オーセンティックなリーダーとは、「自分らしさを貫くリーダーシップ」という意味です。
VUCAの時代、権威主義的で硬直したリーダー像では難しくなっている中で、
リーダーには多様な価値観を受け入れ、柔軟に対応することが求められています。
そこで注目されているのがオーセンティックリーダーシップです。
オーセンティックリーダーシップという新しいリーダーシップの考え方に触れたとき、
これは女性である私にとって、とても共感できるものだし、実践しやすいと思いました。
なにせ「弱みを見せること」も許容されるリーダーシップだからです。
オーセンティックとは「本物の」「真正の」「確実な」という意味ですが、
リーダーに本物も偽物もあるのか、と突っ込みたくなりますよね。
リーダーを促成栽培するときは、プロトタイプのリーダーの仮面をつけさせて、
リーダー像の強制ギブスをつけさせるほうが簡単です。
本人も迷わずリーダー像を演じたらいいので、やりやすいとも言えます。
ただこれでは、常に組織の上位者が正解を出し続けられるような場合しか通用しません。
より多様性を活かすには、柔軟なリーダーの存在が必要なのです。
「自分らしさのリーダーシップ」といっても多くの人は「自分らしさ」など気に留めたことはなく、
せいぜい「得意と苦手」程度しか理解していません。
私もまったくそのとおりで、自分らしさと問われても「?」となってしまいます。
「リーダーの伸ばすべき最大の能力は何か?」との問いに対し、
スタンフォード大学の顧問委員に聞いたところ、全員が「自己認識力(セルフ・アフェアネス)」と答えたそうです。
自己認識力を高めるには、自らの過去と向き合い、自分の弱さを認めることからはじめるとのこと。
自らをふりかえり、そして鎧を脱いだ自分を理解するということなのでしょうか。
オーセンティック・リーダーシップは、心理的エネルギーである心理的資本と関係が深いと言われています。
心理的資本を高めるうえで、自らと深く向き合う必要があるからかもしれません。
まだまだ私も勉強中のオーセンティックなリーダー像ですが、コラムで気づいたことなど綴っていきます。
※参考資料:「オーセンティック・リーダーシップ」ダイヤモンド社
本コラムは心理的資本研究所が発行している「Be&Do通信」(当社メルマガ)に掲載されたバックナンバーです。人と組織のイキイキに効く処方箋!として週1回、平日の朝にコラムや情報をお届けしています。
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