コラム

子守とテレワークの両立は、Optimism(柔軟な楽観力)が試される究極の場である

完全なる私事ですが、我が家の長男(5歳)と長女(3歳)が発熱し、月~金の1週間、私は在宅勤務を余儀なくされました。共働きの妻がコロナ禍の子守で有給休暇の残日数がわずかになり、テレワーク制度がある私ができるだけ子守を引き受ける形となっているのが、今の現状です。

もう何度目だろうか。度々経験してきたこの子守テレワークWeekを経て、今回私は感じました。子守テレワークとは、心理的資本を構成する4要素「HERO」の内の一つ、「Optimism(柔軟な楽観力)の力が試される究極の場である」ということを。パフォーマンス発揮のための心理面の試行錯誤を、コラムに書き記します。

子守テレワークはめちゃくちゃしんどい

まず声を大にして言わせてください。子守テレワークはめちゃくちゃしんどいです。前提として、子ども達は基本的に「元気」です(もちろん、症状によりますので、一概には言えませんが)。眠ることはあるけれども、発熱したって、遊びたい。「見て、これ作ったで。すごい?」「ハサミがない。どこ行った?」「(TV録画を見ていて)CM飛ばしてよ~」etc…。仕事をしている私の注意を引きたいという気持ちで、普段以上に私に話しかけてきます。ちなみに、この文章を書いている今まさに娘に話しかけられ、「お父さん、今お仕事だよ?」と優しく返答すると、娘は「おとうちゃん、いちご??あっはっはっは~」と返されました(笑)。何がおもろいねん(コワイ)。正直、未熟な私はストレスがかなり溜まっております。

しかし悲しいかな。子ども達への対応を疎かにし、機嫌を損ねると、火に油を注ぐ結果となります。やはり体調は悪いので、いつも以上に怒ったり、泣いたりしちゃいます。兄弟げんかが勃発します。寂しくなったら、30分に1回のペースで「ママは何時に帰ってくる?」と聞かれます。だから、頑張れ私。頑張れ今日も。イライラしたってしょうがないのです。

自分のマインドを適切にコントロールするしかない

ポジティブシンキングとネガティブシンキング

そう、本当は頭では理解しているのです。私が成すべきは、自分のマインドを適切にコントロールすること。適切な行動をとること。そして、子ども達をハッピーに。自分の生産性もできるだけキープする。これしかありません。

でも、どうすればいいのだろう??そこで役立つのが、Optimismの思考法です。Optimismは、「現実的で柔軟な楽観力」のことをいいます。つまり、単に「なんとかなる」と楽観視するのではなく、自分の思考を工夫することで、自分のパフォーマンス発揮を促すことができる、そのような”スキル”のことです。

Optimismの思考法には、フレームワークがあります。以下の3つです。

❶過去への寛大(過去の出来事への寛容で前向きな意味付け)
❷現在への感謝(現在の自身の状況を肯定的に捉え物事に感謝する)
❸将来への機会探索(未来をさらに良くするための機会を探す思考)

このフレームワークに則って、今の私の思考整理を試みたいと思います。

過去への寛大(過去の出来事への寛容で前向きな意味付け)

過去への寛大を実践する上でのポイントは、過去の出来事に対して、良い結果であっても、悪い結果であっても、
・自分がコントロールできたと思うこと
・自分ではコントロールができない自分以外の要因だと思うこと
を事実として検討し、内省(前向きに振り返り)をすることです。

私は正直、この子守テレワークの状況に焦っていました。いや、正直に言うと今も焦っています。今日も仕事が進まなかった。やりたいことができていない。メンバーに申し訳ない。色々ネガティブな気持ちが浮かびます。ただ、そう思ったところで、今の現状を変えられるのか?コントロールできるのか?答えは明白です。変えられません。何度も反芻してネガネガになったとて、何も現状は変わらないのです。だから、今を受け入れるしかありません。冷静に考えて、出社時のように、仕事にフル集中できる訳がありません。そこを目指しても、余計に現実とのギャップを感じ、しんどくなるだけです。

いっそのこと捉え方を変えて、「看病している中でも、仕事を1つ進めることができた。」と開き直るのが良いです。難しいけれども。でもそう思うことが、結果として、自分の今できるベストのパフォーマンスを発揮することに繋がるのでしょう。

現在への感謝(現在の自身の状況を肯定的に捉え物事に感謝する)

現状への感謝とは、自分が置かれている現状に感謝し、物事の良い側面を見ることや、うまくいっていることに注目する思考を言います。

イライラ、あるいはネガネガに陥ってしまいそうな私ですが、冷静に考えて見ると、今私がテレワークで働くことができていること自体が、めちゃくちゃありがたいことではないでしょうか?そもそも、テレワークの制度があることがありがたい。制度がなければ、仕事を休むしか方法がありませんでした。さらに、この1週間は子守状態であること(=通常より生産性が落ちること)を会社に受け入れてもらっていて、私は今仕事ができている。このように、感謝の気持ちを持てていれば、もっと穏やかな気持ちで子どもにも対応できるし、仕事にも落ち着いて取り組める気が、しないでもありません。何をいらだっているんだ、私。感謝せい!私。何事も捉え方次第。今しんどくても、物の見方を捉え直すことを意識すれば、少しだけ前向きになれます。

将来への機会探索(未来をさらに良くするための機会を探す思考)

将来への機会探索とは、現在地が目指している目的地の途中だと考えることで、これから起こり得る出来事をチャンスとして捉える思考をいいます。確かに、「ピンチはチャンス」と言うけれども、仮の話ですが、この子守テレワークWeek真っ只中に、妻から「これはチャンスだよ」と言われたら、間違いなく腹が立つと私は思います(笑)。しかし、前向きに仕事に取り組むためにも、考え方を工夫して、チャンスに変えることができたならばこの上なし!

さて、私にとって、子守テレワークをチャンスに変えるには、何をどうすればいいだろうか。そこで思い立ちました!この状況をブログにしようと。私のミッションであり実現したいWillは、「HEROのフレームワークを駆使して、イキイキと前向きに仕事に取組む人を増やしたい。そして、それが成果に繋がるような好循環を生み出す。」ことです。子守テレワークWeekはしんどかったけれども、裏を返せばネタの宝庫です。自分でもびっくりするくらい、筆が進みました。今週、今コラムを書いているのが金曜日現在ですが、週末にしてようやく集中した時間を作ることができています(笑)。

まとめ:HEROのフレームワークが働く私(あなた)を救う

瞬間的に気持ちを切り替えるのは難しいけれども、フレームワーク(考え方)を知っていれば、自分が前向きな気持ちを持つためのセルフマネジメントに役立つと、今週改めて実感した次第です。正直、特効薬として効果を発揮するのは簡単ではないかも知れません。特にこの、「Optimism(柔軟な楽観力)の力は、思考習慣の力でもあります。まずは、フレームワークを知ること。そして、実践し続けること。繰り返すことで、自分の心のしなやかさが強化されることでしょう。

もちろん、部下に対するマネジメントでも同様です。過剰な自責思考で追い込んでしまっては、部下が本来のパフォーマンスを発揮できないことはもちろん、離職にも繋がりかねません。以前、このテーマでコラムを書きましたので、思い当たる方、よければご覧ください。

さいごに、「HERO」のフレームワークを学び、実際の職場で実践するスキルを磨くことができる「PsyCap Master(サイキャップマスター/心理的資本開発指導士)認定講座」を、月一回のペースで開講中です。詳細は、以下のウェブページをチェックしてください。

PsyCap Master®(サイキャップマスター)認定講座

以上、私事な内容のコラムとなり恐縮ですが、最後までお読みいただきありがとうございました!私のモヤモヤを、少し成仏させることができた気がします。

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

関連記事

執筆者プロフィール

赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

研究員リスト

  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • Li Zheng
  • 心理的資本研究員
  • 下山美紀
  • 舞田美和
  • 岡本映一
  • 雪丸由香

最近の記事

  1. 【イベントレポート】仕事やキャリアの課題を解決する対話型AI「HERO Me(ヒロミー)」発表会開催!

  2. 【イベントレポート】みずほ関西・共創フェス2024~インパクトビジネスの共創にて

  3. 同僚とのちょっといい話 〜マークさん編〜

TOP