コラム

新しい働き方とは~ニューノーマルが始まる~

「働き方」が変わろうとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして一気に導入が進んだテレワーク。すべての業種職種での対応は難しかったかもしれませんが、多くの仕事がオフィスという場がなくとも行えることを実感した方も多かったのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大前から叫ばれていた「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や、「働くスタイルの多様化」などの課題・変化に対応していくこと、急速に求められるような状況になってきました。

予測不可能、先が見えない今。
あらゆるものが日々すごいスピードで変化するで、当然ながら働き方も従来どおりのカタチから「変化」が求められているのです。

日本型雇用は時代遅れに

現在の日本情勢に適していないとささやかれていた雇用慣行。
第二次世界大戦後に本格的に定着し、1950年代~60年代にかけて高度経済成長を牽引した終身雇用、年功序列、企業別組合という三種の神器に象徴される日本的経営。

日本型雇用システムに大転換期が迫っています。

終身雇用制度の崩壊

50年代から本格的に企業経営における雇用の礎となった終身雇用制度。
少子化や日本経済停滞。2019年5月、トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用の維持は難しい」と発言したことも記憶にある方も多いと思いますが、日本企業の多くが終身雇用といった制度を維持することが難しくなっています。

少子高齢化が進み、若年層の人材が不足。
人口構造は変化し、安い給料で働いてくれる若い労働力が多く供給される環境はなくなりました。中高年層雇用を定年まで保障することも難しい状況へとなっています。

また、最初に正社員で就職しても定年時まで勤め続ける男性は3人に1人の割合といったデータも出ており、人材の流動化が高まっている今、終身雇用の必要性は薄まっています。

年功序列制度の廃止

日本経済は停滞期を迎え、労働人口は減少しています。

「年齢」を軸とし、時間がたつにつれ経験値が積まれ能力が上がる、という考え方に基づき、年功序列制度は維持されていました。
しかし、ITの導入でスキルアップが無駄になる面も出ており、現在の日本は必ずしも年功序列に適しているとはいえなくなってきているのが実情です。

日立製作所は国内の課長以上の管理職を対象に年功序列を廃止。日立製作所は2020年より入社式の名称を「Career Kickoff Session」に変更。
会社に依存せず自らキャリアを切り拓く人材になってほしいというメッセージを送ることが目的としています。

日立製作所だけにとどまらず、ソニー、パナソニックといった日本を代表する大企業も年功序列制度を廃止しています。年功序列から脱却する流れは今後も加速すると考えられます。

新卒一括採用の廃止

卒業前の学生に対し、限られた期間で求人・選考を行い、卒業後すぐに彼らを大量に雇い入れる新卒一括採用は日本独特の特殊な雇用システムです。
新卒採用という概念があるのは海外では韓国のみで、それ以外の国では新卒採用は行われていません。

日本特有の雇用慣行である新卒一括採用廃止され、通年採用が実現化されます。経団連は、2022年入社以降の学生に対する就活ルールを廃止し、採用活動の時期を定めないこととしました。

今後、年間を通し自由に新卒採用を行う通年採用への移行が進むと思われます。
また、中途採用市場の発達、人材市場の流動化がより進んでいくと考えられています。

ウィズコロナ、アフターコロナの新しい世界はパラダイムシフトでできている

・他人との接し方が劇的に変化
・対人との距離
コロナ感染拡大により、意識変化は類を見ないスピードで進んだかと思います。

・消費行動の変化
・オンライン会議・研修、営業といった業務運営変化
今までどおりの営業手法では通用せず、大きな転換を強いられたのではないでしょうか。

非対面型ビジネスモデルへの転換、オンラインサービスの新ビジネスが続々と誕生しました。コミュニケーションがオンライン化。社会・産業の構造転換が起こってきています。

今回のコロナ禍は、予想外のパラダイムシフトを引き起こしたといえます。
※パラダイムシフト…物の見方や捉え方非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。

新型コロナウイルスが終息した後も、テレワークなどの行動変容は「ニューノーマル(新常態)」として定着すると考えられています。新しい世界はパラダイムシフトでできているのです。

アフターコロナ 働き方はこう変わる

あらゆるものが変化し続ける。変化の激しい時代。
「働き方」にも変化への適応が求められています。

働く組織の在り方が変化

意識改革が求められているのではありません。ビジネスの変化に素早く対応し、最大の成果を出す現場が動ける環境を作り上げることが求められています。
一度決めた方針を貫くことが目的となっていれば、途中で環境が変わっていても、変化のスピードについていけません。

これからの時代、スピードが何より重要となり、意思決定を進めていく必要性があります。
しかし、現場から変化をつかんでそれを上にあげていかなくては間違った判断をする可能性が高くなります。また、リーダーの指示を待っていたのでは迅速に対応できず、競合に後れることも。

「トップダウン」「ボトムアップ」双方が必要となるのです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応

AIやビッグデータ、IoTといった先進デジタル技術を活用し、企業のビジネスモデルを大胆に転換させるデジタルトランスフォーメーション。DXが進むことで、会社の内外でシームレスに仕事ができる環が構築しされ、最適な環境で仕事ができるようになります。

DXが進むことでリモートワークが中心となる新しい働き方が定着。遠隔地で働く人材、地方在住者や海外在住者の採用が可能となります。

コロナ禍では、テレワークにいち早く転換し通常とほぼ同様の仕事ができた企業、環境が整わず休業した企業の差が明らかになりました。
勤務地を問わない柔軟な働き方は人材の呼び水ともなります。

ジョブ型人事制度

終身雇用や年功賃金制度の衰退、テレワークの推進。

メンバーシップ型の人事制度から「ジョブ型人事」に移行し、社員の役割・成果に対して処遇する人事への転換が進んでいきます。

個人の専門性やスキルに依存している働き方。
職務に必要な能力を細かに記載した「職務定義書」に基づいて働く雇用制度で、欧米企業ではすでに広く採用されています。

年齢や年次を問わずに適切な人材を適切な場所に配置。それぞれのメンバーがどのように行動したか、いかに実績につなげる動きができたか、評価される仕組みとなります。


世の中の変化が激しいこの時代。
働き方が変わるのと同時に、一人一人 が変化の激しい社会を生き抜いていくための「総合的な力」を身に付ける必要があります。

社会の変化や動向を踏まえながら、課題に対応するための知識・技能等を習得する。常に能力向上に努めることが求められています。

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