昔読んだ本に、とても印象に残っているエピソードがあります。
子どもが夢中になって絵を描いているところへ、
「君は絵が上手だね!お金をあげるからもっと描いて」と言うと、
子どもはもっともっと絵を描くようになる・・・
のではなく(!)
しばらくすると、すっかりやる気を失って、描くのを
やめてしまったのです。
これは、純粋に「絵を描く」ことが喜びだったのに
金銭の報酬のために「絵を描かなければならない」
となった途端に、絵を描くことが楽しくなくなって、
絵を描くことへの情熱(やる気)を失ってしまった、
という事例です。
私たちはつい、何か報酬があれば、
もっとやる気が高まるんじゃないか?と思いがちですが、
多くの場合、報酬を目的として高まったやる気は一過性で、
「やりたい」という自由意志ではなく、
「ねばならぬ」という義務感が強く感じられてしまうと、
実は逆効果になってしまうこともあるのだ、
という落とし穴にも気づいておけるといいですね。
人が最もパワフルにやる気が引き出されるのは、
純粋なその人の「Will=望み・叶えたいこと・楽しいこと」
に向かっているとき、です。
私たちが提唱する心理的資本では「HOPE(ホープ)」
という要素で、その人のWillが何なのか?を大切にして
アプローチする手法をご紹介しています。
もちろん、仕事は対価を得て行うものですが、給与のため
だけに働くのではなく、純粋な仕事の喜びを自覚できたら、
もっともっとみんなが自発的に楽しく仕事ができるようになれますね。
あなたのWillは何ですか?
あなたの仕事は、あなたのどんなWillを叶えられるもの
でしょうか?
あまたある仕事の中から、今の会社、今の仕事を選んだ
ということは、きっと何か、あなたのWillに繋がるものが
そこにあったから、ではないでしょうか。
たまにはそんなことも改めて考えてみると、普段の仕事の
見え方が、ちょっと変わってくるかもしれません。
本コラムは心理的資本研究所が発行している「Be&Do通信」(当社メルマガ)に掲載されたバックナンバーです。人と組織のイキイキに効く処方箋!として週1回、平日の朝にコラムや情報をお届けしています。
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