コラム

【明日のHERO  – Vol.3】優秀なのに、なぜか自信が持てない管理職

仕事もできるし周りからの信頼も厚い、会社から評価されてもいるのに、「なぜか自信が持てないんです・・・」そう苦笑される女性管理職のCさんとお会いしたのは、私たちが提供している中核社員のためのガイディングサービス『CG1』の導入オリエンテーションでした(※実際の事例をもとに内容を一部脚色し、守秘義務に反しない範囲でご紹介しております)。

ー なぜか自信が持てない人は意外に多い?

Cさんは思慮深い控えめな印象ながら、ご自分の中に強い芯を持ち行動力もある方です。ご自分でもそれなりに前向きに努力している自覚もあり、会社に貢献できているとも思う。だから”自信を持っていいはずだ”と頭では思えるのだけれど、どうしても自信を持つことができない・・・というのが、彼女の長年の悩みだったのでした。

実際、上司からも「もっと自信を持ってやってほしい」と言われるものの、どうやって自信を持てばいいのかわからず糸口が掴めないままでいるとのこと。オリエンテーションで「自分らしさに自信を持てるようになること」を一つのテーマとしてプログラムを進めていかれることをご提案し、担当ガイド(専任の面談担当者)として、彼女と同じく前向きで飽くなき向上心を持ちながら、不安やネガティブな想いにも寄り添い、ポジティブなフィードバックが得意なガイドをアサインさせていただきました。

彼女はガイドと一緒にCG1のプログラムを進めるうちに、子どもの頃から「もっと、もっと」と際限なく向上心を求めて頑張り続けてきた傾向があり、その結果、相応に成果が出ていても「まだまだできていないことがある」と自信を持てないでいたのだ、ということに気づいていかれました。

実はCさんに限らず、いつも前向きで頑張り屋、周りからの評価も高い方の中に、こういう方は意外に多いかもしれません。成長意欲や向上心があることは素晴らしいことなのですが、自分が”できた”ことを認めることができずにいると、「まだもっと上がある」「まだ自分は不足している」と常に自分に厳しい目を向けることになり、場合によっては過度に自分を追い立て疲弊させてしまうこともあります。

1プレイヤーとして仕事をしているときには、ある意味成果がわかりやく具体的な成長が感じられやすいものですが、マネジメントという正解や成果がわかりづらい役割においては、なかなか「自分はよくやれた」「できた」と感じづらいものでしょう。

しかしこの「自分はよくやれた」「できた」という感覚こそが、自分への信頼(=自信)の礎となり、管理職としての自信を支える重要な役割を果たすのです。Cさんが受講くださった『CG1』で行っているアプローチは「心理的資本(内なる心のエネルギー)」を高めるガイディングという手法なのですが、心理的資本の中でも、この”できた”という達成感や、”自分にはできる”という自信は「Efficacy(効力感)」という要素で重視しています。

どんなにスキルがあっても、どんなに経験や能力が高くても、この「Efficacy(効力感)」が低いと自信を持つことができず、結果として目標に向けて進むための適切な行動ができなかったり、自分の心理状態をポジティブに保つことが難しくなってしまいます。

ー 管理職の自信がチームにも大きく影響

この「Efficacy(効力感)」を高める方法として、周囲からの「ちゃんとできてるよ」といったポジティブなフィードバックもとても有効なのですが、Cさんのようなタイプの場合、それだけではなかなか自分の”できたこと”へ目を向けることは難しい。「Efficacy(効力感)」を最も強力にUPさせるのは、何より自分自身の「できた!」という体感なのです。

Cさんは、担当ガイドから提案されたちょっとした工夫を実行するうちに、この「できた!」という達成感を感じられるようになり、少しずつ自信を持つことを自分に許可できるようになっていかれました。そうすると、これまでつい周囲に遠慮して躊躇していたことにも積極的に行動できるようになり、たとえ失敗しても自分が行動できたことを適切に評価し、後悔ではなく次への糧に変えていくことができるようになられました。

管理職の方がこの「Efficacy(効力感)」を高められることは、実はチームにとって大きなインパクトがあります。自分に自信を持てない上司が「まだダメだ」「もっと頑張らなければ」と自分を追い立てていると、どんなに部下たちに「頑張ってるね」と声をかけても、その言葉は空虚に聞こえ、部下たちは上司のように自分ももっと頑張らなければという焦りを感じてしまうでしょう。また、チーム内に「自分たちならやれる!」という気運を持たせることも難しいでしょう。

せっかく優秀な能力を持った管理職であっても、「Efficacy(効力感)」が低ければその能力は十分に発揮されません。実際、CG1受講後のCさんの心理的資本診断結果を見ると、しっかり「チーム状態」もUPされていました!Cさんがイキイキと活躍していかれる様子はきっと周囲にもポジティブな影響を与え、より自信を持ってチームを率いて進んでいってくださることと思います。

Cさん、CG1のご受講ありがとうございました!

CG1(シージーワン)

舞田美和

舞田美和

Be&Doカスタマーサクセス担当/ CDAキャリアカウンセラー。人材サービス・教育研修会社の企画営業として多くの人材育成支援に携わる。その後、人事・採用、大学の新設・運営業務の後、現職。Be&Doのカスタマーサクセス担当として、イキイキとした組織・人材づくりの提案や運用支援を行っている。

心理的資本の概要/高める方法を資料で詳しく見る!心理的資本とは、人が何か目標達成を目指したり、課題解決を行うために前に進もうと行動を起こすためのポジティブな心のエネルギーであり、原動力となるエンジンです。「心理的資本について詳しく知りたい」方は、以下の項目にご入力のうえ「送信する」ボタンを押してください。
◆資料内容抜粋 (全16ページ)
・心理的資本が求められる背景
・心理的資本の特徴
・構成要素「HERO」の解説/開発手法とは? など

関連記事

執筆者プロフィール

舞田美和

舞田美和

Be&Doカスタマーサクセス担当/ CDAキャリアカウンセラー。人材サービス・教育研修会社の企画営業として多くの人材育成支援に携わる。その後、人事・採用、大学の新設・運営業務の後、現職。Be&Doのカスタマーサクセス担当として、イキイキとした組織・人材づくりの提案や運用支援を行っている。

研究員リスト

  • 赤澤智貴
  • 小西ちひろ
  • 橋本豊輝
  • 石見 一女
  • Li Zheng
  • 心理的資本研究員
  • 下山美紀
  • 舞田美和
  • 岡本映一
  • 雪丸由香

最近の記事

  1. 同僚とのちょっといい話 〜マークさん編〜

  2. 組織への影響が大きいリーダーの心理的資本を高める!エグゼクティブコーチと考えるガイディング

  3. 風通しの良い職場をつくるためのたった3つのルール

TOP