ブログ

人材育成、組織開発は人事部にあらず。事業部門に権限を

当社の人材開発サービスにCG1(シージーワン)https://be-do.jp/service/cg1/というプログラムがあります。

CG1はConfidence Guiding Oneの略称です。Confidence(自信や信頼)Guiding(導く)One(個性・リーダーシップ・行動)の意があり、その人らしいリーダーシップ行動につながる自信と信頼づくりを導くという意図を持って提供しているプログラムです。

受講者に対して個別に社外1on1を半年に渡って提供するというもので、コーチングに近いサービスですが、特徴は専用サイトを使い、受講者の心理的資本に焦点を当てて開発しながら、受講者の課題解決やキャリア開発をおこなっていくというものです。

2021年からサービス提供開始し、すでに受講者は約200名に届くほどになっており、当社にとって重要なサービスですが、その報告会で興味深いお話が聞けました。
このブログは特にCHROや人事部門の方に読んでいただきたいと思います。

CG1は主に「管理職層の課題解決・マネジメント力強化」「次世代リーダー(女性幹部候補を含む)の成長支援」「中堅社員のキャリア開発」などの目的でご依頼をいただいています。私たちの窓口は人事部の人材開発のご担当者さまになります。

人事部からのご依頼は「次世代リーダー研修後のフォロー」「新任任管理職」や「キャリア入社管理職」または「異動後の管理職」「手上げ制」といった人選によって受講する場合が多いです。

「組織単位」でのCG1 導入事例は想定以上の高い効果

そんな中、このCG1を部門の組織単位でご依頼いただいているところがあります。
部門の組織単位とは組織長―課長―係長まで約20名ほどの塊です。

このような大胆なオーダーに至った背景は、人事部からではなく、事業部の責任者からの提案でした。そのが責任者の方が以前にCG1を受講し、ガイド(CG1でコーチングをする人をガイドと言います)に本音ベースで話せ、「今まで言われたことないようなことをフィードバックしてもらえる」「知らなかった自分に気が付ける」などの体験をしたことから、できれば組織単位で受講させたいという申し入れを人事にしてくださったことから始まりました。

組織単位で受講した結果、事業部責任者がおっしゃるには、数名の人は「腹が立つくらい(笑)成長した。もう1ランク高いところでもやれるくらい」という人が出てきたり、「会議での発言が活発になった」「自信が出てきた」などという評価をいただきました。定性情報を裏付けるように心理的資本診断の結果も高まっています。

組織単位で受講したことで、受講者がCG1でのセッションについて部内でふりかえりを行っていたそうです。結果的に受講者が互いに高めあう効果が得られたのだと思います。

もちろん、同じ組織の上司・部下をひとりのガイドが担当することがあっても、ガイドは守秘義務があるので内容を他に話すことはありません。しかし、組織内部の状況がより分かりやすいため、ガイディング(介入)が行いやすい利点もあったでしょう。とても高い効果があったとフィードバックをいただきました。

階層別研修の課題と組織単位での取り組みがもたらすもの

ところで、そのフィードバックの際に、事業部責任者の言葉がささりました。それは、階層別研修の課題の指摘です。

課長研修、リーダー研修などの階層別の研修に参加した人は、研修後、意気揚々と現場に帰ってきます。このことは大変良いのですが、やたらテンション高く「いきなり現場を変えよう!」とか、「こうやろう!」とか言いだすと、「誰もついてこれない・・・サポートできない」状況になり、「あの人がテンション高いのは、研修帰りだからね」と冷めた感じになってしまうというのです。

なので研修は、階層別だけではなく、組織単位で行うほうが良いのではとの意見でした。

確かに階層別研修はその立場に応じたスキルや知識を得る機会として大切です。でもこれが組織開発につながるかというと、少し違うのかもしれません。

下手すると組織開発にはマイナスになってしまうかもしれないです。
組織というのは有機体と同じ。どこかだけが強く活性化したら、癌化するかもしれません。

人事部門と事業部門の間に立ちはだかる「組織の壁」

ただ人事部門としては、現場の組織開発課題は現場の問題であって、人事としては介入しづらいということも理解できます。現場のことは現場でやってほしいということでしょう。

当社の提供するサービスはCG1だけでなく、現場の組織人材力向上を実現支援するものが多いため、いつもこの壁にぶちあたります。

心ある事業部門の責任者が当社のサービスに共感し、人事に持ち掛けていただいた時に起こることとして、人事の範疇外であったり、予算がないと言われたり。また人事に提案しても、組織開発は現場課題なので、介入できずありきたりの階層別の研修しかイメージされなかったり・・・

このCG1の場合、人事部で良いサービスだと認識いただいても、公平平等の観点から人選に困って動かないことも多々あります。

この人事部門と事業部門の組織の壁は、組織の能力の最大化の阻害要因ではないかといつも感じています。

 CHROの役割と現場への権限委譲の提言

その壁を超えるためにもCHRO(最高人事責任者:Chief Human Resources Officer)がいるのでは、とも思います。CHROは「経営戦略を『人』と『組織』の側面から実行し、企業価値を最大化させる責任者」です。であれば、現場の組織力向上のためにもっと現場に組織開発予算を割り当てるなど大胆な施策を取って良いのではないでしょうか。

この組織単位でCG1をご依頼されている企業では、事業部門の進めて意をくんで進めておられるのが素晴らしいと思います。そしてその事業部門に対して、その企業の経営者からは「人材が育っている組織」との評価もいただいています。成果がでているのです。

本気で人の力で業績をあげたいCHROには「人のことは人事部まかせ」から変えていくことを提言したいと思います。

▼人材開発サービスにCG1(シージーワン)の詳細はこちら

石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

関連記事

執筆者プロフィール
石見 一女

石見 一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。
研究員リスト
  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • Li Zheng
  • 心理的資本研究員
  • 下山美紀
  • 舞田美和
  • 岡本映一
  • 雪丸由香
最近の記事
  1. 人材育成、組織開発は人事部にあらず。事業部門に権限を

  2. 心理的資本(HERO)を高める「代理体験」の活用法|行動変容を阻む壁を「仕組み」で突破する

  3. 心理的資本の活用事例・ビジネスの最前線を知る|人的資本経営を成功させるために

TOP