時代や環境の変化によって、求められる組織の形、そして求められる人材やリーダーシップの形も変化しています。
これまで日本のビジネスをリードしてきたのは下図の左側のような組織でした。安定的な成長がある程度約束された環境であったため、厳密な指揮命令系統の下で、失敗のないように統率すれば成果が出ていました。経営層や上司が正解を持ち合わせていたとも言えます。
しかし、不安定で不確実性が高い環境下で、企業が競争力を保ち続けるために、右側のような組織へと多くの企業が舵を切っています。経営層や上司が必ず正解を知っているわけではないため、現場に権限を移し、ボトムアップで提案やアイデアが生まれるような組織体制をとります。拠りどころとなる組織のパーパス浸透に重きを置き、多様性を活かす組織へと変革を進めています。
目次
求められる人材とリーダーシップの変化
組織が変われば、自然と求められる人材やリーダーシップの形も変化します。
これまで優秀だと評価されていたのは、決まったレールの上を歩き、上層部から与えられたKPIをきっちりこなす人材ではないでしょうか。また、成果を出すためにメンバーを強力に牽引する先導型のリーダーシップであるべきと考えてられてきました。
もちろんきっちりKPIをこなす人材は組織にとって不可欠ですし、先導型のリーダーシップも一つの個性ではあります。
しかし、こうすれば解決できるという決まり切った正解のない時代や環境において、新しい価値を生み出そうとするときに必要なのは、どういう人材でどんなリーダシップでしょうか?
それは、道なき道を切り拓くことができる。困難にも自分の想いを持って挑戦できる人材です。また、こうあるべきという固定的なリーダーシップ像は捨て、自分の強みや弱みをしっかりと知ったうえで自分らしいリーダーシップを発揮することが求められます。
メンバー一人ひとりが自律して行動し、失敗から学習しながら次の一手を導き出していくことを支援できるかどうかが、成果を左右するのです。
このような人材を育成し、自分らしいリーダーシップの発揮ができるように支援するために、企業としてできることを考えてみましょう。
道なき道を切り拓き、困難にも自分の想いを持って挑戦する人材を育成するためには?
- 自分はどうありたいのか?何を成し遂げたいのか?組織から与えられるMustではなく、自分の内なるWillに気づく
- Willと組織のミッション・ビジョン・バリューやパーパスとの重なりやつながりに気づく
- 自分の強みやリソースを理解して、活用できるようにする
- 目標を達成するための道筋や手段を柔軟に描き、行動を継続する
これらを実践することが、自分らしいリーダーシップを発揮していく上でも必要です。しかし、実践は言うほど簡単ではありません。
「自律型人材の育成やキャリア自律を促すために、自己申告の仕掛けの整備やキャリアについて考える機会提供をしているけど、結局紙になんとなくアウトプットして終わりになってしまっている。」
「管理職層には毎年何かしらリーダーとして役立つ知識や考え方、スキルなどの研修を実施しているけど、行動が変わるところまで肚落ちしている人はごくわずかしかいない。」
というお声を経営者や人材開発のご担当者の方からお伺いします。
何故、いまひとつ上手くいかないのでしょうか。理由は様々にあるかと思いますが、大きな要因として「個別性への対応」が挙げられます。
自分のWillや組織のパーパスとの関連に気づくには、短時間で考えて終わりではなく、考えたことや感じたことをアウトプットして、良質なフィードバックを受けて、内省を深める。この繰り返しが鍵となります。
また、強みやリソースを理解するには、他者から別の視点を提供されることで、思い込みや制限が外れ、一人で考えていては気づけなかったことに気づくことができます。
そして、実際の現場での強みを発揮し、行動を変え、自分を成長させるには、日々のふりかえりと周囲からの励ましが効果的です。
いずれも個別性が高く、中長期的な目線で考えてこそです。企業側からの支援としては、一人ひとりの状況に応じた定期的なフィードバックと伴走が必要となります。
一般論を見聞きするだけでは、学びは深まらず、行動変容を生むこともかなり難しいでしょう。
6ヶ月の個別伴走型の支援で見えた成果
当社が提供する人材のリーダーシップ開発・キャリア自律支援を行うマンツーマンのコーチング型サービス「CG1(旧サービス名:CareerGoals1on1)」を受講されたKさんからは、一般論で終わってしまう今までの研修との違いについてご感想をいただきました。Kさんはプログラムの中で自分なりのリーダー像に気づき、大きな変化と成果を得られています。
Kさんインタビュー時のコメントから抜粋「前任者はぐいぐい引っ張っていってくれる、そういうリーダーシップを持っている人だったんです。だけどそれはその方のやり方であって、私が同じようにする必要はないんだって考えられるようになりました。私は私のやり方で、みんなに助けられながら前に進むスタイルでいいんだって開き直れるようになりました。」
インタビュー記事全文はこちらからご覧いただけます。
これからの時代や環境において求められる人材を育成する施策を検討される際には、「個別性への対応」「伴走支援」を念頭に置いていただくことが必須となりそうです。
CG1のサービス説明会は定期的に開催中です!お気軽にご参加ください。