叱れない上司(1)心の絆を感じる人間関係は営業成績を上げる の続きです。
叱れない上司という問題を改善するには、「自分のマネジメントスタイルを確立」をすることがおすすめです。
自分のマネジメントスタイルとは、もっとも自分らしいムリのない思考行動パターンや意思決定の傾向を自覚。そのスタイルを貫くことだと思います。
自分のマネジメントスタイルが確立されることで、自分の行動や発言がぶれにくくなります。
また、自分の得意不得意を踏まえて、メンバーとの協働や仕事の割り振りができます。
行動性向を知る
以前私が関わった調査。自分の思考行動パターンを生かした行動をとれば営業成績があがり、本来の自分と異なった思考行動をとると営業成績が悪いという結果が出ました。
攻め型のタイプの人は相手をリードする話法や少し機をてらった企画提案をするほうが顧客の受けがよい。
反対に攻め型なのに相手の話をじっくり聞いて丁寧に応対しようとするとうまくいかないというような具合です。
顧客にもアンケートをとったところ、自分のタイプとは異なる手法でアプローチをされた場合、どこか気持ち悪い印象を持つということでした。
自分のマネジメントスタイルを確立するには、自分の考え方に軸を持つことが大切です。
軸を持つということは、「自分は何をなしえたいのか」という目的をはっきり持ち、それを周囲に示すことです。
この軸が明確であれば、手法は朝令暮改であってもかまいません。そして軸を持って部下と話をすれば、論点が明確になり、また叱らなければならないような事態であっても、「なぜ叱るのか」が伝わりやすくなります。
叱れない理由の大半は、「自分は何をなしえたいのか」という思いではなく、「それはウチの会社にとってまずいでしょ」だけが叱る軸になっているからではないでしょうか。
実際「自分が何をなしたいのか」などと考えられないという意見もよく聞きます。
部下を預かる立場であれば、責任だけではなく、部下に対する権限もあります。
「自分が何をなしえたいのか」は「誰に対しても挨拶ができる職場」でも「売上一番」でも・・・会社の目的に合致したものでよいのです。
それを本気で思い、本気で実行さえすれば、叱れない上司のジレンマから解放されます。
マネジメントスタイルの確立
自身のマネジメントスタイルも習慣化によって確立されます。
自分が何をなしえたいのか、そして、自分がムリなくパフォーマンスが発揮できるのはどんな行動の時か。それを継続し成果をより高めたいなら、まずは何からやるべきか。
行動の習慣化により周囲に自分を認知させるのです。
目標の設定を行い、マネジメントの習慣化を行うこと。
前章に書いた、マネージャー課題を多くもつ企業の皆様。まずは、マネジメントスタイルを確立させるための習慣化について考えてみませんか。