険制度」。
もちろん労災保険が適用されないことが大前提ですが、企業を経営するうえで、従業員を雇うからには、労災については必ず考えなければならないものです。
では、そもそも労災とはどういうものでしょうか。

そもそも労災保険制度のきっかけになったものとは?

戦前、日本経済の発展と共に、労働者の健康と生活の安定を求める運動が大きくなり始めたことがきっかけのようです。
実は、昨今で労災が多いといわれる、土木業や建築業にこういった保障が適用されるようになったのは、1930年ごろだとか。

労災補償への考え方も、現在の「労災の責任は使用者にある」という考えではなく、労災は労働者の不注意と考えられ、「使用者が労働者を助けてあげている」という思想だったため、適用範囲や保証内容も今とはくらべものにならなかったようです。

その後、1940年代後半になると、こういった思想にも変化があり、他人を雇用して職業を営む人は、雇用された人が被害になったときは保証すべきという考えが浸透し、「労災の責任は使用者にある」という今の思想にならった「労働災害補償保険法」がつくられ1947年に、晴れて労災保険制度が誕生したというわけです。

労災によって課せられるもの

建設現場を例にしてみます。

労災が起きると高額な支払いを命じられる判例が多いといわれる「建設業」、建設業においては元請業者がすべての下請け業者の労災を保証することが義務づけられています。
つまりすべての下請けを労災から守る「安全に配慮する義務」が発生します。

もし、労災が起きてしまったら・・・過去の労災訴訟の判決額を調べると、法的な罰則はもちろんのこと、経済的損失は非常に大きなものになります。
またこれは、大手だけではなく、中小零細企業においても同様に判決が下されるという事実。

労災への対策は?

では、どういった対策がされているのか?

  • 労働基準法や労働安全衛生法などの法令遵守
  • 企業としての安全衛生管理体制の確立。
  • 社内での安全教育の徹底も重要な対策。

こうったことはコンプライアンスとして企業は取り組んでいる(はず)です。

コンプライアンス遵守の最低限のことはもちろんのこと、従業員の健康や日々の行動に潜むリスクを未然にキャッチすることが重要課題ではないでしょうか。

従業員の行動に基づくリスク管理とエンゲージメント

日々の安全確認行動や、体調管理などの安全衛生上必要な行動のチェックを行います。ここまでなら、実施していることも多いかもしれません。

例えば、チェックリストの実施状況から、正しい行動、危険な行動を可視化・データ化。データから危険リスクを洗いだし労災を未然に防ぐことを目指します。そして行動を承認をすることで、モチベーションをUP、従業員の安全に対する意識もUPします。

安全のための行動など実施して当然のことですが、それらを従業員と組織が一体となり、支援し合うこと。
共に成長し貢献しあうことにもつながり、自然と従業員の企業・組織に対するエンゲージメントも高まります。

今後、さらに人材不足の傾向が強まると言われます。いかに従業員の安全・健康を守り、大切にするかということが、結果として労災を防ぐだけではなく従業員の定着化や採用力アップにもつながるのではないでしょうか。

雪丸由香

雪丸由香

Be&Doカスタマー担当。化粧品メーカーでの社内SEを経てBe&Doに参加。 カスタマーサクセス担当として運用のサポートに従事。 滋賀生まれ、京都育ち、大阪在住、韓国と京都が大好き。

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