先日、加護野忠男先生(甲南大学特別客員教授/神戸大学名誉教授)とお話をする機会があり、「従業員の健康は経営の重要なテーマやったのが、今は経営学から健康が離れてしまった」とおっしゃっていました。
加護野先生がおっしゃったのは、かの有名なホーソン実験。1927年にシカゴのウェスタン・エレクトロニック社のホーソン工場で科学的管理法を用い、生産性のいっそうの向上をはかるために、いかにすればよいかを目的におこなわれ、その結果は、「職場の物理的な環境条件ではなく、人間関係が生産性に影響する」ということを突き止めた有名な実験です。
その中には、休憩時間の導入、労働時間の変更などの実験もありました。
当初は、休憩を入れる、労働時間を短くするなどの条件の変化にともなって生産性はあがっていきました。ところが、その後、労働条件を元に戻しても、生産性の低下は見られなかったのです。
このことから、労働時間が少ないと疲労が減り、能率が上がるという単純なものではないということがわかりました。
ホーソン実験では、自主性や信頼関係など、人間関係や動機付けが生産性に影響することがわかったのです。
短時間勤務だから、疲労が少ないというわけではないのですね。それよりも個人の自発的な仕事の進め方とそれを承認する互いの人間関係こそが高い生産性を生むのです。
疲弊する時代
今の経営は合理性と強制的な時間管理で、ゆとりがまったくありません。おまけにITの高度化で隣の席の人と声も交わさない業務環境になっています。
経営と健康を考えていくことは、真の生産性向上につながるはず。
Google の 20% ルール
有名な、googleの20%ルール。
20%ルールとは、自分の業務時間の20%までは、本来の担当ではない仕事に使うことができる制度です。gmailなどヒットしているサービスなどがこの制度から生まれたというのは有名な話ですね。
自発的に楽しいことをしていれば、メンタルヘルスの病気にはなかなかなりません。やらされ感や強い義務感が継続的なストレスになり、ストレスで血圧、内分泌の異常などから心身の疲労、免疫力低下に陥ります。ストレスで摂食障害になり、メタボや拒食症などの健康面にも大きく関連してくるのです。
健康と経営を考えることは、イキイキとした職場づくり
このホーソン実験や、Googleの20%ルールが示すように、管理職の方は社員一人一人に目を向けること、人間関係を良好に保つことを心掛け、社員のモチベーションを高く保つことにも注意を払うことを意識してほしいと思います。
行動変容を研究し、ゲーミフィケーションも取り入れ、社員1人1人の状況が可視化できる、「Habi*do」なら、実現できます。