コラム

「ネバネバ」に囚われている間は”本来”のリーダーになれないかも。

一兵卒だった時は、自分の仕事、自分の成果に注力すれば良かったのに、年次を重ねてくると、チームをまとめる役割を期待されます。管理職という役職がつくとなおさらチームの業績、メンバーの育成と管理が役割の中心となってきます。

管理職の悩みは、「チームとしての業績を上げること」と「メンバーのマネジメント」の両輪をどう回すか、です。新任管理職になったときはその戸惑いはより一層強く感じるもの。多くの場合、そこで気負ってしまい、失敗します。その気負いの原因は「ネバネバ」にあるのではないでしょうか。

管理職に起こりがちな「ネバ」の例として・・・

  1. 「なによりも結果を出さネバならない」
  2. 「部下の業績管理をせネバならない。」
  3. 「部下とは一線を引かネバならない」
  4. 「侮られないようにせネバならない」
  5. 「部下のモチベーションを高める支援をせネバならない」
  6. 「部下から信頼されネバならない」
  7. 「評価せネバならない」
  8. 「強くあらネバならない」etc.

このネバ、管理職として求められていることではありますが、結構矛盾している事柄も多く、ネバが強すぎると自己矛盾をおこしてしまいそうですね。その自己矛盾が管理職者自身を苦しめ、部下とギクシャクした関係の原因にもなってしまいます。

かくいう私も、初めて部下を持った時、「マネージャーはこうあらネバ」に捕らわれて、あるときは厳しく接しすぎて部下にストレスを与えすぎたり、反対に気を使いすぎて部下のわがままに振り回されたりと痛いめにあってきました。

ネバネバ意識は管理職として、またチームのリーダーとして成長するために避けては通れない成長痛のようなものかもしれませんが、もし、今、うまくまわっていないなと感じているのなら、一度ネバを脱ぎ捨てて、素直な自分に向きあってみてはどうでしょう。

オーセンティックリーダーシップを意識してみる

オーセンティックリーダーシップという考え方があります。オーセンティックとは、「本来の」という意味であり、「自分らしさのリーダーシップ」を意味します。
自分自身の強みを活かすのはもちろん、弱みも認めることで、部下やメンバーと協調するリーダーシップです。

さっきの例の「ネバ」を脱ぎ捨てて捉え直してみましょう。

  1. 「なによりも結果を出すには、どうやっていけばいいだろう
  2. 「部下の業績管理を負担なくやる方法を考えたい」
  3. 「部下との一線は上下関係ではなく、役割の違いなので、相互理解をすすめないと」
  4. 「侮られることを恐れるより、わからないことは素直にいおう」
  5. 「部下のモチベーションは高めるものではなく高くなる場づくりを考えよう」
  6. 「部下から相談が来やすいようにしていこう」
  7. 「日頃のコミュニケーションが評価の納得性になる」
  8. 「時には弱みも表すことで肩の力を抜こう」etc.

どうでしょうか?!矛盾する管理職の役割ですが、ネバを抜くと上手く調整が取れそうですよね。
昔のように上司が答えを持つ時代ではなくなりました。メンバーの力をうまく引き出し、本人もストレスなくリーダーシップが発揮できるようになると、いろいろとうまくまわりだすものです。

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石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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執筆者プロフィール

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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