こんにちは、橋本です。今回のコラムでは「行動力」をつけるためにできることはあるか。行動力の源泉というのは、つくれるのか。そんな視点で考えてみたいと思います。職場でマネジメントを行う立場の人や、プロジェクトの進行を任されたリーダーなど、何らか他者に行動を起こしてもらうことが必要な場面が数多くあると思います。そんな方の参考になればと思います。
今、世の中では次から次へと新しい技術や製品が生まれています。それだけではなく、働くということそのものにも、時代に合わせて様々な考え方への適応が迫られることも増えているようにも思います。
環境の変化に適応することは多くの人にとって大なり小なりストレスになります。不安で動けない、怖くて一歩踏み出せない、ということは誰にだって起こり得ることです。
ではそんな時に「アイツは行動力がない」と一言で片づけて良いものでしょうか。
「行動をしなければ置いていかれる」からと「好奇心を持って挑戦しましょう!」と号令をかけるだけでは、不安は一切解消されないでしょう。
例えば最近の分かりやすい話題として生成系AIのひとつ「ChatGPT」というものがあります。
使ったことあるよ、という人もいると思いますが、まだ一度も触れたことがないという人も一般的にはまだまだ多いように感じます。中には職場で禁止されている場合もあるかと思いますが、少なくとも個人でパソコンやスマートフォンを使ってインターネットのアクセスできる状態があるならば試すことはできるかもしれません。
それでも「やってみる」ができない時、どんな課題が考えられるでしょうか。
それは正確な知識が無いからでしょうか。そんなに難しいものではないということや、危険なものではないと知れば、一歩踏み出すことができるかもしれません。誰かが一歩踏み出せば、周囲に波及します。身近な人がひとりでも目の前で「やってみせる」ということがあれば周囲の人も「自分もやってみようか」と思えるかもしれません。
本人がほんの少しでも「使ってみたい」と思っているのなら、行動を起こす手助けをすることが容易になると思います。もし不安に思っているのなら、基本的な知識となる情報を一緒に確認しながら危険なものではないこと認識してもらいます。次は使うために必要なタスクを要素分解してみます。例えば「サービスサイトにアクセスする」とか「サインアップ(アカウント作成)のページを開く」などです。ここまで分解していけば「できないことはない」「それくらいならできる」というレベルになると思います。「ChatGPTの無料アカウントをつくる」「サインイン(ログイン)する」と進んでいくわけです。
実際に新しい質問をChat形式で投げかけてみることが、そんなに難しいものではないことを知ることになるでしょう。そしてまるで人が返答するかのように、文章が返ってきたときに一種の「達成体験」を得ることができるんだと思います。
今回のコラムでは生成系AIを使ってみる、ということを最近よくある話題として取り上げてみましたが、まず一歩目の行動を起こすことをサポートする時には、同じようなプロセスを経ることが多いのではないでしょうか。
今回触れた例は「自分にもできそうだ」「自分にもやれる」という自信であるエフィカシー(Efficacy、自信と信頼の力/効力感)を高める初歩です。
パフォーマンス向上につながる行動の原動力となる心の状態は「心理的資本」といいますが、その心理的資本を構成する4つの要素は頭文字をとって「内なるHERO」と呼ばれます。そのうちのEfficacy(エフィカシー)は、特に中核となる要素と言っても過言ではありません。
本コラムでは、まず一歩目を踏み出すまでのことに触れましたが、その後は試行錯誤を繰り返すことで、その分野その領域について経験や知識が増えていき、より強固な自信を身につけていくことができるものです。
このままではマズいから行動しなさい、と言うことは簡単ですが、人は根本的には弱いという前提に立ちながら一歩目の支援をすることはセットで考えたいですよね。物理の法則にもありますが、一歩目を踏み出す、動きだすためには大きなエネルギーが必要ですが、一度達成体験を得て進み始めると行動に必要なエネルギーはどんどん小さくなっていくことでしょう。
人を変えることは容易にできるものでは決してありませんが、一歩目の行動を後押しする「行動を変える」ためのアシストはやりようがあるということを念頭に置いておきたいですね!
そんな人の行動の原動力となる心理的資本を開発する手法「ガイディング」について実践的に学ぶことができるPsyCap Master認定講座もよろしければご検討くださいね。
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