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店舗スタッフの満足度向上・定着率向上、そして売上向上を実現する良事例

2017年1月から本格運用が始まった「おもてなし規格認証制度」。
おもてなし規格認証は、サービスを提供するすべての事業者にとって、高品質なサービスの提供・維持・向上を促し、より高い生産性を実現するための、共通化された枠組みです。
町田を中心に、車で30分圏内にカフェや居酒屋、焼肉店など多業態を展開している株式会社キープウィル・ダイニングさんも認証取得企業に名を連ねています。

「みんなで」「緩やかな競争」による成果~高い定着率の維持~

古い記事ですが、キープ・ウィルダイニングさんの店員定着などへの成果が紹介されています。

醒めていると言われる今どきの若者のやる気をどう引き出すか。アルバイトなどスタッフの定着率が低い居酒屋にとっては特に切実な問題だ。そんななか、スタッフにスポットライトを当てる舞台を用意し、コンテスト方式で上位店を表彰している新興の居酒屋店がある。減点なしのチーム戦という「緩やかな競争」が、やる気と結束力をかき立てる。
(引用元:2013年2月22日 日経流通新聞)

キープ・ウィルダイニングさんでは、キープウィルアワードを1年に1度開催。社員やアルバイトが全員参加で一年間の成果を発表し表彰を受けるそうです。
このキープウィルアワードは、ゲーム要素を良いかたちでうまく取り入れていらっしゃいます。

表彰されるのは4パターン。

1.店舗サービスを競うもの
2.清潔さを競うもの
3.覆面調査のポイントを競うもの
4.個人サービスを競う“一番輝いていたスタッフ”

「みんなで楽しめる緩やかな競争なら、がぜん燃えるのが最近の若い世代」と保志社長が述べられています。これらは全て、1人だけでは上位優秀店には入ることができません。重要なのは「みんなで」「緩やかな競争」というところ。

ある店長さんのコメントでも、「バイトの人たちと一致団結して清掃に取り組んできた成果が表れた」と。社員だけではなくアルバイトの人たちも巻き込んでチーム戦を行っていることがよく分かります。

ここまでされている理由は「リピーターを増やす」ため。
同社の店舗立地は交通の便が悪いところばかりらしく、リピーターを増やさない限り将来が見えない。アルバイトのモチベーションを高め、能力を正社員と変わらない水準に引き上げることに苦労を続けてきたそうです。
マーケティング課題からの人材育成なのです。

他にも

  • マネジメントチャンピオンシップ:各店が競争し、切磋琢磨しながらマネジメントスキルが磨く。
  • 全員参加行なう社員旅行:目一杯みんなで飲んで楽しむ。
  • サンクスDAY:社長と役員が全スタッフに日頃の会社を伝える、おもてなしイベント。

こういった従業員が仕事に対して会社・お店に対して誇りを感じるためにたくさんのしかけを会社がつくり出しています。

厚生労働省が発表した『新規大学卒業就業者の産業別離職状況』によると、「宿泊業、飲食サービス業」の1年以内離職率は20.1%。3年以内の離職率はなんと50.2%にも上ります。
そんな中でキープ・ウィルダイニングさんの社員定着率96%。そして全店黒字経営。素晴らしい成果です!

従業員満足度を高める~ゲーミフィケーションを上手に取り入れる~

キープ・ウィルダイニングさん以外にも類似した表彰制度を用いて成果を上げている企業はあるそうです。
その中で一家ダイニングプロジェクトの武長社長が分かりやすい表現でまとめていますが、「下位だからといって減給にしたら今の若い世代は動かない。仲間と冒険する漫画のワンピースのように、みんな一緒だと互いの欠点を補って力を発揮する。」と。

ポイントまとめ
ポイント1:減点なしの加点方式。
ポイント2:下位の店舗の発奮を促すよりも、優秀店だけをたたえるみんなと一緒のチーム戦により互いに補い合う。

いまどきの若いスタッフ活用術として紹介されていましたが、加点評価であることによるモチベーション向上と、メンバーシップにより現場のチーム力を高めるという話は、世代や業界に関わらず、とても重要な要素ではないでしょうか。
「自発的にやろう、本当にやりたい」といった気持ちに自然に促してくれます。

遊びや競争など、人を楽しませて熱中させるゲームの要素を、ゲームが本来の目的ではないサービスやシステムに応用し、ユーザーのモチベーションやロイヤルティーの向上に導くゲーミフィケーション。
従業員満足度を高める必要が生じてきている現在。
ゲーミフィケーションをうまく取り入れて組織活性化とマーケティング、人材育成につなげている良い事例です。

 

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