小さなころから「目標を持って頑張りなさい」と言われてきた方は多いのではないでしょうか。社会に出た後でも目標を決めて動くことは非常に重要です。
しかし、形骸化された意味のない目標設定は、いわば「言われているからやっているもの」という義務でしかありません。そこにモチベーションは生まれるのでしょうか。
正しく目標設定を行った上で企業活動を行えば、会社のために頑張りたいという社員ひとり一人の気持ちの芽生えにもつながるのです。
今回は、働くなら知っておきたい目標設定の重要性について徹底的に解説いたします。
目次
企業が知っておきたい目標設定の重要性
目標設定とは、目的に対して成し遂げていきたい内容を定める指標を指します。企業活動をする上で目標設定は非常に重要です。
「毎日モチベーションが上がらない…」
「上司から言われたことばかりで働きがいがない…」
このように感じている社員の多くは、この目標設定が適切に組まれていないことがほとんど。しっかりと目標を落とし込んであげることで、社員の「仕事をやらされている感」が解消されます。
目標設定がなぜ重要なのか、企業と個人双方の立場から考えてみましょう。
企業が目標設定を行うのはなぜ
企業が目標設定を行う重要性は次のとおりです。
- コミュニケーション・ツールとして活用できる
- 進捗状況が把握しやすくなる
- 企業成果がより具体的になる
まず目標設定はコミュニケーションの役割を果たすものです。進捗を確認するための時間を設けたり目標を共有したりする中で、上司と部下との間で意見公開・情報の共有がしやすくなります。
また目標を決めればゴールが明確になり「今どのあたりの進捗なのか?」がわかりやすくなります。
進み具合がはっきりするため、直面する課題に対しても柔軟に対応できます。
「進捗が遅れている…どうしよう」という部下の困りごとに対してもリカバリーが可能です。
そして目標設定により企業成果がより具体的にわかります。
社員の営業や取り組みが成果に対してどのような影響を与えたのかが分かれば、適切な評価やフィードバックを行いやすくなるでしょう。
その中で個人が目標設定を行う理由とは
一方で、個人が目標設定を行う重要性は次のとおりです。
- 仕事へのモチベーションが上がる
- 時間的・作業的効率が向上する
- キャリアパスが明確になる
目標設定をすれば日々のモチベーションが向上し、達成感を得られます。
そして業務が明確化され「次はこうしよう」と考えながら仕事を進められるのです。
また目標設定により業務計画が立てやすくなります。
優先順位が可視化され、場当たり的に仕事を進めるよりも時間的・作業的な面で効率が向上するのがメリットです。
そして自分のキャリアパスが明確になります。理想に向けての必要な順序や道筋が見えていくのがメリットです。
会社が知っておきたい目標設定のコツ
会社が目標設定を考える際は、以下のコツをおさえましょう。
- 目標は与えるのではなく各個人に考えさせる
- 目標を明確にし、具体的な設定を行う
- 評価をセットで行う
目標!と聞くと「企業が個人へ与えるもの」というイメージがありますが、これは厳密には誤りかもしれません。
たしかに会社自身も「利益を生み出して成長を続ける」という最終的な目標があります。
しかし、会社が「〇〇の売上を達成しましょう!」と言うだけでは、個人のモチベーションにはつながらないのです。
そのため企業の目標を掲げた上で、各部門から個人にまでしっかり落とし込むこと。
各自がその目標についてどのように働きかけるかを考えられるような仕組みづくりが必要です。
また目標を掲げる以上は具体的な設定を行いましょう。
「抽象的なやんわり設定」ではやらされている感に終わってしまい、形骸化された取組として終わってしまうからです。
部門ごとの目標を明確にし、適切な時間や期限を設けて取り組みがいのある目標設定を行いましょう。
そして目標設定と評価は必ずセットで、達成度を測り振り返り(フィードバック)するようにしましょう。
評価をする際は短いスパンで進捗を確認することが何よりも大切です。
期末の面談にまとめて…ではなく方向転換が必要であれば、その都度アドバイスや軌道修正が必要になります。
個人が目標設定するときのコツ
目標設定は個人の設定がとても重要です。
個人の目標設定は以下のコツをおさえましょう。
- 短期的・長期的な目標を立てる
- 現状を可視化して進捗度を把握する
- 定期的に振り返る
個人は「将来は〇〇にチャレンジしたい!」という長期的な目標設定を立てながら、すぐに行動に移せるものや達成感を感じられる短期的な目標を設定しましょう。
長期的な目標の中に実行しやすい短期的目標を含めることで、モチベーションを落とすことなく仕事ができるからです。
目標設定は個人の設定がとても重要です。
個人の目標設定は以下のコツをおさえましょう。
- 短期的・長期的な目標を立てる
- 現状を可視化して進捗度を把握する
- 定期的に振り返る
個人は「将来は〇〇にチャレンジしたい!」という長期的な目標設定を立てながら、すぐに行動に移せるものや達成感を感じられる短期的な目標を設定しましょう。
長期的な目標の中に実行しやすい短期的目標を含めることで、モチベーションを落とすことなく仕事ができるからです。
目標設定のポイントは動機づけと仕組づくり!
企業が「よし!目標設定を社内でしっかりやっていこう」と思っていても、社員が目標設定をする重要性を理解していなければ浸透しづらさがあります。
実際に「目標設定は意味がない」「時間の無駄」とグチをこぼす社員がいるのではないでしょうか。
彼らに対しては「目標設定する重要性を伝える仕組づくり」を行うことが有効です。
例えば1on1ミーティングやリアルタイムフィードバックなど目標に対する達成をサポートできる仕組みです。その中で社員ひとり一人が「自分がどうなりたいのか」と考える動機づけができます。
目標設定で重要なのは、企業と社員が同じ方向に向かって動くことです。
形として目標が見えてくると、社員はやりがいや達成感を感じることができ企業に対して足並みを揃えるようになります。
「とりあえず目標設定しました」という形だけのなんちゃって目標設定は、社員にも見透かされてしまい、全く意味がありません。
そのため目標設定は個人任せにするのではなく、「成果に繋げるために必要な取組だからやってみてね」と伝えて、ともに進めていくべき課題の一つなのです。
目標設定は個人と企業の絆を深める共同作業!
これから必要とされる目標設定とは、社員の働きがい向上やコミュニケーション・ツールとしての機能を果たす「意味のある目標設定」が重要です。
そして社員に目標設定を丸投げせず、組織全体で共有しましょう。
目標サイクル、面談方法、ITの活用、教育、人事評価といった枠組みを共に考え、形骸化しない仕組みづくりが重要です。
目標設定は、いわば個人と企業の絆を深める共同作業です。
目標設定を通じて双方の距離が縮まれば、社員はモチベーションを維持しながら目標に向けていきいきと働いてくれることでしょう。