異例の大型連休を終え、チームのモチベーションは下がっていませんか。
近ごろでは、決まった仕事を決まったメンバーで行うのではなく、期間を決めたチームで仕事をする会社や企業が増えています。プロジェクトごとに人員を入れ替え、部署や所属を越え様々なメンバーを集め、「強いチーム」を作りだすのです。
特定の分野に強い人をただ単に集めただけでは、「強いチーム」にはなりません。チームを動かすとは、そうそう簡単なことではない、みなさん十分にご存知だと思います。では、どうすればプロジェクトを成功に導ける「強いチーム」ができるのでしょうか。
目次
強いチームは「価値」を生み出す
会社では、さまざまな機能を持った部門が相互に連携し、多くの人が関わって仕事をしています。
しかし、固定化された組織だけでは成り立たなくなってきた、と感じることないでしょうか。
プロジェクトごとに必要とされる人員を配置し、流動的にプロジェクトチームを組んで価値を生み出していくといった働き方に注目が集まっています。
場合によっては、初対面の人と仕事をすることになります。チームで仕事を行い、価値を生み出すことは、そう簡単ではありません。ときには価値観の異なるメンバー同士が対立したり、お互いの知識や知恵を合わせて価値を生み出すことができないこともありえます。
必要なことは、お互いの理解や信頼を深め、率直に自身の想いや考えを共有して取り組むこと。
メンバーたちが、お互いの理解や信頼を深め、率直に自身の想いや考えを共有して取り組むことができれば、そのチームからは価値ある仕事が生み出せるでしょう。
メンバーの当事者意識が高まり、自然と新たな創発やアクションを生み出せる組織に進化していく。活力のあるチームづくりが今のビジネスの現場では求められています。
すべての業務を可視化し、メンバーからストレスをなくそう
まず、自走するチームに必要なのは、仕事を共有して標準化することです。
特殊な技術が必要でない限り、誰にでもできるようなマニュアルを作りましょう。専門性の高いものではなく、ひと目見れば進め方が分かるよう、チャートや図形を使い、できる限り簡単な、理解に経験を必要としない「説明書」を作るのです。
プロセスの可視化ができれば、誰かが出張や休みで不在になったって、進捗が滞ることはありません。生産性も高まり、急に休みを取らなくてはいけないときでも、誰かにストレスをかけることもありません。そのため各々の私用での自由が許され、働くモチベーションへとつながるでしょう。
つまり、チーム力を高めるためには、誰が今、何をどうやってしているのかを相互把握することが大切なのです。進捗状況なども同時に考慮し、仕事量を割り振ること、そしてどうすれば仕事に高い価値を与えられるかを考えることが重要です。
上記の仕組みは、一人では作れません。
上司は、部下とのコミュニケーションをとるだけでなく、部下同士のコミュニケーションにも気を配る必要があります。一方的なトップダウン方式では、モチベーションが下がってしまうため、注意が必要です。
個人の得意不得意についての対応は?
社員のスキルは千差万別。メンバー一人ひとりに、得意、不得意が必ずあります。
しかし大事なのは、得意も不得意も、どちらをも認め、いかにチームに組み合わせるかを考えること。
個人プレイでは、弱みは足かせにしかなりません。その弱みを補ってくれる強みをもつ人がいることで、チームは成り立ちます。
自分の弱みと、チームの誰かの強み。そしてチームの誰かの弱みと、自分の強みが合致すれば、補完体制ができあがります。プロジェクトリーダーや上司は、主観的ではなく、メンバーの客観的な強みと弱みを判断が必要です。
具体的な数値や明確な理由を探し、強みと弱みの組み合わせで、プロジェクトの強化をしましょう。
数字に強い人と営業に強い人がマッチングされたら、新しいプロジェクトそのものを創造される…なんてこともあるかもしれません。弱みは克服しなくても、強みをどんどん伸ばしていければいいのです。
得意な人の仕事方法をチーム内で見る。それだけでも、メンバー全員の刺激・成長につながるでしょう。
志・大きな目標といった、ビジョンを共有しよう
そのチームに共通のビジョンがあること。相性や好き嫌いといった個人レベルの壁を乗り越えることができるだけではなく、相手の強みをリスペクトし、活かしながら物事を前に進められます。
また、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
共通のビジョンとは、
- プロジェクトの最終的な目標とは?
- その目標を達成するための手立ては?
- このチームで何をするのか?
などの、全員で理解しておくべき事項です。
大きな数値目標を立てることも大切です。しかし目標は達成不可能レベルなものではなく、順当にこなしていけばクリアできるレベルのものを準備することを忘れてはいけません。
あまりに難易度の高い、見た瞬間に「無理!」と声をあげたくなるような、上層部からの押し付け理想値…は、絶対に課さないことです。無理難題な目標はチーム内のモチベーション低下につながることを理解する必要があります。
強いチームの「仕事の進め方」
まずは、大きな目標を立てる。大きな目標から分解した小さな目標やタスクを進めていきます。
大きな目標に向かって、小さな目標・タスクが消化されていくと、完了したという達成感もありモチベーションが上がります。(チーム内で共有された情報をもとにした修正は必要となります。)
そして、小さな目標・タスク消化が遅れはじめたら、すぐにチーム間でコミュニケーションをはかり、立て直しを行いましょう。
そのときには、
- 目標の方向性にずれがないか?
- トラブルが発生したのか?
- 現状のチーム内で解決できるのか?
などを話す機会をすぐに設け、原因追求よりも、遅れのリカバリーに対してエネルギーを傾けましょう。
チーム内の作業進行については、それぞれの人ごとや、チーム全体でのコミュニケーションをとる機会をあらかじめ設定しておくと、計画的な確認が可能になります。
まとめ:「強いチーム」の作りかたと、まとめ方
どんなに優秀な人でも、たった一人で頑張っても、そうそう大きな仕事はできません。
そうは分かっていても…。過去にチームをまとめるのを失敗した経験がある場合、チーム運営に躊躇してしまうこともあるでしょう。また中には、プロジェクトメンバーに選ばれても、チームで仕事をすることに難色を示す方もいるかもしれません。
「チーム」で仕事をすることは、不慣れなうちは難しいものです。しかし、相互理解が進み、メンバーの意識が噛み合い始めれば、仕事の価値は今まで以上のスピードで上がっていくでしょう。
強いチームを目指す。相性や好き嫌いといった「人レベル」の壁にとらわれることなく、相手の強みをリスペクトし、活かしながら各個人の能力を複合的に組み合わせることを考えてみる必要があります。その取り組みは、はじめは大変かも知れません。しかし確実に物事を前に進め、仕事の価値を高めます。
メンバー同士でチームを作る・回す経験を積む。どんなメンバーと組んでも自分と相手の強みを引き出せるようなメンバーが育つ。
真に仕事力の高い自発的な「強いチーム」が、社内にたくさん生まれていることでしょう!