山積みの資料、積み上げられた段ボール、どこになにが入っているか分からないキャビネット。
こういったオフィスでは仕事におけるミスが発生しやすいと考えられます。事務処理の合理化、省力化、情報システム化を進めることも難しくなってくるでしょう。
バックヤードや倉庫が散らかっている。
お客様や取引先に見えていないところとはいえ、物を探す余計な時間がかかったり作業の滞りにつながることもあるでしょう。
製造の現場、研究機関、店舗、オフィス・・・どの職場においても、ミスや無駄が無く質の高い仕事の維持のためには、職場環境が整っていることが重要です。
働き方改革。そもそも残業時間を減らすことが本来の目的ではないはずです。実際の必要な作業は残業時間を減らしただけで減るわけではない、そうであれば効率をいかに上げていくか、が問題となります。事務所や現場、職場の環境を整える、これらも働き方改革を実現する要因の一つであるといえるのではないでしょうか。
目次
5Sの励行で効率化を目指す
5S 活動(運動)とは,「整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清潔(Seiketu)・清掃(Seisou)・躾(Situke)」という各項目の頭文字をとって名付けられた標語です。
◆ 整理 いるものといらないものを分け、いらないものは処分する。
→ 作業効率があがります。
◆ 整頓 いるものを使いやすく、わかりやすく収納する。
→ ムダな時間が減り、生産性も向上します。
◆ 清潔 汚れを取り除いて身の回りをきれいにする。
→ サービス、製品の品質向上が図られます。
◆ 清掃 机回りなどの汚れやゴミを除去する。
→ 機械設備の機能維持、転倒災害の危険も減ります。
◆ 躾(習慣化) 決められたことをきちんと守る。
→ 繰り返しで、意識しないでも自然に衛生な行動ができるようになります。
5Sが不良の職場では
整理整頓が行われていない職場では、働く人の効率が悪くなるだけではなく、地震発生時の備品等の落下や書類の崩落、出火など、防災上でもリスクがあると考えられます。
・いらないものがあるとムダな動きにつながる
・収納が悪いとムダな時間が発生する
・清掃しないと、備品等の故障、転倒の危険につながる
・きれいでないと生産性の低下、信用喪失につながる
効率の低下だけにとどまらず労働災害にもつながりかねません。
5Sを実践して効率的なオフィスを目指す
作業場、事務所、倉庫。どれにおいてもその場所自体にコストが掛かっています。無駄な物を取っておく必要はありません。
倉庫業において物流改善が求められる際、スペースの効率化が推し進められます。場所を借りる・維持することを考えれば単純に狭いほうが安いですし、同じ広さならばより多くの業務を取り込むことがコストダウンに繋がります。また、人の行き来する通路を確保するために作業スペースの改善を行って効率を上げることの実践も必要となります。
倉庫業だけに限らずこれはどの職場においても同様に言えることなのです。いるもの・いらないものをきちんと区別し不要なものは捨てる。単純なことのように感じられますが、「面倒」であるとか「今までの担当者もこうだったから」とそのままにされていることが多いのではないでしょうか。それらを見直していくことが、効率的なオフィス環境を構築の一歩につながります。
また、動線の見直しも、効率的に仕事をするのに役立ちます。来社した顧客や取引先からどのように見えているのか、すぐに声を掛けられる状態なのか、社外秘の書類等が目に入らないようになっているのか、こういった視点をもって環境を整備していくことも大切です。
デスクの上が乱雑になっていては、必要な情報をすぐに取り出すことが難しくなります。お客様のところに訪問、問い合わせの電話に出るたびに、書類がデスクの上に積み重なっていく。案件ごとに分かれていたはずが、入り交じり、結果として紛失につながってしまう。こういったことを防ぐためには保管方法もルール化しておく必要があるでしょう。
5Sを習慣化させる
5S活動を維持・継続し、5Sの最後にある躾を成功するためのポイントは「習慣化」です。
本来の業務の効率化につながるとわかっていても、必要だとわかっていても、いつの間にか行動止まり、以前と変わらない状態へ戻ってしまう・・・これでは効率化実現はかないません。
5S活動をいかにして習慣づけするかがポイントとなってきます。
日々の5S活動。やるべき行動をやったのかやっていないかが曖昧だと習慣づけすることが難しくなります。
そのために、行動を見える化・仕組み化していくことが大切です。
おすすめは5S活動のチェック表を作成し職場のメンバーが見えるところに貼り、チェックしていくことです。
まず、各々で日々の5S活動の行動を決めます。
・業務を始める前にデスクを掃除
・お昼休み、終業後にゴミ箱のゴミを片付ける
・デスクの上にはパソコンと電話のみで帰る
等々、日々行動として実現可能なものにします。(簡単な行動であるほど習慣化はしやすくなります。)
行動を決めたらチェックシートを作成して、壁に貼り職場の仲間全員で毎日チェックします。
意識することができる
文字として何度も見ることで、自然と意識できるようになります。
とても簡単な仕組みですが、壁に貼ることで目に見える、意識する機会を作り出します。
周囲と協力できる
一緒に目標に向かって行動を続ける、そういった仲間がいること。また、目標達成に向けてお互いに励まし合ったり、相手がやっていることに刺激をうけることは、自然と行動につながっていきます。
振り返ることができる
表にチェックしていくことで、どのぐらい継続できているのか、数としての把握ができます。チェックリストが1枚2枚と変わるごとに、自身の行動継続を実感でき、職場環境の整備へつながっていることも実感できるでしょう。「記録」することが重要です。
まとめ
働き方改革。新たなツールの導入、働きやすさの柔軟さ、様々な課題や取り組みがありお困りの経営者様、担当者様も多いかと思います。
働きやすい職場環境の整備。改めてここから取り組んでみてはいかがでしょうか。